世界各地から訪れる観光客を虜にする兵庫県・姫路市にある「姫路城」。
1951年に国宝に指定され、1993年には奈良の法隆寺とともに、日本で初めての世界文化遺産に登録されました。
美しいその姿は、“白鷲城”とも呼ばれています。
白の壁とともに、屋根瓦までも白く、その美しい姿を今に伝える姫路城。なぜ日本の他の地域に建つ城とは異なり、白い姿となったのでしょうか!?
日本に来たならば、ぜひ一度は訪れたい姫路城の魅力をご紹介します!
Contents
築城に8年!荘厳な姫路城が作られた理由は??
姫路城の最初の城主は、14世紀に姫山に城を築いた赤松貞則だとされています。
そして、現在の姫路城の姿になったのは、17世紀初頭に姫路城の城主となった池田輝政(いけだ・てるまさ)の時代。
なぜ兵庫県の姫路のこの場所に、荘厳なお城が建てられることになったのでしょうか。

池田輝政は、現在の東京、江戸に幕府を開いた徳川派の大名でした。
池田輝政が姫路城の主となったのは、理由があります。それは、徳川政権に敵対するおそれのある日本の西側の諸大名をけん制する意味もあったといわれています。
そのため、池田輝政には莫大な禄が与えられ、この姫路城を築城することとなったのです。
徳川幕府の力を西国の地にも知らしめ、周辺の大名たちをけん制する意味も込めて、池田輝政は、なんと、のべ2400万人もの人員を動員し、8年という歳月をかけて江戸城にも匹敵するほどの現在の天守を作り上げました。
世界中の観光客を魅了する姫路城。誕生には、こうした当時の歴史的背景があったのですね!
「白すぎ城」!?姫路城が“白鷲城”と呼ばれる理由は?

池田輝政が築いた姫路城は、別名“白鷲城”(はくろじょう、しろさぎじょう)とも呼ばれています。
姫路城は2009年から始められた大天守の保存修理工事が完了し、2015年の3月末に一般公開されました。
塗りなおしによって白い姿に生まれ変わった姫路城は、公開当時、多くの人が白鷲城ならぬ、「白すぎ城」といって、話題になりました。
どうしてこんなに白くみえるのでしょうか?

それは姫路城の屋根や壁面を漆喰で塗りなおしたためなのです。屋根の瓦の継ぎ目に漆喰を塗っているため、屋根自体も全体的に白く見えるのです。
天守群がまるで翼を広げたシラサギのように見え、いつしか姫路城下の人々は親しみを込めて「白鷲城」と呼ぶようになったそうです。
そのほかにも、お城の周りにシラサギがたくさん住んでいたとか、お隣の岡山にあった城が「烏城(うじょう)」と呼ばれる黒い板張りの城だったので、白と黒の対比から、など諸説あるようです。
これまでの常識を破る「白いお城」その秘密は・・・!?

当時のお城といえば、黒い色が一般的。池田輝政がなぜそれまでの多くの城のように「黒」ではなく、「白」を築いたのでしょうか?
こちらも諸説あるそうですが、一般的には、戦国時代の終わりを予感した池田輝政が、これからは「武力による統治」から「美による威嚇」の時代になると考え、城主としての威厳を「美」に託し、「まぶしいばかりの白」にこだわったのではないかと考えられています。
唯一無二の、「白鷲城」には、城主の新しい時代への思いも込められていたのですね!
いざ!姫路城の中へ…見どころいっぱいの城の内部は?

姫路城内はとにかく見どころがいっぱい!ざっとみても1時間はかかります。ゆっくり見るのであれば、3時間くらい時間を見ておいたほうがよさそうです。
私が訪れたのは、ちょうど8月の暑い日でした。建物の中は風が通り涼しいですが、外は陰となる場所もあまりありません。水分補給など熱中症対策をしながら、見学しましょう!

