旅行大好き人間の私・加藤学は現在、神奈川県箱根町に在住しております。
1996(平成8)年3月以来22年もの間、国際観光地として有名なこの町に住んでいますが、実は箱根町に住む以前にも、中学校時代の修学旅行などで箱根には何度か訪れました。
その修学旅行は34年前の1984(昭和59)年4月、今も噴煙を上げる大涌谷、冷たくも心地良い風の芦ノ湖、江戸時代の面影残る箱根関所、そして最後に訪れたのが、ここにご紹介する「箱根彫刻の森美術館」だったのです。
箱根の山の緑と青空の下に、「えっ!?」と思わされるほど突如現れる彫刻像やオブジェの数々、「こんな美術館があるのか」と驚かされました。当時、美術の担当だった先生が誰よりも興味深そうに見学していたことは言うまでもありません。
…そして四半世紀以上の時を経て、運命の巡り合わせで箱根町に住み着いた私ですが、箱根町民でありながら、日々の忙しさでこれまで彫刻の森美術館へ足を運んだのはわずか2回のみ、いちばん最近では2006(平成18)年11月の見学会で訪れたのを最後に、足が途絶えていたのです。
肝心の箱根はまだ知らない所ばかり。今回、12年ぶりに箱根彫刻の森美術館へ行きました。
さあ、いっしょに彫刻の森へ!!
Contents
- 記録的猛暑の夏はここ箱根でも
- 昔なつかしい箱根登山電車に乗って
- 本当に久しぶりに訪れた彫刻の森
- いきなり出迎える有名芸術家の名作
- たくましい強さを秘めた女性像
- 箱根の山でこそ生かされる芸術
- さあ、彫刻の森を歩きましょう!!
- ハンドパワーをください!!
- 涼しそうな姿、でも今日は暑そう…
- 四角く円く…緑の中の芸術の数々
- 彫刻の森の設計者が手掛けた名作
- 目の前に現れる「木のピラミッド」
- 色の世界、形の世界は子どもたちへのメッセージ
- 青空へと飛び立ちそうなファンタジー感
- 猛暑の中で人々を楽しませる道化師
- 世界一の芸術家が待つ館へ…
- 世界一のピカソは花を自然を愛した
- カフェとギャラリーと足湯でちょっと休憩…
- 色鮮やかなステンドグラスの世界へ
- 自然が造った芸術「箱根の三重式火山」
- 今も噴煙を上げる箱根で最も高い山々
- 箱根の山は形も色も個性豊かに…
- 伝説ある山、富士山の見える山…
- 箱根の夏を彩る大文字焼の山
- 新作構想中にやってきた家族の幸せ
- アイデアもデザインも自由に多彩に
- 彫刻の森を有名にした「怪女」
- 今日も力いっぱい仕事をしよう
- さあ、みんなで歌え!! 踊れ!!
- 箱根の空へ力いっぱい手をのばそう!!
- 彫刻の森歩きの最後を締める英雄
- ペガサスと共に未知の空へ飛び立とう!!
- 野外だけでなく屋内にも楽しみがいっぱい
- 箱根に定着して50年、さらなる飛躍へ
- インフォメーション
記録的猛暑の夏はここ箱根でも
「炎暑・酷暑」…今年の夏はとにかくこの二言に尽きます。
各地で気温が40℃を超える厳しい暑さの毎日、でも山の上にある箱根なら涼しいでしょう…と思われるでしょうが、とんでもありません。今年は箱根町も連日の猛暑が続いており、私の住む標高約600mの仙石原でも、夜もエアコンなしでは過ごせないほどです。

