軽井沢と言えば、避暑地の王道と言っても良いでしょう。
標高も1000m程度と高原のため涼しく、首都圏からも遠くない、夏にちょっと遊びに行くにはもってこいの場所です。
避暑地としての歴史は、1886年(明治19年)にカナダ生まれの聖公会宣教師のアレキサンダー・クロフト・ショー氏が軽井沢を訪れ、その美しい自然と気候に感激して1888年に別荘を建てました。これが、避暑地軽井沢の別荘第1号です。
その後、外国人向けの避暑地として発展し、やがて日本人の上流階級の人々が別荘を建ててもっぱら避暑地として栄えました。
避暑地として発展する前の軽井沢は、江戸時代には五街道のひとつである中山道の宿場町であり、江戸に向かう時には碓氷峠の直前の宿場でした。
碓氷峠を過ぎれば、すぐに横川の関所です。横川の関所は、東海道における箱根の関所と同じぐらい重要な場所であり、人々の往来や武器の流通などに江戸幕府が目を光らせていた所でした。
峠を越える準備をするための、重要な宿場町だったのですね。
現在では、森の中の歴史ある別荘地域や広大なアウトレットショッピングセンター、また、あちらこちらに点在するオシャレなカフェや美術館に画廊など、歴史の中にも現代的なエッセンスを感じる一大観光地となりました。
軽井沢は大きく分けて、「新軽井沢エリア」「旧軽井沢エリア」「南軽井沢エリア」「中軽井沢・千ヶ滝エリア」「追分エリア」「塩沢・発地エリア」「北軽井沢エリア」があります。
この中でも、「ハルニレテラス」がある「中軽井沢・千ヶ滝エリア」は、他とは少し趣が異なります。
今回は、軽井沢ツウを自負しているもののいつも「旧軽井沢エリア」界隈で遊んでばかりいるわたしが、久しぶりに中軽井沢方面へ足を延ばしてみました。
「星野旅館」が「星のや 軽井沢」になってすっかりおしゃれに変貌した星野温泉付近は、2009年にハルニレテラスという商業施設が鳴り物入りオープンしました。
今回は、すっかり地域になじんだ感のあるハルニレテラスをご紹介します。
紅葉シーズンで賑わっていたハルニレテラスは、大人が遊ぶにはとても良い所でしたよ。
Contents
あの「星野リゾート」の発祥の地はココ!~ハルニレテラスは星野リゾートが作った商業施設~
「星野リゾート」と言えば、今をときめく有名な総合リゾート運営会社です。経営難に陥ったホテルでも、「星野リゾートが手掛けるとV字回復」というイメージがあります。
しかし元々は、中軽井沢駅から少し登った所にある星野温泉で、「星野旅館」を経営していました。
星野温泉ができたのが、1900年代初頭のことです。
中軽井沢から浅間山を越えて北に向かうと、草津温泉があります。草津温泉は有名ですよね。日本三名泉の一つにも数えられています。
その草津温泉は非常に硫黄成分が多く酸性が強い温泉で、湯治をすると効果はあるけれども少々疲れるのが難点でした。
そこで昔は、草津での湯治の帰りに星野温泉の優しいお湯に入って、湯治の仕上げをしたそうです。(星野温泉がボーリングで温泉を掘り当てる前には、「赤岩鉱泉」という温泉があって、これで草津湯治の仕上げをしていたそうです。)
そんな星野温泉の「星野旅館」は「星のや 軽井沢」となり、現在では軽井沢の中でも特別感のある、ちょっと趣の異なる宿泊施設として独特の地位を確立しているように見えます。
ハルニレテラスは、その「星のや 軽井沢」の入り口にあり、オシャレな温泉街のような小さな街です。
敷地内を流れる湯川沿いに、モダンな建物をウッドデッキでつないだショップやレストランが並んでいます。そのコンセプトは「軽井沢の日常」。
軽井沢に通っていると「軽井沢の日常って、本当にこんなか?」とは思いますが、地元のお店や商品が並んでいるので、軽井沢の上質な部分をギュッっと集めた所だと思っても良いのではないでしょうか。
それでは、星野温泉の温泉街をブラブラ歩いてみましょう。

