平和に思いをはせて…「平和記念公園」でヒロシマを感じよう!

世界で初めて原子爆弾が投下された街・広島。

「平和記念公園」は、広島市の中心部にある広大な公園で、世界平和を願って爆心地に近い場所に作られました。

世界遺産に登録されている「原爆ドーム」、原爆の実相を伝える「広島平和記念資料館」など、見るべきもの、知っておくべきものはたくさんあります。

「広島平和公園」で改めて平和とは何か、平和の尊さを考えてみませんか?

平和記念公園が作られた場所…原爆投下前は??

Photo by soujiro-meme in 25 September

広島に原子爆弾が投下されたのは1945年8月6日午前8時15分。

毎年、平和公園では8月6日に平和記念式典が開かれ、世界中から人々が訪れています。

こちらの場所は、もともと公園があった場所ではありません。

「中島本町」(なかじまほんまち)と呼ばれる町があり、商店やカフェ、映画館などが立ち並び、当時、広島の中でも、最も栄えていた町のひとつでした。

街の風景や人々の営みは1発の原子爆弾により、一瞬で奪われ、あたりは一面焼け野原と化したのです。

今は美しく整備された公園ですが、戦前の人々の営みや被爆直後の火の海になった町がここにはありました。

想像力を働かせながら歩いてみてください。

被爆の実相を知ろう!「平和記念資料館」

平和記念公園を訪れたのであれば、まず資料館を訪れてみてください。

資料館は東館と本館からなり、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料が展示されています。

また、広島の被爆前後の歩みや、核時代の状況などについても紹介されています。

東館は2017年4月にリニューアルオープンし、現在は本館の改修工事や展示リニューアルが行われています。

リニューアルした東館では、被爆の実相をより強く伝えるため、人形などの展示をやめて、実際の被爆者の遺品などを印象的にディスプレイしています。

また、CGなどを使って、爆心地周辺の被害の様子を再現したり、タッチパネルで原爆について知ることができる設備なども新たに設けられています。

平和記念資料館を見終わったら「原爆慰霊碑」へ!

資料館を見終わったら、白い石畳を歩いて原爆慰霊碑に手をあわせましょう。

2016年にアメリカのオバマ元大統領が来日した際に訪れた場所としても印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

現職の大統領として初めて被爆地を訪れ、演説をおこなったとして、世界中から注目された場所でもあります。

印象的なアーチ型の碑は、有名な建築家・丹下健三らによってデザインされました。

アーチの間から、平和の灯や原爆ドームを望むことができるよう設計もされています。

慰霊碑の石碑の中には、原爆で亡くなった方を記した名簿が納められています。

毎年この名簿は更新され、8月6日の原爆の日の式典で納められます。

石碑には、「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」という言葉が刻まれています。

保存か解体かで議論も…負の遺産「原爆ドーム」

平和記念公園の中で、資料館以外で唯一、原爆の恐ろしさを現物で伝えているのが原爆ドームです。

もともとは広島県内の産品などを展示販売する場所として建てられ、展示会や博覧会が開催されることもあれば、事務所としても使われていました。

当時の広島の中でも最先端の建築で、広島のシンボル的な建物だったようです。

原爆投下により、建物は爆風と熱戦で大破しましたが、爆風がほとんど垂直に働いたため、中心部は奇跡的に倒壊を免れています。

頂上の丸いアーチや鉄骨の形から、いつしか「原爆ドーム」と呼ばれるようになったそうです。

被爆直後は、原爆の悲惨さや、家族が亡くなった悲しみを思い出すとして、原爆ドームを解体するという意見も多かったそうです。

しかし、平和の大切さを後世に伝える目的で保存が決まりました。

大規模な保存工事が3度行われ、1995年には世界遺産として登録。

ヒロシマの平和のシンボルとして、いまも静かに原爆の恐ろしさと平和の尊さを世界中の人たちに伝えています。

世界的に有名な「サダコ」。「原爆の子の像」も訪れましょう!

