「永観堂」から「南禅寺」大人の京都を楽しもう!

永観堂
Photo by Sun Taro - 永観堂

「綺麗ですね~!ここは何処ですか?」

ここは京都の永観堂です。正式名称は「禅林寺」で、浄土宗西山禅林寺派の総本山。

境内には3,000本の楓が植えられていて、別名「秋は紅葉の永観堂」と呼ばれるくらい有名です。この永観堂から南禅寺界隈は、素晴らしい庭園も多く、落ち着いた大人の京都を楽しめる場所です。

是非立ち寄ってほしいポイントをご紹介しましょう!

永観堂の歴史

総門/永観堂 禅林寺(Eikando, Zenrin-ji Temple
Photo by masato_photo – 総門/永観堂 禅林寺(Eikando, Zenrin-ji Temple

永観堂の歴史は古く、あの空海の弟子真紹(しんしょう)が、853年に平安時代の文人である藤原関雄の山荘を真言宗の寺院としたのが始まりです。

その後、中興の祖とされる七代目律師、永観(ようかん)によって浄土宗がもたらされ念仏の寺へと変化を遂げることになりました。「禅林寺」が「永観堂」の名で呼ばれるようになった要因には、このことが影響しています。

もう一つ永観には重要なエピソードが残されています。

それは阿弥陀堂に安置されている本尊の阿弥陀如来像に関係しています。

阿弥陀堂(本堂)
Photo by masato_photo – 阿弥陀堂(本堂)

「ここが本堂…。

あっ、優しいお顔の阿弥陀様!振り向いていらっしゃるのですね!」

その昔、永観律師が50歳の頃、二月の明け方に、阿弥陀様の周りを念仏を唱えながら回る、厳しい修行を行っていました。

すると突然、阿弥陀様が動き出し、永観の前を先導して歩き出したのです。

永観が驚いて立ちすくんでいると、阿弥陀様は振り向いて「永観遅し」と言われました。

それ以来、このお姿のまま、今に至っていると言われています。

一説には、遅れてくる者たちへの慈悲の心や周囲への思いやりを表したお姿であるともされています。

是非、拝観されて、その優しいまなざしに心を癒されてくださいね。

やっぱり永観堂の紅葉は圧巻!

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Photo by Gregg Tavares – DSC07389_b

「永観堂」と言えば見逃せないのが秋の紅葉です!

古今和歌集にもその美しさが詠まれ、「モミジの永観堂」として親しまれてきました。

「宝石みたいですね!

なんだか自分も紅葉の色に染まりそう…。」

本当にそうですね。

境内の中でも「放生池(ほうじょうち)」周辺からの景色は、水面に紅葉が映えて美しさ倍増です。

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Photo by Marufish – DSC_1138

これは「多宝塔」です。

この塔は釈迦堂の裏手に位置し、境内の最も高いところに建てられています。

木々に囲まれて立っている塔自体も美しいですが、塔が建っている場所からは京都の街並みが一望できます!

上がるのはちょっときついですけれどね(笑)。

紅葉の季節には夜間特別拝観も行われています。昼とは違う魅力がありますので、こちらもぜひお見逃しなく。

「永観堂」の拝観料は大人600円、小中高生400円です。

拝観時間は朝の9時から夕方5時まで(受付終了は4時)なので、訪れる際は時間を確認してくださいね。

また夜間特別拝観は、毎年11月上旬から12月下旬にかけて行われます。拝観時間や料金などが通常とは異なるので、お寺のホームページで確認してからお出かけになる事をお勧めします。

Web Site:http://www.eikando.or.jp/index.html

気分は石川五右衛門?南禅寺の山門で絶景を満喫!

The "Sanmon", the main gate of Nanzen-ji (Kyoto, Japan)
Photo by t-mizo – The “Sanmon”, the main gate of Nanzen-ji (Kyoto, Japan)

「なんて大きい門!人がちっちゃーい!」

ここは臨済宗南禅寺派大本山の南禅寺の三門です。

南禅寺は、鎌倉時代に創建された皇室ゆかりの名刹で、沢山の建築物が立ち並んでいます。

中でもこの三門は有名で、歌舞伎の「楼門五三桐」で、大泥棒の石川五右衛門がキセルを吹かしながら「絶景かな。絶景かな。」と言っているのがこの門です。

それでは、実際に門の上に上がってみましょう。

Nanzenji Temple Autumn colors
Photo by Raita Futo – Nanzenji Temple Autumn colors

「これは本当に絶景ですね!