今日はバスで遊びに行こう~バス停から湯川沿いを歩いてハルニレテラスへ~
ハルニレテラスへは、最寄り駅の中軽井沢駅から徒歩かバス、あるいは軽井沢駅からバスでのアクセスが一般的です。天気が良くて体力があれば、軽井沢からレンタサイクルでも行けますが、少しだけ登り坂があるのでがんばってください。
今回、わたしは旧軽井沢近くのホテルに宿泊していたので、乗り合いバスを利用しました。
バスでのアクセスは、軽井沢あるいは中軽井沢駅からの無料シャトルバスと乗り合いバスがあります。乗り合いバスであれば、「星野温泉トンボの湯」で降車しましょう。

バス停を降りると、さっそく「星野温泉」の大きな看板が目に入ります。この奥には、「星野温泉トンボの湯」と「村民食堂」があります。
ここでのお楽しみは後回しにして、まずはハルニレテラスに向かいましょう。この看板の正面に地図があるので、迷うことはありません。大丈夫ですよ。
では、湯川に沿った小道を、少しだけ下流に向かって歩いて行きましょう。
この湯川は、上流に「白糸の滝」(後述します)という名所があるので、そこそこ水量がありますよ。夏は涼しくて「避暑地に来た!」感が満載です。

少し小道を歩けば、もう街はすぐそこです。
全ての店舗がウッドデッキでつながっていてバリアフリー~全ての人に優しい街作り~
ハルニレテラスの中はモダンな建物が並んでおり、それをウッドデッキで繋げています。元から自生していた春楡(ハルニレ)を囲んでテラスが作られ、とてもナチュラルでお洒落な空間となっています。
スロープが整備されており、街全体が概ねバリアフリーです。ベビーカーや車いすでも難なく散策できます。
雨が降っても、軒下の空間が広いため散策には問題はありません。
また、多くの飲食店ではテラス席を設けており、犬を連れている人や車いすで店の奥に入りづらいと思ってしまう人でも、気軽に楽しむことができます。

また、多くの飲食店ではテイクアウトが可能な商品が用意されています。
コーヒーやパン、プリン、スムージーにジェラートやデリ、ワイン、ビールまで。
天気の良い日には、気になった商品を買い集めて、テラスで休憩しても良いのではないでしょうか。
そんな人のために、あちらこちらに自由に座れるスペースが用意されています。
自由に行き来できて、自由に立ち止まり、自由に寛げる、そんな空間が作られています。

ハルニレテラスの素敵なお店をちょっとだけ紹介~地元密着の「軽井沢の街」~
ハルニレテラスに出店しているお店は、どこも個性的な地元のお店です。
その中でも、人気のお店や個人的に好きなお店を紹介してみますね。
1.せきれい橋 川上庵
本店は、旧軽井沢ロータリーにある人気のお蕎麦屋さんです。青山や麻布にも出店しており、青山店などは裏路地っぽいオシャレな街並みにもフィットしています。
こちらの店舗は、ハルニレテラスの中でも比較的大きく、川沿いにテラス席もあって全部で145席もあります。それでも、開店時間から行列が絶えない人気店です。
「気の利いた肴と地酒をたしなみ、蕎麦で〆る」がコンセプトで、ココの美味しいつまみで長野の日本酒を楽しんだ後にさらりと蕎麦を手繰る食べ方を、わたしも強く推奨します。
押し付けがましいようですが、オススメは「昼間でお酒はちょっと・・・」という時間帯であれば「鴨せいろ」「クルミだれせいろ」、夜に落ち着いてお酒を飲みたい時には「合鴨ロースのたたき」「本にがりすくい豆腐」をつまみに「佐久の花」を冷たいままいただいちゃってください。そして最後に「せいろ」で〆てください。
店舗情報
<営業時間>
・11:00~22:00(21:00 ラストオーダー)
・10:30~23:00(22:00 ラストオーダー)繁期
℡. 0267-31-0266
川上庵HP