Photo by Manabu Kato in August 2, 2018
2018(平成30)年8月2日、この日も箱根は朝から猛暑。
マイカーで自宅を出発し、ふと「久しぶりに箱根登山電車に乗ってみたい」と思い立って、「強羅公園駐車場」に車を停めました。急な下り坂を歩いて約5分の「箱根登山鉄道・強羅(ごうら)駅」に向かいます。
ここ強羅(ごうら)は、テレビ番組やガイドブックで紹介される美術館や公園、有名グルメ店、有名旅館が多く、箱根の中でも特に人気の場所。夏休みの観光シーズンとあって駅前は多くの人々で賑わっていました。切符を買って「箱根彫刻の森美術館」へと向かいましょう。
昔なつかしい箱根登山電車に乗って
強羅駅から、ほとんど待つことなく箱根登山電車「箱根湯本行」に乗れました。大正生まれのレトロな電車に揺られること約5分、1つめの「彫刻の森駅」で降りれば、箱根彫刻の森美術館はもうすぐそこです。


大きな看板が出迎えます。チケットを購入してガイドマップをもらい、早速入館しましょう。
本当に久しぶりに訪れた彫刻の森
エスカレーターを下って新館前エントランスを抜けると、目の前の景色がぱっと開けます。
夏の日差しに輝く箱根の山々と、広がる芝生に点在する彫刻の数々…。箱根彫刻の森美術館にやってきました!!

右側には「本館ギャラリー」。イギリスの彫刻家ヘンリー・ムーア(1898~1986)の作品を中心とした常設展や、期間限定の特別展が開催されています。

いきなり出迎える有名芸術家の名作
向かって左側には、かの有名な岡本太郎氏(1911~1996)による「樹人」(1971年作)がそびえ立ちます。

日本の芸術界を常にリードし、1970(昭和45)年開催の大阪万国博覧会のシンボル「太陽の塔」を制作した岡本太郎氏。これは大阪万博の翌年に作られた、自由と表現力、生命力にあふれた作品です。
たくましい強さを秘めた女性像
本館ギャラリーの前には、フランスの彫刻家アリスティド・マイヨール(1861~1944)による「とらわれのアクション」(1906年作)があります。マイヨールは丸みを帯びた独特の女性像を数多く作り上げました。

後ろに手を縛られたポーズが作品名の由来。しかし女性とはいえ、その体つきと顔立ちは何となく男っぽく見えます。
箱根の山でこそ生かされる芸術
箱根の山々の中腹部、標高約550mの場所にある「箱根彫刻の森美術館」は、1969(昭和44)年8月1日にオープンしました。私が訪れた前日にちょうど開館49周年を迎えたばかりです。
ヘンリー・ムーアによる作品「横たわる像・アーチ状の足」


「彫刻は野外の芸術である」と語ったヘンリー・ムーアの言葉をもとに、「日本初の野外美術館」としてお目見えしました。箱根の山腹に広がる「オープン・エアー」は約7万㎡の芝生のスペースで、日本や世界の有名芸術家による約120点の彫刻が配置された「彫刻庭園」となっています。
さあ、彫刻の森を歩きましょう!!
本館ギャラリー前を出発して間もなく、4体の像が立ち並びます。この像は、フランスの彫刻家エミール・アントワーヌ・ブールデル(1861~1929)が、南米アルゼンチン政府の依頼を受けて制作したもので、アルゼンチンという国を建てた「アルヴェアル将軍」の像の周囲を守っていると言われます。

それぞれの像には、向かって左から「力-大」「勝利-大」「自由-大」「雄弁-大」と名称が付けられています。

彫刻は実に120点以上ありますので、一部だけご紹介しましょう。
ハンドパワーをください!!