ちょっと怖いくらい…。」

床が斜めなのと、手摺が低いので、高所恐怖症の人は足がすくんでしまうかもしれません。

でもここから見る景色は爽快で、思わず「絶景かな」と声に出したくなってしまう事間違いなしです。

永観堂から南禅寺にかけては、戦前からの豪華な別荘も多く、ゆったりと落ち着いて緑の多い景観がここからも見て取れます。

紅葉や新緑はもちろんですが、邸宅には桜の木も多いので、春には塀越しに素晴らしい桜が見える、隠れた名所だったりもするんです。

ここから桜の帯を見つけて、訪ねて行くのも楽しいですね。

Bridge "Suirokaku" at Nanzen-ji (Kyoto, Japan)
Photo by t-mizoAqueduct – Bridge “Suirokaku” at Nanzen-ji (Kyoto, Japan)

「この素敵なアーチ形の建築物は何?

ヨーロッパみたい!」

これは滋賀県の琵琶湖から京都まで水を引いてきている琵琶湖疎水の遺跡の一つ「水路閣」で、京都市の史跡に指定されています。

琵琶湖疏水とは、明治時代に滋賀県の琵琶湖の水を京都まで引きこむために作られた壮大な水路です。水道から灌漑、工業用水に至るまで使用されたこの水のおかげで、京都の近代化は飛躍的に進みました。

この水路閣も、由緒ある寺院の景観を壊すとして、建設当初は大反対が起こったらしいのですが、完成するとたくさんの見物人が押し掛け、現在ではサスペンスドラマやCMなどの撮影スポットとしても有名な名所の一つとなりました。

ぜひ皆さんも、ドラマの登場人物になった気分で、お気に入りの一枚を撮ってみて下さい。

南禅寺にはこの他にも、有名な枯山水の庭園がある方丈など、たくさんの見所があります。

拝観時間は、12月1日から2月28日までが、朝8時40分から夕方16時30分までで、3月1日から11月30日までは、30分長い17時までとなっています。

拝観料は建物で異なり、三門と方丈庭園は各500円、南禅院は300円です。

座禅会や写経など、禅宗ならではの催しも行われていますので、お出かけの際は、ぜひHPを参考にしてみて下さい。

Web Site:http://www.nanzen.net/

散策の後は名物の湯豆腐で!

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Photo by Marufish – DSC_1024

ここまで「永観堂」や「南禅寺」の魅力についてご紹介してきました。が、ちょっと歩き疲れてないですか?

「はい…。

それにおなかもすいてきました…。」

それならば、南禅寺門前の名物、湯豆腐で一服は如何でしょう?

つける醤油も温める京都の湯豆腐。
Photo by Ryohei Noda – つける醤油も温める京都の湯豆腐。

南禅寺の近辺には、写真のお店をはじめとして何軒かの湯豆腐専門店や料亭があり、湯豆腐を中心としたコースのお料理を楽しむことが出来るのです。

「でも…、京都の老舗だから、高級でお値段も高いのでは?」

いえいえ。お昼のコースでしたら、本格的な豆腐料理を3,000円くらいで楽しむことが出来ますよ。

もちろん本格的な懐石料理のお店もありますので、ご自分の好みや予算でお店を選んでみて下さい。

以前、京都出身の方から、高校や大学時代、ちょっと背伸びして彼女に良いところを見せたい時のデートは、南禅寺の湯豆腐だったとお聞きしたことがあります(笑)。

観光シーズンは事前予約ができないお店もありますので、検索サイト等で事前にチェックして行かれるのが良いと思います。

アクセス

まとめ

以上が、私のおすすめする大人の京都散策です!

此処は、桜も新緑も夏の青空も雪景色も、すべてが「絵」になる「ザ・京都」なので、周りの景色を愛でながら、歩くことを楽しんでみてください。