2.CERCL(セルクル)
レストラン&デリ・ワインのお店です。
地元の食材を使ったお料理や、デリが魅力的です。こちらのお店はハルニレテラスでしか出店が無いので、ちょっと残念です。もし旧軽井沢あたりにあったら、わたしの夕飯処になること間違いなしです。
もし「星のや 軽井沢」にお泊りなら、ハルニレテラスで食事をするのもよいですが、こちらのお店でデリとワインを買いこんで、のんびりと「部屋飲み」も楽しいのではないでしょうか。
元々は南軽井沢にあるステーキ屋さんで、店舗での営業のほかに別荘地へのケータリングなどを行っています。そのせいか、こちらのデリのメニューの多彩さには驚くべきものがあります。
オードブルからメインディッシュまで、約30種類の料理が常にショーケースの中に並んでおり、何を食べようか、絶対に悩んでしまいます。
お土産も売られており、特に国産原料にこだわった「木の花屋」さんのお漬けものは友人のお土産にも、自分用のお土産にもオススメですし、地ビールのギフトセットも気になるところです。
店舗情報
営業時間:10:00〜22:00(21:00 ラストオーダー)
℡. 0267-31-0361

3.ブックス&カフェ 丸山珈琲
丸山珈琲の本店は、軽井沢駅から線路に沿って中軽井沢方面に歩いて、しばらく行った左側の森の中に入ったところにあります。20分ぐらいは歩くでしょうか。
昔から気になっていたお店が、あっという間に有名店になってしまってビックリです。長野や松本のほかにも表参道や西麻布、鎌倉にまで出店しています。それだけ、こちらのコーヒーは人気が高いということですね。
オーナー自らが海外の農園を回り、最高品質の珈琲豆のみをオークションや優良農園から直接買付けた「スペシャルティコーヒー」が自慢です。ハルニレテラス店では、そんなこだわりのコーヒーを木立の中や川辺のテラス席で楽しむことができるのが魅力的です。
こちらの店舗には、コーヒーだけではなくブックストアも併設しているので、コーヒーを飲みながら気に行った本を読むといった、とても贅沢な時間が過ごせます。
店舗情報
営業時間:9:00〜19:00
℡. 0267-31-0553
丸山珈琲HP

4.ベーカリー&レストラン 沢村
ハルニレテラスでの繁盛を背負って、旧軽井沢ロータリー近くに2店舗目を出したと思っていたら、新宿や名古屋、広尾、丸の内にまであっという間に進出した人気店です。
20種ほどの国内外の小麦粉をそれぞれのパンの個性に応じて使い分け、4種の自家製酵母を用いて味や香りに深みを持たせています。
だから、噛むごとに小麦の旨みを感じるパンになるのですね。
パンだけではなく、お料理も魅力的です。ランチタイムにはパスタもメニューにあるので、もし大人数で旅行に出かけたときに意見が分かれた場合には、こちらのお店か「村民食堂」(後述します)の利用がおすすめです。
店舗情報
営業時間:11:00〜22:00(21:00ラストオーダー)
℡. 0267-31-0144
ベーカリー&レストラン 沢村HP

5.木製品専門店 我蘭憧
ヨーロッパ各地から集められた木のおもちゃ、インテリア雑貨、生活用品などの木製品を専門に取り扱っているお店です。
ドイツの木製おもちゃや作家もののインテリア、器、彫刻など、手作りであたたかいフォルムの商品が展示されています。
わたしが行ったタイミングでは、クリスマスの準備に最適なグッズが並んでいました。旅先でクリスマスカードを準備するのも、ちょっとステキで楽しいですよね。
店舗情報
<営業時間>
・10:00〜18:00
・10:00~19:00 (土日)
℡. 0267-31-0036

6.Karuizawa Vegetable ココペリ
店頭に並んでいる野菜や果物は、軽井沢やその近郊で「畑の達人」のみなさんが生産したものです。その美味しい地元の味を提供する、言わば軽井沢の食のセレクトショップです。
店先で見ていると、次から次へと新鮮な野菜が並べられていきます。(そして、次々に売れていきます。)
野菜や果物は、素材を生かしたフレッシュジュースやスムージーにしてくれます。また、材料となる野菜や果物を丹精込めてつくるところからはじめたジャムや調味料・ソースから、こだわりの乳製品まで、優しい美味しさが特徴の食材が並んでいます。ちょっと変わった野菜もあるので、観ていて楽しいです。
店内には、カワイイ生活雑貨もあります。
店舗情報
<営業時間>
・10:00〜18:00
・10:00~19:00 (土日)
℡. 0267-46-4355

