世界の海は青く深く…アクアワールド大洗(前編)

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

旅行好きな私・加藤学

これまで各地の名所を訪ね歩き、各地の山へ登ってきましたが、その私が毎年4月になると必ず訪れる場所があります。

それは千葉県~茨城県の太平洋沿岸

各地でサクラが満開となるこの時期だけは、他の予定は絶対入れずに日程を押さえておく…そこまでして行きたい理由は、神奈川県箱根町という山の中に住んでいれば、自然と海が恋しくなるからです。…

まだ暗い未明に箱根町仙石原の自宅をマイカーで出発、フェリーで千葉県へ渡って房総半島の山間を抜け、広大な太平洋を見ながらぐんぐん北上してようやく辿り着く場所こそ、茨城県大洗町なのです。

そして大洗町で私が必ず訪れる場所といえば、アクアワールド大洗

関東地方はもちろん日本国内でもトップクラスの大型水族館として、この大洗町を代表する観光名所となっていますね。

その主役は何といっても多くの魚や生物たち。

大洗をはじめ地球の東西南北の海から、とてつもなく大きな、きらびやかで色鮮やかな、そしてユニークな魚や甲殻類、貝類、鳥類に哺乳類までが大集合!!

さあ、いっしょに世界の海へ入ってみましょう!!

箱根から大洗まではるばると…

2019(平成31)年4月8日午前4時。

まだ夜の闇に包まれた箱根町仙石原を、事故を起こさないよう気を引き締めながら出発しました。

箱根の山を下り湘南海岸を東へ進むうちに空は明るくなり、6時には横須賀市の久里浜港に到着。

東京湾フェリーに乗って7時には対岸の金谷港、千葉県に上陸です。

Photo by Manabu Kato in April 4, 2017
Photo by Manabu Kato in April 8, 2019

ここからは房総半島を横断した後、太平洋広がる九十九里海岸を北東へどんどん進み、正午前には関東地方最東端の千葉県銚子市。

銚子大橋で利根川を渡り、いよいよ茨城県に入ります。

長い旅の終わりは太平洋の絶景

鹿島神宮(鹿嶋市)に参拝しさらに北上すれば、やがて太平洋を目前に望む大洗町へ。

15時15分には大洗マリンタワーに到着しました。

高さ55mのマリンタワー展望室からは、眼下に大洗港や大洗の街並み、そしてはるかな太平洋が一望できます。

快晴ならば富士山や筑波山、日光連山が見えますよ。

Photo by Manabu Kato in April 10, 2018
Photo by Manabu Kato in April 10, 2018

マリンタワーから約15分で、今夜の宿「かんぽの宿大洗」に到着しました。

箱根町仙石原の自宅から、実に330km・12時間におよぶ長旅…お疲れさま!!

広大な駐車場と茨城の春を彩る花

翌4月9日。かんぽの宿大洗から10分ほどで、アクアワールド大洗の広い駐車場に到着しました。

向こうには建物が見え、大きな水族館であることが一目でわかるでしょう。

Photo by Manabu Kato in April 5, 2017
Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

こちらは駐車場脇に咲くネモフィラの花。

ここから北へ約9kmにある「国営ひたち海浜公園」のネモフィラ大群落は、毎年テレビで紹介されるほど有名ですね。

北米~中米にかけて分布する植物です。

キャラクターたちがお出迎え!!

入口階段下にある顔出しパネルには、これから出会える主な生物たちが描かれています。

いちばん上にいるのは当館マスコットキャラクターのサメ。

青色が「ブルル」、ピンク色が「ピルル」です。どうぞよろしく!!

Photo by Manabu Kato in April 5, 2017
Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

入口にいるだけでも生物感がいっぱい、それでは入館しましょう!!

サメ君も口を開けてお出迎え!!

少し長い廊下を奥へ進むと広いエントランスホール、向かって左側にチケット販売所があります。

見学手続きをしたらゲートを通り、いよいよアクアワールドです。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

ようこそアクアワールドへ、ガオーッ!!