まずは、大天守。地下1階から最上階の六階まで見学することができます。
私が行った日は平日のお昼過ぎだったので、幸いにも混みあっていませんでしたが観光シーズンは1~2時間待ちというときもあるそうです。
天守には東西に「心柱」と呼ばれる2本の巨大な柱が立っていて、建物を貫いています。
高さは24.8m。根元の直径は0.95mのあるそう。この2本の柱によって建物の芯になり、強度を増しているそうです。
お城の階段ですが、上にあがるほど急こう配になっています。しっかり手すりをつかんで、気を付けながら進んでくださいね。
最上階の六階では、姫路城周辺の美しい景色を楽しむことができます。城主気分を味わえますよ!

待ち受け画面にすると願いが叶う?パワースポットとは?

姫路城内には、「千姫パワースポット」という場所を撮影できる場所があります。
それは、姫路城内の西側の「化粧櫓(けしょうやぐら)」近く。この廊下から見える、男山天満宮を携帯電話で写真にとって待ち受け画面にすると願いが叶うかも?といわれています。

男山天満宮は、戦国時代、姫路城の姫であった「千姫」が夫・忠刻(ただとき)との幸せを願って建てたもの。
千姫は朝夕、ここから祈りをささげていたといわれています。
千姫と同じ気持ちで、男山天満宮を待ち受けにすると、千姫が願いを届けてくれるかも…しれません!
ARにVR…最新技術で楽しむ姫路城!
姫路城で注目なのが、拡張現実とよばれるARアプリ。
「姫路城大発見アプリ」という無料でダウンロードできるアプリを使えば、当時の風景がCGで映し出されたり、その場所にまつわるエピソードがスマートフォンやタブレットの画面に表示されます。
ただ見学するだけでなく、さらに知識を深めることができますよ!

また、VRコンテンツで姫路城の美しさや構造の変革を表現する「姫路城VRアプリ」も登場。
ヘッドマウントディスプレイをつけ、自分が持っているスマートフォンに専用アプリをいれることで、空から姫路城を堪能することができます。
こちらは、英語や中国語などにも対応しているそう。
VRスコープは、姫路城改札横のVRスコープ売り場にて800円購入することができます。
姫路城内は、無料Wi-Fiの接続が可能なので、通信料を気にせず楽しむことができますよ!
姫路城へのアクセスは?

JR姫路駅からは徒歩20分。姫路駅からバスも出ています。
姫路駅から姫路城までは、商店街が立ち並び、少しレトロな雰囲気を楽しめます。
お土産屋や飲食店のほか地元の商店も並んでいるので、姫路城見学の前後に立ち寄ってみてもよいかもしれません。
私は、8月の真夏に行ったので、園内を回った後は汗だくになり、帰りは駅まで帰るのにタクシーを使用しました。1メーターほどで到着するので、大人数の場合や時間がない場合は、タクシーもおすすめです。
またお城の中は、石段や砂利などで歩きにくい場所もあるため女性は、パンプスよりもスニーカーで行くことがおすすめです。階段の上り降りもあるため、スカートよりもパンツスタイルが良いかもしれません。
入館料
- 大人1,000円
- 子ども300円
- 未就学児 無料
開園時間
- 9:00~17:00(受付は16:00まで)
- 夏季は9:00~18:00(受付は17:00まで)
まとめ

日本が世界に誇る姫路城。ここで紹介したほかにも、興味深いエピソードや見るべきスポットがたくさんあります!
また桜満開の春の姫路城は、さらにその白さが際立って美しく、秋の紅葉のシーズンも見逃せませんよ!
観光客に夜の姫路城も楽しんでもらおうと、ライトアップイベントも企画されています。様々な表情を見せる姫路城、ぜひ一度訪れてみてくださいね!

中国地方在住のアラサーOL。絶景とおいしい食べ物が大好きです。日本史も好きなので、歴史に詳しくない人にも、わかりやすく観光地の成り立ちを紹介していきたいです。特に瀬戸内地域のローカルな魅力を海外の人に伝えていければと思っています。