このエリアで、ハルニレテラスのほかに遊ぶならどこ?~歩いて行けるのんびりスポットはココ~
せっかく星野温泉に来たのですから、できれば日帰り入浴を楽しみたいところです。それならば、隣接する野鳥の森の中を散策しながら鳥たちの声を聞いた後にしたいですね。また、湯上りには、ビールと美味しい食事が是非とも欲しい所です。
それでは、そんな欲望を実現してくれる施設を紹介しましょう。軽井沢ならではの奥深い自然と、優しいお風呂とがっつり飯を楽しんでください。
1.ピッキオ(野鳥の森)
ハルニレテラスや星野温泉に隣接している森は「野鳥の森」と呼ばれており、日本でも屈指の野鳥の生息地です。
そんな野鳥の生息地をガイドしてくれるのが「ピッキオ」さんです。
ビッキオは、ネイチャーツアーの企画から運営、エコツーリズムのサポートや子供たちへの環境教育、そしてこの地に生息するツキノワグマの保護管理を行っている組織です。
ネイチャーツアーは「野鳥の森ネイチャーウォッチング」、「ワイルドサファリツアー」、「空飛ぶムササビウォッチング」などを開催しています。
ガイドさんが自然の仕組みや様子を丁寧に教えてくれるので、参加してみると楽しく勉強ができると思いますよ。
ビジターセンターは「ケラ池」という名の小さな池に面しており、この池では冬はスケートができます。
併設のイカルカフェでは、野鳥の声を聴きながらのんびりと過ごすことができます。
ツアー情報
<野鳥の森ネイチャーウォッチング>
開催日:毎日開催
時 間:10:00出発 12:00まで(毎日)
13:30出発 15:30まで(4月~11月のみ開催)
料 金:大人 2,100円
4歳~小学生 1,000円
双眼鏡レンタル 1台300円
<空飛ぶムササビウォッチング>
開催日:3月中旬~11月末日
時 間:日暮れの頃(季節によって異なるのでWEBにて確認要)
料 金:中学生~大人 3,300円
小学生 2,500円
幼児(4歳〜6歳) 無料
予約 :WEBでの予約をオススメ
℡. :0267-45-7777(予約は前日17:00まで)
ピッキオ公式HP
この他にも多くのツアーが季節ごとにあります。
公式HPから探してみてください。
冬のバードウォッチングは、木々の葉が落ちているので鳥が見やすいという利点があります。これからの季節でも楽しめますよ。
特に雪の日の午前中は、小動物の足跡が見られることも多いので、思いのほか楽しいです。
今年はムササビのツアーは終わってしまったので、気分だけこちらの動画で味わってください。
2.星野温泉 トンボの湯
星野温泉は、軽井沢の名湯として多くの方々に愛され続けてきました。トンボの湯は、そんな星野温泉の歴史を汲む「源泉かけ流し」の立ち寄り湯です。
とてもやわらかいお湯で「美肌の湯」といわれています。飲泉もできます。

★温泉データ
泉温/50.6℃
泉質/ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性温泉)
効能/腰痛症、冷え性、疲労回復、皮膚乾燥症など
店舗情報
営業時間: 10:00〜23:00(最終受付 22:00)
料 金: 大人 1,300円
子供 750円(3才〜小学生)
貸しタオルセット300円など
℡. : 0267-44-3580
星野温泉トンボの湯公式HP

3.村民食堂
「トンボの湯」の隣には、「村民食堂」と「カフェ・ハングリースポット」があります。同じ建物の中に、お食事エリアと「くつろいでとりあえずビール」エリアがある作りです。風呂上がりには、まずは何をおいても「カフェ・ハングリースポット」でビールをいただきたいところですね。
村民食堂は、とてもメニューに幅があり、子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで楽しめるように作られています。「カジュアルダイニング」という位置づけですね。
年齢層が幅広かったり、大人数で意見がまとまらない時には、とりあえずココに来ましょう。
定番の定食モノや季節のセットメニューから一品料理まで、安心の品揃えです。
個人的なオススメは、「味噌山賊焼き定食」と「信州サーモンのお刺身」です。
店舗情報
営業時間: 11:00〜22:00(21:00 ラストオーダー)
℡. : 0267-44-3571(※席の予約はできません)
村民食堂公式HP