海そして魚たちとの出会い

アクアワールド大洗は、海それぞれのテーマが描かれた9つのゾーンに分かれています。

最初は「出会いの海ゾーン(Sea life of Ibaraki)」。

ここは地元・大洗の海にすんでいる魚や生物たちが見られる水槽。

奥へ進んで右側に続く、天然の海が再現された「海藻水槽」では、さらに多くの生物たちが見られますよ!!

まずはカゴカキダイとイシダイの群れ

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

アオウミガメもいます。それでは魚たちを少しご紹介しましょう。

カゴカキダイ

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

太平洋側によく見られる、縞模様の美しい魚です。

イシダイ

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

釣りファンにとって憧れの魚、味も高級です。

トラフグ

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

有名な超高級魚、猛毒ですが大変美味です。

カワハギ

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

独特の顔つきをした、これも大変美味な魚です。

メジナ

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

太平洋側に多い、釣りも味も有名な魚です。

魚たちがきらめき舞う巨大水槽

館内奥へさらにスロープを下ってゆくと、そこには青く輝く「出会いの海の大水槽」が広がっています。

水量実に1,300トンの中に、80種類20,000匹にもおよぶ魚たちが乱舞するこの巨大水槽は、アクアワールド大洗の目玉と呼べるでしょう。

特にイワシの大群はきらきらと輝きます。

Photo by Manabu Kato in April 5, 2017

イワシの大群にアオウミガメが!! 

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

ここで…アクアワールド大洗について

1952(昭和27)年6月に建てられた「県立大洗水族館」に始まり、その後「海のこどもの国大洗水族館」を経て、2002(平成14)年3月21日に「アクアワールド茨城県大洗水族館」としてリニューアルオープンしました。

広大な面積の中に世界中の海を再現させ、約600種類68,000点にもおよぶ魚介類や鳥類・哺乳類が飼育されています。

その他にも、日本初(世界初ともされる)のペンギンショーを開催したり、飼育しているサメとマンボウの数が日本一多いなど、展示もイベントも飼育も画期的な大規模水族館です。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 5, 2016

当館のシンボルマークは、海の生物たちのトップに立つ「サメ」

このマークに描かれている3つの輪には「大洗・茨城・世界」「黒潮・潮目・親潮」「過去・現在・未来」のイメージが込められています。

4億年もの大昔から栄えてきたサメ

シンボルマークやマスコットキャラクターの「ブルル」「ピルル」に象徴されるように、アクアワールド大洗ではサメの飼育と研究に力を入れており、2017(平成29)年4月現在で55種類ものサメが見られます。

Photo by Manabu Kato in April 5, 2016
Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

こちらは当館3階にある「サメの海」と呼ばれる大型水槽。

その名のとおり大小のサメが泳ぎ回っています。

ちなみに写真は「シロワニ」というサメ、大きくて怖い顔ですが性格はおとなしいそうです。

大きなマンボウたちもいます!!

アクアワールド大洗の人気者といえばマンボウでしょう。

ここは日本最大級のマンボウ専用水槽で、それも複数のマンボウを飼育している貴重な水族館なのです。

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

マンボウの体は傷つきやすいことから、ビニール製の衝突防止用フェンスを水槽内に設置したり、また消化不良をおこしやすいため「クラゲに近い食感」のエサを作ったりと、飼育員のみなさんの苦労と努力がうかがえます。

マンボウのお食事が見られるかも…

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018
Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

