Photo by wata0712 in 2019/3/15

甲府にも善光寺?「甲斐善光寺」は武田信玄がつなぐ山梨と長野の歴史の接点


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甲府に行った時に「善光寺にお参りしよう」といわれ、「善光寺って長野にあるはずでは?」と思われる方も多いのではないでしょうか?

実は甲府にも善光寺があるのです。とはいっても甲府にあるのは「甲斐善光寺」。

武田信玄が戦国時代の戦禍から善光寺を守りたいという思いが込められて建立された歴史あるお寺で、地元で善光寺といえば甲斐善光寺をさすのが一般的なのです。

この記事では、そんな武田信玄と善光寺のゆかりとともに、地元から信仰を集める「甲斐善光寺」について、歴史、甲斐善光寺までのアクセス、周囲を含む見どころ、御朱印について紹介したと思います。


甲斐善光寺はどこにある?

甲斐善光寺は甲府市内の東部。周囲にぶどう畑が広がるお寺の多い静かで比較的のどかな地域にあります。

さらに最寄り駅や路線バスが通る道路からまっすぐ山門に向かって甲斐善光寺に向かう山道が伸びています。

また、周辺からはどこからでも甲斐善光寺の壮大な金堂を眺めることができ、まさにランドマークと行ったイメージをもつスポットなのです。

これだと道に迷っても甲斐善光寺の金堂を目印に進めばいいので安心ですよね。

また、甲斐善光寺周辺の地名は「善光寺町」といい、それだけ地域に甲斐善光寺が根付いているということなのでしょう。

武田信玄への善光寺への思いが、甲斐善光寺の創建の始まり

甲斐善光寺は、1558年(永禄元年)に、ときの戦国武将 武田信玄によって創建されました。

川中島の合戦の時に、信濃善光寺の焼失を恐れた武田信玄は、善光寺の本尊である「善光寺如来」をはじめ、善光寺の仏像や仏具を甲斐に移して、甲斐善光寺を創建したされています。

出典元:kotobank.jp

その後、武田氏が滅亡したのち本尊「善光寺如来」は、織田信長や徳川家康、そして豊臣秀吉らのもとを転々とし、1598年(慶長3年)に信濃善光寺へ戻されたという歴史が残っています。

武田信玄の信濃善光寺への思いが、川中島の合戦の戦禍から、本尊「善光寺如来」をはじめとする善光寺の宝物を守ったということですね。

甲斐善光寺の山門と本堂は江戸時代中頃に大火で焼失してしまいましたが、ほどなく山門が、続いて本堂も再建されました。昭和に入ってからも災害に遭い、大規模修繕がなされて今日に至っているのです。