ドイツのライナー・クリスター(1935~2002)による、1973年の作品「大きな手」。
涼しそうな姿、でも今日は暑そう…

中米コスタリカのフランシスコ・ズニガ(1912~1998)による、1984年の作品「海辺の人々」。
四角く円く…緑の中の芸術の数々

右上の芝生を見れば、ロシアのオシップ・ザッキン(1890~1967)による「住まい」。
その右には、同じくロシアでザッキンと同い年のナウム・ガボ(1890~1977)による「球型のテーマ」。
見る人の位置によって様々に姿が変化します。
彫刻の森の設計者が手掛けた名作

4本の柱から下がる巨大な球体は、井上武吉(いのうえぶきち・1930~1997)氏作の「マイ・スカイ・ホール(天への道)」。鏡のように周囲の景色を映し出し、「空の穴」という無限の世界を表現しています。
井上武吉氏は、この彫刻の森美術館の設計を担当しました。
目の前に現れる「木のピラミッド」
やがて目の前には、巨大な積み木のような建物が現れます。「大断面集成材」を積み上げた木造ドーム。


まるでピラミッドのようですが、中へ入ってみましょう。
色の世界、形の世界は子どもたちへのメッセージ
ドームの中は、ぱっと見ただけで「子どもたちの遊園地」という感じがしますね。
あちこちから吊り下げられたカラフルな手編みの大きなネット。造形作家の堀内紀子(ほりうちとしこ)さんによる2009年制作の「おくりもの、未来のポケット2」で、ここは「ネットの森」と呼ばれています。


このネットは、子どもたちが中に入って思いっきり遊び、世界にあふれる様々な色と形を体感できるでしょう。
「編むとは言葉であり、コミュニケーション」…堀内紀子さんからのメッセージです。
青空へと飛び立ちそうなファンタジー感
オープン・エアーにはもうひとつ、子どもたちの遊び場があります。
透明なカプセルをいくつも組み合わせたジャングルジムのようなこの場所は、アメリカの芸術家ピーター・ピアース氏によって作成された「シャボン玉のお城」で、2011年に登場しました。


無数の透明なカプセルが、まるでシャボン玉のようにふわふわと空へ舞い上がる情景を思わせます。
この中を、子どもたちはまさにジャングルジムのように登って遊びます。太陽の光と共に様々に色模様が変わる「お城」、自然の光もまた芸術のひとつといえるでしょう。
猛暑の中で人々を楽しませる道化師
この日も箱根町は朝から気温が30℃を超える厳しい暑さ、冷たい飲み物が大ヒットしていました。

ネットの森すぐ近く、山本信(やまもとしん)氏制作の「ハイッ」。

暑い中ありがとう!!
世界一の芸術家が待つ館へ…
「ネットの森」から歩くこと約5分、いよいよ「ピカソ館」に到着します。
世界一有名な芸術家と呼ばれ、岡本太郎氏をはじめ多くの芸術家に影響を与えたパブロ・ピカソ(スペイン、1881~1973)。その波乱に満ちた人生と活躍の数々を、絵画、版画、彫刻や陶芸作品、金のオブジェまで実に300点余りを所蔵・公開しています。


ピカソの活躍した時代と、ピカソの作品のテーマがそれぞれに分けられています。
人間や自然の描く日常や非日常的な光景までを、ドラマチックにリアリティに描きあげた姿が見えてくるでしょう。
館内撮影禁止
世界一のピカソは花を自然を愛した
世界一有名な芸術家と呼ばれるピカソ。世界一多くの作品を作り上げたとして「ギネスブック」に記録されていますが、「名前も世界一長い」と言われています。
出生証明書によれば、ピカソの本名は「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ」です。
聖人や親類縁者の名前をすべていっしょに付けてあるのです。

Photo by Manabu Kato in August 2, 2018
ピカソ館の前にある「歩く花」。ピカソと同い年で、同じ時代に活躍したフランスのフェルナン・レジェ(1881~1955)による作品。

大きな花が今にも歩き出しそうです。
カフェとギャラリーと足湯でちょっと休憩…
ピカソ館から少し歩くと、2階建ての「カフェ&ギャラリー」の前に到着。
1階はカフェ、2階は「緑陰ギャラリー」となっており、休憩を兼ねての美術鑑賞にいいでしょう。建物のすぐ横には「足湯」もありますよ!!