ついでに立ち寄りたい王道スポット~やっぱり軽井沢に行くならココに行かないと!~
せっかく軽井沢まで行ったら、ほかにも是非足を運んでもらいたいスポットがたくさんあるので紹介します。でも、ここには書ききれないくらい多くのオススメスポットがあるので、とても困っています。
そこで、今回は「自然に親しめるお気軽スポット」を3つだけ紹介します。
歴史を感じる、文化的な軽井沢スポットの紹介は、またいつか機会があったらご紹介しますね。
1.雲場池
軽井沢の駅前から歩いて20分程で行ける、別荘地の森の中にある小さな池です。
小さな池と言っても、意外と奥行きがあります。
一周回れる遊歩道がありますが、雨の後などはぬかるんでいることが多いので、汚れても良い運動靴などで行くと良いと思います。
オススメは午前中です。まだ森の空気が少し湿っているくらいの時間帯が気持ち良いです。

ここはわたしが軽井沢に行ったら必ず立ち寄るスポットで、この雲場池と近くの六本辻交差点近くにある「ミハエル(cafe et the Michael)」という名の古いカフェには、年1回ペースで通っています。
古い別荘地の中にある、軽井沢ではじめてオープンテラス席を作ったお店だそうです。初代のマスターがロシア人だったため、メニューにロシアンティーがあると聞いています。

2.白糸の滝
「白糸の滝」という名前の滝は、全国にたくさんありますが、富士宮の「白糸の滝」の次ぐらいに有名なのが、ここ軽井沢の「白糸の滝」だと思います。
その滝の美しさは、なんとも不思議な地形が作り上げる風景です。
高さはわずか3mですが、幅は70mもあり、その水は全て地下水が岩肌から湧き出したものです。(よくある川がドドーンと落ち込む滝じゃないのです!)
水はまるで絹糸のように細く重なり合って、内向きに湾曲した地形がステージのホリゾント幕のようです。
アクセスは車か軽井沢駅からバスを利用しなければならないのですが、特に暑い季節には涼を求めて行ってみる価値はありますよ。

3.旧碓氷峠 見晴台
碓氷峠の頂上の近くにある、標高1200mにある展望公園です。
展望台からは、浅間山、妙義連峰、よく晴れた日には南アルプスや八ヶ岳まで一望でき、条件が整えば雲海が眼下に広がります。午前中に行くのがおすすめですよ。
若葉の頃もキレイですが、初夏にはカエルのような鳴き声の春蝉が鳴き、秋には紅葉が美しいです。もちろん冬の空気が澄んだ時の眺めは絶品です。

見晴台への入り口の反対側には、「信濃国特別神社 熊野皇大神社(くまのこうたいじんじゃ)」があります。一見すると1つの神社ですがちょうど県境に建っており、長野県側の名称は「「熊野皇大神社」で、群馬県側の名称は「熊野神社」と呼び、実は2つの神社なんです。どちらも、日本武尊が建立したと伝わる古い神社です。
県境にまたがる階段を上り、左手に進むと見えてくるのが大きな御神木の「しなの木」です。樹齢は850年を超えており、木の中央部分にあるくぼみが、見る角度によってはハートの形に見えるということで、開運のほかにも縁結びに効果があると人気のパワースポットです。
熊野皇大神社の前には、門前で「峠の力餅」を売る茶店が数件並んでいます。
どこも、窓側の見晴らしは絶景なので、是非立ち寄ってお餅を食べて帰ってください。
アクセスは、一番便利なのは車ですが、せっかくなので「赤バス」に乗っていきましょう。
万平ホテルや旧軽井沢銀座をなどを経由して旧中仙道を登り、碓氷峠頂上近く「見晴台」まで運行している季節限定の路線バスです。間違いなく座るためには、旧軽井沢銀座の「観光会館前」付近から乗車すると良いですよ。
料金は、片道500円、往復800円です。
この赤バス、元々は運転手のおじさんが個人で始めたそうです。(本人談)ちょっとびっくりするくらい街並みにマッチする車体が素敵で、今ではしっかりと観光客の足になっています。

