羽黒山五重塔では、杉並木を歩きながら風情を味わおう

Photo by 三井華 in December 30, 2017
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羽黒山五重塔は、山形県にある国宝の五重塔です。杉並木の参道を歩いていくと、ぱっと五重塔が現れます。羽黒山を長年見守っている、美しい五重塔を見に行ってみませんか。参道には、滝や樹齢1,000年以上の杉など、見どころがたくさんあります。

山形県の中央にある羽黒山、月山(がっさん)、湯殿山(ゆどのさん)の3つの山では、修験道(しゅげんどう)を中心とした厳しい修行が行われていました。

羽黒山の開山は、およそ1,400年前にさかのぼります。羽黒修験道では、羽黒山が現在、月山が過去、湯殿山は未来と例えられ、この3つの山を参拝することで、生まれ変われるといわれていました。昔から、人には「生まれ変わって新しい自分になりたい」という願いがあったのですね。

出羽三山を巡る「生まれ変わりの旅」は、文化庁によって日本遺産に認定されています。日本遺産で大切にされているものは、各地域の「ストーリー」で、日本の文化や伝統をよく語っているものが認定されています。


随神門をくぐると山道が始まる

五重塔がある参道は、随神門(ずいしんもん)から始まります。ここをくぐると、ご神域になったことが分かるほど神聖な空気が流れています。

随神門から山頂までは約2kmあり、ペースにもよりますが、徒歩で1時間程度です。石段は全部で2446段あります。石段の奥行きが狭めで、いつもの歩幅で歩きづらい場合もあります。

冬は、滑り止めがついた靴がないとつるつる滑って危険です。雪が積もっていなくても、石段は滑るのでスニーカーを履いていくことをおすすめします。

随神門をくぐると、まず継子坂(ままこざか)を下ります。

山にこもって修行をするには、まず自分を葬ってゼロから修行に臨むものだといわれます。下り坂には、今の自分を洗い流し原点に戻るという意味がこめられています。

点在する末社

Photo by 三井華 in December 30, 2017

継子坂を下ると、末社(まつしゃ)という小さな社が複数見られます。末社は、本社に付属する小さな神社のことです。

須賀の滝

Photo by 三井華 in December 30, 2017

歩き進むと須賀の滝(すがのたき)の水音がだんだんと大きく聞こえてきます。

祓川(はらいがわ)は、参拝者が衣服を脱いで身を清めた川です。そして新たな気持ちで、生まれ変わりの旅を続けていったのですね。

樹齢1,000年以上の爺杉

Photo by 三井華 in December 30, 2017

五重塔の近くには、爺杉(じじすぎ)という樹齢1,000年以上の杉があります。国の天然記念物に指定されています。

婆杉(ばばすぎ)という杉が並んでいたのですが、台風で失われてしまったそうです。

羽黒山五重塔(国宝)

Photo by 三井華 in December 30, 2017

なんとかたどり着いた雪の中の五重塔は圧巻でした。杉の中に、ひっそりとたたずむ五重塔は、凛とした印象です。

高さは29m、三間五層の杮葺(こけらぶき)・素木造り(しらきづくり)で、繊細で美しく感じるのは、長く伸ばされた軒の効果です。もともとは平安期平将門の建立と伝えられていて、現在の塔は約600年前に再建されたといわれています。2018年4月から11月には、150年ぶりに五重塔の内部が一般公開されました。

かつては30もの神社がこの羽黒山を埋め尽くしていたといいます。明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)でほとんどが破壊されてしまいました。今、羽黒山五重塔が見られるのは、とても貴重なことなのですね。

一の坂〜三の坂

Photo by 三井華 in December 30, 2017

五重塔を見終わったら、一の坂 、二の坂、三の坂を登ります。

山道の杉並木は、樹齢300〜500年といわれていて、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の三ツ星に選定されています。

私が行ったときは階段が全く見えないほど、雪が積もっていました。急な坂で滑りそうになりましたが、休まずひたすら山頂を目指して登りました。地元の女の子がおじいちゃんと来ているのを見かけましたが、藁でつくったかんじきを履いていました。まさに昔話に出てくる風景のよう。

山頂にある出羽三山神社

山頂に着くと、出羽三山神社が現れます。羽黒山、月山、湯殿山を祀る三神合祭殿(さんじんごうさいでん)です。

月山、湯殿山は冬は積雪で参拝ができないので、こちらにも祀られています。ここを参拝すると、三山を巡ったのと同じご利益があるといわれています。

精進料理を味わう

羽黒山では、山伏も食べていたといわれる精進料理を味わうことができます。

三の坂を登って山頂近くの左手に斎館(さいかん)があり、羽黒山に伝わる精進料理を味わえます。山伏の修行を支えるが出羽三山の精進料理の起源です。のちに、山の参拝客にも振舞うようになりました。奥の細道の行脚で羽黒山を訪れた俳聖芭蕉にも、精進料理をもてなしたといわれています。

精進料理は、肉も魚も使わない和製ベジタリアン料理で世界から注目を集めています。山菜、キノコ、筍など地元の旬の野菜が中心で、日によって食材が違います。

料理は、全て予約制になっています。値段は、7品で2,160円、10品で3,240円からあります。見た目も美しい赤い御膳にのった料理は5,400円(涼風膳)からあります。

斎館では宿泊もできますが、料理だけでも楽しめますので、ぜひ旅行のプランに加えてくださいね。

アクセス案内情報

【斎館】

電話番号: 0235-62-2357
住所: 〒997-0211 山形県鶴岡市羽黒町手向7
行き方: 車で 山形自動車道の庄内あさひICで降りて約30分
バスで JR鶴岡駅から庄内交通バス「羽黒山頂行き」で約40分、羽黒随神門下車
電話番号:0235-62-2355 (出羽三山神社)

まとめ

今回ご紹介した「羽黒山五重塔」についてのまとめです。

  1. 随神門をくぐると山道が始まる
  2. 参道には、末社、須賀の滝、爺杉など見どころがたくさんある
  3. 杉並木の中にひっそりたたずむ羽黒山五重塔が美しい
  4. 一の坂〜三の坂を越えて出羽三山神社に到着する
  5. 山伏が食べていた精進料理を味わう

今回の羽黒山五重塔を参る旅では、静かな杉並木の中で神聖な雰囲気が体感できました。この次は、出羽三山である月山と湯殿山にもお参りしたくなりますよ。