色鮮やかなステンドグラスの世界へ
足湯のすぐ向かい側には、古代ヨーロッパ風デザインの塔がそびえ立ちます。
ステンドグラス作品で有名なフランスのガブリエル・ロアール(1904~1996)による1975年制作の「幸せをよぶシンフォニー彫刻」。

一枚一枚を槌(つち)で割ったステンドグラスが塔の全体にはめ込まれ、その色彩が外からの日光をうまく透き通らせて、古代ヨーロッパの雰囲気をいっぱいに満ちわたらせています。

塔の高さは約18m。ステンドグラスの中、螺旋(らせん)階段で頂上へ登ってみましょう。
自然が造った芸術「箱根の三重式火山」
頂上からは彫刻の森美術館全体と、緑深い箱根の山々が見られます。
箱根の山は約50万年以上も前から活動を続ける火山で、外側を取り巻く「古期外輪山」、その内側にある「新期外輪山」、そして最も新しく今も一部で噴煙を上げる「中央火口丘」で形成される「三重式火山」と呼ばれています。
ここでは、彫刻の森から眺められる箱根の山々をご紹介しましょう。
金 時 山

金 時 山(きんときやま・標高1213m)・・・古期外輪山に属し、箱根で最も登山者に人気のある山です。
浅 間 山

浅 間 山(せんげんやま・標高802m)・・・新期外輪山に属し、彫刻の森から最も近くに見える山です。
今も噴煙を上げる箱根で最も高い山々
駒 ヶ 岳

駒 ヶ 岳(こまがたけ・標高1356m)・・・中央火口丘に属し、箱根では神山の次に高い山です。
ロープウェーで上れる頂上からは360度の大展望が楽しめます。
早 雲 山

早 雲 山(そううんざん・標高1153m)・・・中央火口丘に属し、現在も噴煙を上げている山です。
この山の向こうに大涌谷(おおわくだに)が、左に箱根最高峰の神山(かみやま・標高1438m)があります。
箱根の山は形も色も個性豊かに…
上二子山

上二子山(かみふたごやま・標高1091m)・・・中央火口丘に属し、頂上には大きな鉄塔が建っています。
下二子山(しもふたごやま・標高1065m)と共に、箱根では最も特徴的な形をした山です。
丸 山

丸 山(まるやま・標高960m)・・・中央火口丘に属し、彫刻の森からすぐ近くに見える山です。
春はサクラが、秋は紅葉が美しい山です。
伝説ある山、富士山の見える山…
鷹 巣 山

鷹 巣 山(たかのすやま・標高834m)・・・新期外輪山に属し、浅間山に向かって右側にあります。
頂上部には戦国時代にお城があったと伝えられています。
明神ヶ岳

明神ヶ岳(みょうじんがたけ・標高1169m)・・・古期外輪山に属し、頂上からは富士山がよく見えます。
秋になると多くの登山者が訪れます。
箱根の夏を彩る大文字焼の山
明星ヶ岳

明星ヶ岳(みょうじょうがたけ・標高924m)・・・古期外輪山に属し、上部には「大文字」があります。
毎年8月16日には「大文字焼(だいもんじやき)」が行われ、豪快な花火と共に箱根の夏の夜空を彩ります。
彫刻の森からはいちばん大きく見える山でしょう。

箱根の山々の展望を楽しんだら、再び螺旋階段を足元に注意しながら下ります。

「幸せをよぶシンフォニー彫刻」を後に、再びオープン・エアーを歩きましょう。
新作構想中にやってきた家族の幸せ
ヘンリー・ムーアによる1948~49年の作品「ファミリー・グループ」。

愛する女性と結婚し、新たな作品を構想中のムーアに女の子が誕生しました。その喜びが現れた作品です。
アイデアもデザインも自由に多彩に
フランスで美術を学びアメリカで創作活動を行うなど、世界を舞台に活躍した洋画家・猪熊弦一郎(いのくまげんいちろう・1902~1993)氏の、1979年の作品「音の世界」。