佐々木禎子さんという少女の話を聞いたことはありますか?

いまや、日本だけでなく、多くの国の言葉に翻訳されて、海外でも親しまれています。

2歳の時に被爆し、10年後に白血病を発病して亡くなった佐々木禎子さん。亡くなるまで、薬の包み紙などで折り鶴を折り続けていました。

禎子さんの死後、同級生たちが「原爆でなくなったすべての子供たちのために慰霊碑をつくろう」と呼びかけ完成したのがこの像です。

ドーム型の台座の頂点には、金色の折り鶴を捧げて持つ少女の像がたっています。

周囲には、日本をはじめ世界中から届けられた折り鶴が、たくさん飾られています。

原爆ドーム、資料館だけじゃない!見るべきスポットはたくさん!

原爆ドームや原爆慰霊碑、禎子さんの像などは有名ですが、沢山に訪れるスポットはたくさんあります。

私がおすすめするのは、「原爆死没者追悼平和祈念館」

完成したのは2002年と比較的新しい建物です。

写真提供:広島県

こちらには、爆心地である平和公園近くにある「島病院」付近から見た被爆直後の街並みをパノラマで表現されているスペースなどがあります。

また遺影コーナーでは、原爆で亡くなった方の名前と写真を公開しています。

改めて多くの方が原爆で亡くなったという事実を伝えています。

被爆体験の朗読会も開催されているので、より深く被爆について考えることができます。

また、ぜひ知ってほしい場所があります。原爆ドームと資料館との導線状にないため、知らなければ足を向けないスポットです。

それは、「原爆供養塔」

View this post on Instagram

mtanimoさん(@mtanimo)がシェアした投稿

ここには、原爆で亡くなった方で、家族全員が亡くなるなどして身内の見つからない方の遺骨や、名前の分からない約7万もの遺骨が納められています。

原爆で亡くなった方は、約14万人にものぼるといわれています。

その多くが、身元が分からなかったり、遺族の元に遺骨が渡らなかったりと、そういう方が多くいたということを、ぜひ知っていただきたいです。

原爆慰霊碑だけでなくこの原爆供養塔にもぜひ訪れて、手をあわせてください。

平和の尊さを感じながら…オープンテラスのカフェで一休み!

Photo by soujiro-meme in 25 September

平和記念公園を訪れると、どうしても気持ちが重たくなってしまいます。

原爆ドームへと渡る橋のたもとにあるレストラン「カフェポンテ」で一休みするのもおススメです。

オープンテラスのカフェでは、パスタなどの軽食や、スイーツ・ドリンクを楽しむことができます。

カフェの前を流れる元安川や原爆ドーム、また川を走る遊覧船をみながら、ゆっくりと平和について語り合ったり、思い巡らせるのもよいかもしれません。

アクセス

平和記念公園にいくには、広島駅から路面電車を使って行くのがおすすめです。

路面電車で15分ほど「原爆ドーム前」で下車すればすぐそばです。

車の場合は、専用の駐車場がないため、周辺の駐車場に停めて散策しましょう。

世界遺産の厳島神社がある宮島と、同じく世界遺産の原爆ドームをフェリーで結ぶ「ひろしま世界遺産航路」という方法もあります。

最短45分で行くことができ、川と海から広島を楽しむことができるので、こちらも利用してみてください!

まとめ

2016年にオバマ元大統領が平和記念公園を訪れて以降、世界中から多くの観光客が訪れています。

増加する海外からの旅行者に対応して、平和資料館では、英語で被爆者体験を伝えていく取り組みも始まっています。

被爆から70年以上が過ぎ、被爆者の平均年齢は80歳以上となりました。

ぜひ、彼らの生の声を聴いてみてくださいね。

日常的には平和について、なかなか考える機会は少ないかもしれません。

平和記念公園を訪れて、ゆっくり思いをはせてみてください!