まさに武田信玄が甲斐(山梨県)と信濃(長野県)を結びつけたということなのですね。

電車で行く場合は少し注意が必要? 甲斐善光寺へのアクセス

地図を見ると、甲斐善光寺はJR中央本線の線路から近く、「善光寺」という駅もあります。

しかしここで注意が必要なのは、この「善光寺駅」は中央本線ではなく、甲府から身延、富士方面に向かうJR東海の身延線だけしか止まらない駅なのです。

ですから、東京方面や石和温泉方面からJRで行く場合には、いったん甲府まで戻る必要があります。

また身延線は本数も少ないのでJRを利用する場合は注意したいところです。

むしろ甲府駅から甲斐善光寺へはJR身延線より、山梨交通のバスが便利です。

甲府駅南口のバスターミナルから石和方面のバスにのり、「善光寺入口」バス停で降り、しばし進行方向に向かうと山門へとむかう甲斐善光寺の参道に到着します。

ここから甲斐善光寺の山門を見ながら約10分で甲斐善光寺に到着します。

写真提供:山梨交通

車の場合は中央自動車道などから「山の手バイパス」を進み、「かいてらす」を目印に行くのがいいでしょう。「かいてらす」から「甲斐善光寺」までの距離はわずかです。

また、甲斐善光寺には広い無料駐車場もあるので、初詣などの時期を除いては車を止める場所に心配ないでしょう。

金堂では「お戒壇巡り」も 甲斐善光寺の見どころ

甲斐善光寺の見どころは、重要文化財にも指定されている「山門」と「金堂」です。

両方とも甲斐善光寺の周辺から見渡せるほど壮大で、ランドマークともいえるようなスポットです。

山門

甲斐善光寺の山門は、朱塗りで2階建ての楼門で、山門の両脇には仁王像が祀られ、まるで甲斐善光寺を参詣する人を迎え入れてくれているようです。

また、山門の2階部分は手すりの付いた板廊下がめぐらされており、その堂々たる姿はまさに圧巻です。

Photo by wata0712 in 2019/2/9

金堂

山門をくぐって正面に見えるのが、山門とともに国の重要文化財に指定されている金堂(本堂)です。

入口には「善光寺」と書かれた文字が書かれており、まるでその存在を参詣する人に示しているようです。

Photo by wata0712 in 2019/2/9

また、金堂の中陣天井には巨大な龍が二匹描かれています。その下で手を叩くと音が反響してまるで「龍の鳴き声」のように聞こえるといわれています。甲斐善光寺の「鳴き龍」は日本一の規模であるともいわれます。

そして、甲斐善光寺では信濃善光寺と同様に「お戒壇巡り」を体験することができます。

金堂(本堂)下の真っ暗な通路を進んで鍵に触れると本尊である「善光寺如来」と縁が結ばれるといわれています。暗闇の中を進んで「善光寺如来」と結ばれて外の光が見えると、まさに「善光寺如来」によって人生に光明が見えたように感じますね。

また、山門と金堂以外にも、境内に建てられた宝物館では、木造阿弥陀三尊像をはじめ源実朝像など数多くの貴重な文化財を見ることもできます。

「善光寺如来」の文字が際立つ 甲斐善光寺の御朱印

甲斐善光寺の御朱印には、本尊の「善光寺如来」の文字が書かれており、その文字が際立ち、参詣したことをあかすだけでなく、ご朱印帳の中にそのご利益をしっかり刻んだようにすら感じます。

Photo by wata0712 in 2019/2/9

また、ここには御朱印帳を兼ねた「全国善光寺めぐり」というものが販売されており、実際に手にとり中身を見ると「善光寺は全国にこんなにあるのだ」と少々驚き、旅に出た時に時間があればその地にある「善光寺」を訪れてみたいと思ったほどです。

Photo by wata0712 in 2019/2/9

山梨の自然と産業に触れる 甲斐善光寺周辺の見どころ

甲斐善光寺の境内自体はそれほど広くはないので、お戒壇巡りをしても参拝や見学に必要な時間は1時間ほどです。

せっかく甲斐善光寺に来たのですから周辺のスポットも見ておきたいところです。

例えば、周囲にあるぶどう園を散策したり、のどかな田園風景を散策したりするのも楽しい時間になりそうです。

Photo by wata0712 in 2016/10/23

また、甲斐善光寺近くでお土産を買ったりするのにおすすめなのが、県内の地場産業を紹介し、豊富に展示販売する「かいてらす(山梨県地場産業センター)」です。

「かいてらす」は、山梨県が甲府地域における地場産業の振興拠点施設として運営しているもので、甲州印伝やワイン、宝飾品、物産品をテーマごとに「光」「蔵」「味」「匠」の4つのコーナーに分けて、紹介や販売を行っています。

また、館内にはレストランもあり、地産地消の素材で本格的なメニューをリーズナブルな値段で楽しむことができます。

甲斐善光寺の近くには食事ができる場所が少ないので参詣の後にランチをとるのにはいいですね。

写真提供:かいてらす(山梨県地場産業センター)

まとめ

Photo by wata0712 in 2019/3/15

善光寺への武田信玄の信仰心や思いをカタチにし、今も地元にしっかりと根付いている「甲斐善光寺」。

甲府市内からのアクセスもいいので、山梨を旅するときは是非訪れてみたいスポットです。

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