人間の手や顔、動物などが空間を浮遊する多彩なアイデアとデザインを描いた猪熊氏は、多くの壁画も制作しました。この作品はその一つです。
彫刻の森を有名にした「怪女」
芝生の中に立ちはだかる奇怪な像は、フランスのニキ・ド・サン・ファール(1932~2002)による、1968年の作品「ミス・ブラック・パワー」。
ニキが1965年に始めた「ナナ」という女性を描いたシリーズの一つです。


カラフルな衣裳と青いバッグで、明るく陽気に自信満々に生きる女性の姿を表現しています。
この彫刻の森のシンボルと言える存在です。今にも動き出しそうな「ナナ」。
今日も力いっぱい仕事をしよう
イタリアのジュリアーノ・ヴァンジ(1931~)による作品「偉大なる物語」です。

イタリア産の巨大な大理石に彫られた数人の男性像は、大理石を動かそうと一生懸命に働く男性の人生を描いています。
さあ、みんなで歌え!! 踊れ!!
彫刻家の後藤良二(ごとうりょうじ・1951~)氏による、1978年の作品「交叉する空間構造」です。

「ダイヤモンドの分子構造を母体として4本の手足を持つ炭素原子」…これを人間の体に見立てて構成しました。
黒い男性像と赤い女性像がそれぞれ72体、計144体の像が手足を伸ばしてつなぎ合うことで、幾多の人間が組み合わさって余計な感情が消え、みんながいっしょに舞い踊っているようなエネルギーを感じさせます。
箱根の空へ力いっぱい手をのばそう!!
「動く彫刻の第一人者」と呼ばれる伊藤隆道(いとうたかみち・1939~)氏の、1969年制作「16本の回転する曲がった棒」です。

ステンレスの16本の棒を電動モーターで動かし続け、太陽の光に輝きながらゆらゆらくねくねと青空に手を伸ばしているかのように見せる姿は、彫刻の森の代表的な作品の一つです。

「人間のいる空間には光があります。自然の空間には動きがあります。その光と動きが私の造形のテーマです。」・・・伊藤隆道氏からのメッセージです。
彫刻の森歩きの最後を締める英雄
彫刻の森歩きも本館ギャラリーの前で終点。すぐ近くにはエミール・アントワーヌ・ブールデルによる1909年の作品「弓を引くヘラクレス-大」が迎えます。

ギリシャ神話に登場する伝説の英雄「ヘラクレス」が、「怪鳥」を射止めようとするシーンを表現しました。
ペガサスと共に未知の空へ飛び立とう!!
スウェーデンとアメリカで活躍したカール・ミレス(1875~1955)による1949年の作品で、ヘラクレスと同じくギリシャ神話に登場する英雄「ベレロフォン」が、「ペガサス」に乗って怪物の退治に向かう場面を描いた「人とペガサス」です。

「人もペガサスのように思い切り飛翔しよう」というメッセージを、最後に頂きました。
野外だけでなく屋内にも楽しみがいっぱい
「人とペガサス」のすぐ近くには、家族で気軽に立ち寄れる「よりみち美術館」があります。これまで歩いて見学してきた様々な作品に使用されている材料の展示や、作品や作者に関するクイズが楽しめます。

新館「マルチホール」内の「彫刻の森研究所」では、コンピューター技術と映像技術を駆使したスクリーンの前で、様々なポーズをとって「自分自身が彫刻になる」ことができます。

いずれも館内フラッシュ撮影禁止
「マルチホール」の上階には、レストラン「ベラフォレスタ」、レストラン「彫刻の森ダイニング」があり、メニュー豊富なランチが楽しめます。また、ショッピングモールもあるので、記念のおみやげを買って行きましょう。
箱根に定着して50年、さらなる飛躍へ
私にとって実に12年ぶりとなる彫刻の森美術館。これで生涯4回目の彫刻の森散策となりましたが、今回はやはり前回までとは違い、一つ一つの彫刻の姿だけではなく、その一つ一つに込められた芸術家の想いや意味も垣間見ながら鑑賞することができたと思います。
国家元首を囲む像、でっかい手、姿が変化して見える球体、子どもたちの黄色い声がきこえるネットにシャボン玉のアート、古代の世界を想わせるステンドグラス、今にも歩き出しそうな像や花、舞い踊るような人や棒…それぞれ時代と想いの違いはあっても、どの作品も箱根の山の緑の中で、のびのびと歌っているように見えてきました。