ハルニレテラスへのアクセス
軽井沢駅まで、早く正確に行くためには圧倒的に新幹線の利用をおすすめします。
車や高速バスの場合、行楽シーズンの休日などは渋滞に巻き込まれることが多いので注意が必要です。もしランチに素敵なレストランを予約しているのであれば、迷わず新幹線をご利用ください。
(碓井軽井沢I.C.から軽井沢プリンスショッピングプラザまでは、鬼のように渋滞します。高速バスは、迂回のため碓井バイパスを運行しますが、それでも最後は渋滞に巻き込まれます。)
高速バスは、新宿・池袋、あるいは立川などから軽井沢や中軽井沢への便があります。片道2,500円程度なので、時間に縛られない旅ならばとても有効な手段です。
軽井沢からハルニレテラスまでのアクセスは、星野リゾートの次のサイトを参考にしてくださいね。
まとめ
ハルニレテラスと軽井沢の自然が満喫できるスポットを紹介してきましたが、今回はわたしの「軽井沢愛」が強すぎて若干空回りしている感じがします。
ちゃんと整理しておかないといけませんね。
- ハルニレテラスは、星野リゾートが運営する商業施設で、星野リゾート発祥の地。
- ハルニレテラスは自然の中にあり、人に優しい「軽井沢の日常」がある街。地元のお店や食材など、地域の特性を出した星野温泉の温泉街。
- ハルニレテラスの周辺には、野鳥の森の案内人ピッキオやトンボの湯などの自然を楽しむ施設がある。
- 軽井沢の自然を満喫できる周辺スポットには、「雲場池」「白糸の滝」「碓氷峠見晴台」などがある。
ハルニレテラスはバリアフリーなので、ベビーカーや車いすを利用する家族連れに優しいと書きましたが、わたしの感想を率直に書くと、ベビーカーを押すのは楽ですが子供向けの街ではなく、子供を連れている大人に優しい街です。
(子供に優しい施設なら、「エルツおもちゃ博物館・軽井沢」や「軽井沢絵本の森美術館」あるいは「軽井沢アイスパーク」でカーリング体験などがおすすめです。)
軽井沢を訪れるのは、若葉がキレイな5月中旬以降や、都会が死にそうなくらいに暑い盛夏、紅葉を愛でるなら11月上旬がおすすめです。ただし夏休みや9月の連休には、あきれるくらい混み合うので覚悟は必要です。
冬は訪れる人も少なくなり、静寂が街全体を覆います。(スキー場のある軽井沢駅南側の軽井沢プリンスショッピングプラザのあたりは、冬でもそれなりに賑やかですが)
わたしは、軽井沢の本当の姿は冬にこそ見られると思っています。観光客が少なくて静かで落ち着きがあり、お店も地元の人のため、あるいは別荘に半定住している人のための、地元の人によるお店しか開いていません。
冬に開いているお店は、長い間地元で愛されている良いお店であると言えるので信頼できますね。
軽井沢の冬は雪が少なく、とても寒いです。
もし冬に訪れるのであれば、防寒対策をしっかりして行きましょう。車で行くなら、冬タイヤは必須ですよ。高速道路を降りた途端、1mmも前へ進めなくなります。
また軽井沢は木々が多く霧の日が多いこともあって、梅雨の6月中旬から7月中旬にはむせるような濃厚な木々の香りがします。雨の中を防水装備で固めて散歩するのも、わたしは大好きです。
今回はご案内できませんでしたが、ハルニレテラスに行ったら、帰りには是非とも「旧軽井沢銀座」「軽井沢タリアセン」「旧三笠ホテル」「聖パウロ教会」「万平ホテル」「軽井沢プリンショッピングプラザ」などにも寄り道してみてくださいね。
それでは、素敵な休日をハルニレテラスで過ごしましょう。


千葉生まれ埼玉育ち東京在住のオバサンです。城好き、歴史好き、文化遺産好きの鉄子です。主に文化的歴史的な側面から、東北や甲信地方の観光地を中心に、その魅力をご案内します。