時間によっては「お食事タイム」が見られるかもしれません。

飼育員さんが手を伸ばしてエサをあげているのがわかるでしょうか…。

このエサもマンボウ同士が喧嘩しないよう、1匹ずつ別々の時間に与えているのです。

光のとどかない海に舞うクラゲたち

さて、出会いの海の大水槽からさらにスロープを下れば、いよいよ「暗黒の海ゾーン(Deep Sea)に入ります。

照明も暗くなるので足元に注意しましょう。

暗闇の中には、怪しげな光を放つクラゲたちの水槽があります。

こちらは日本で最も多く見られるミズクラゲ

四つ葉のクローバーのような模様が特徴です。

Photo by Manabu Kato in April 11, 2018
Photo by Manabu Kato in April 7, 2015

クラゲの水槽は、さまざまなカラーにライトアップされます。

姿も形もさまざまに深海をさまよう…

こちらはカミクラゲ。太平洋側に多くすみ、長い触手(しょくしゅ)が、髪の毛を想わせることが名の由来です。

Photo by Manabu Kato in April 5, 2017
Photo by Manabu Kato in April 11, 2018

こちらはサムクラゲ。寒冷な北太平洋にすみ、とても長い触手を持ちます。

実は英名で「Fried egg Jellyfish」(目玉焼きクラゲ)と呼ばれており、確かに卵のような黄色い模様が見えますね。

遠い深海からやってきた伝説の怪魚

クラゲ水槽の先には、さらに怪しげな長い魚の標本が展示されています。

この魚はリュウグウノツカイ(龍宮の使い)という名で、世界中の1000m近い深海にすみ体長が5m以上になることも…。

昔から日本各地に伝わる「人魚伝説」の元になっているとされています。

こちらは2009(平成21)年2月に、茨城県鉾田市の海岸に漂着したリュウグウノツカイの標本で、体長は2.8mです。

Photo by Manabu Kato in April 5, 2017
Photo by Manabu Kato in April 5, 2017

たてがみのように見えるのは背びれの先端部、この姿だけでも神秘を感じますね。

それにしても「龍宮の使い」なんて、こんなロマンチックな名前を誰が考えたのでしょうか…。

奇妙でグロテスクな深海魚たち

リュウグウノツカイの他にも、これぞ深海魚!!というイラストパネルが展示されています。

独特の技法で、口を開けたり閉じたりしているように見えますよ。

こちらはホウライエソ。体長は40cm近くでニックネームは「深海のギャング」

鋭い牙と大きな口で魚をガブリと平らげます。

長い尾と下腹部に並ぶ発光器で、魚をおびき寄せているようです。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

こちらはフクロウナギ。体長は約1m、やはり大きな口で魚をとらえて食べます。

顔つきはホウライエソに比べると少しユニークです。

でもこんな魚たちが目の前に現れたら、思わず逃げたくなるでしょうね。

ちょっと一息、外には大水槽が…

暗黒の海ゾーンからは、世界最大のタカアシガニなど大型魚がいる「大陸棚の生物水槽」を見た後、エスカレーター(感知センサー式)を上ります。

右側には休憩所、冷たい飲み物の自動販売機がありますよ。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 5, 2017

いつの間にか、出会いの海の大水槽を見下ろすテラスに来ていました。

さあ、大水槽でショーの始まり!!

ちょうど10時、大水槽ではダイバーさんによる「水中解説ショー・アクアウオッチング」が始まりました。

広い水槽を上下左右に移動しながら、イワシの群れに突入したり、エイといっしょに泳いだり…。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

ダイバーさんが手にしている水中カメラの映像は、水槽上部のスクリーンに映し出されます。

ダイバーさんといっしょに楽しもう!!

ダイバーさんに、映してほしい魚をリクエストしたり…。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

水槽越しにクイズをしたりと…子どもたちに人気のイベント。

アクアウオッチングのラストは華やかに…

約20分間のアクアウオッチング。時間はあっという間に過ぎて、みなさんごきげんよう~。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

最後は華やかな「泡のカーテン」でフィニッシュ!!

アクアウオッチングのフィナーレと同時に館内は、幻想的なイルミネーションに…。

Photo by Manabu Kato in April 9, 2019
Photo by Manabu Kato in April 9, 2019

そしてこの後、ここオーシャンシアターでは、迫力とユーモアいっぱいの「イルカ・アシカオーシャンライブ」が始まります。

この続きは…後編のお楽しみ!!

アクアワールド大洗…まだまだ続きます!!