1969年にオープンした箱根彫刻の森美術館。上の写真は、箱根登山鉄道「彫刻の森駅」に描かれている壁画で、美術館のパンフレットの表紙を彩っています。
元々この駅は「二ノ平(にのたいら)駅」という名称だったのですが、美術館がオープンして3年後に「彫刻の森駅」という名称に変わったのです。
ここ箱根には10箇所近い美術館が存在していますが、彫刻の森美術館は、最も箱根という地元に根を下ろし溶け込んでいる美術館と呼べるかもしれません。
2019年、彫刻の森美術館はオープンしてから50周年のメモリアルイヤーを迎えます。腕を磨いた新たな芸術家が、これからもこの彫刻の森に、その作品を新たに展示することでしょう。
最後に、彫刻の森美術館・初代館長を務めた鹿内信隆(しかないのぶたか)さんのメッセージをご紹介します。
インフォメーション
今回、私が歩いたコースを紹介します
強羅駅(箱根登山鉄道・5分)彫刻の森駅(2分)彫刻の森美術館入口(1分)入場券売場(1分)下りエスカレーター(2分)本館ギャラリー前(2分)「ブールデル4体の像」(2分)「大きな手」(1分)「海辺の人々」(3分)ネットの森(5分)ピカソ館(3分)カフェ&ギャラリー前(1分)足湯(1分)「幸せをよぶシンフォニー彫刻」(3分)「ミス・ブラック・パワー」(3分)「16本の回転する曲がった棒」(3分)本館ギャラリー前(2分)よりみち美術館(3分)新館マルチホール(2分)彫刻の森ダイニング前(3分)彫刻の森美術館入口(2分)彫刻の森駅
箱根彫刻の森美術館
- 開館時間 9時00分~17時00分(入館は16時30分まで)、
- 入館料 大人1600円、高校生と大学生1100円、小学生と中学生800円、未就学児は無料 (団体割引・身障者割引あり、学生の方は証明書を必ずお持ちください)
- 見学時間 平均60分~90分 (展示替えや施設設備点検などで、場所によっては見学できない場合もあります)
- 詳細は「箱根彫刻の森美術館ホームページ」をご覧ください。
レストラン ベラフォレスタ
新館地上1階。四季折々の旬のメニューが豊富に取り揃えてあります。
- 営業時間 (平日) 11時00分~15時30分(ラストオーダーは15時00分)、(土日祝) 11時00分~16時00分(ラストオーダーは15時00分)
レストラン 彫刻の森ダイニング
新館地上1階。見晴らしのよい場所で、多彩な料理の数々やコーヒーが楽しめます。
- 営業時間 11時00分~17時00分(ラストオーダーは16時30分)
ショッピングモール
新館地上1階。オリジナルグッズや書籍、お菓子、箱根の名産品まで数多く取り揃えてあります。
- 営業時間 9時00分~17時00分
カフェ The Hakone Open-Air Museum Cafe
カフェ&ギャラリー1階。緑豊かな森が外に広がる、開放感いっぱいのカフェです。
- 営業時間 9時00分~17時00分(ラストオーダーは16時30分)

Photo by Manabu Kato in August 2, 2018
レストラン、カフェ、ショッピングモールの休業日などのお問い合わせは下記へ。
電話…0460-82-1141

旅行大好きなアラフィフ男子。生活拠点は国際観光地として有名な神奈川県箱根町、訪れる人々から道や名所について尋ねられる事も珍しくありません。観光名所はもちろん、その地の自然や地理、歴史などの話も含めて、皆様に楽しく伝えられればと思います。