イーハトーブはココ!宮沢賢治記念館に行ったら花巻温泉で極楽気分!

宮沢賢治記念館は、花巻出身の詩人であり童話作家でもあった宮沢賢治の詩や童話、教育、農業、科学といった多彩な活動に親しんでもらうために作られた施設です。

花巻には、宮沢賢治にちなんだ施設が多数あり、町のあちらこちらで賢治の世界観を五感で感じることができます。

また、花巻を訪れたら、宿泊したいのは花巻温泉です。

花巻温泉は、賢治の作品にも登場する景勝·釜淵の滝も近い台川沿いに「台温泉」と「花巻温泉」があり、豊沢川中流にある温泉群の中の「大沢温泉」は、宮沢賢治や芸術家の高村光太郎もよく利用した名湯です。さらに、「鉛温泉」は宮沢賢治の童話「なめとこ山の熊」のなかにも傷を癒す湯として登場します。

そんな、宮沢賢治ゆかりの地をめぐる旅に出てみましょう。

今回は、小学生の頃からずーっと賢治ファンであり、温泉ソムリエでもあるわたしが、花巻をまるっとご案内します。

そもそも、宮沢賢治ってどんな人だったっけ?~その生涯をおさらい~

宮沢賢治(1896〜1933)は、詩人であり童話作家として最も知られていますが、他方では教師や農業指導者、石灰工場の技師や肥料のセールスマンとしても活動しており、本当に不思議な多角経営の人です。

1896年

1896年、花巻の質屋・古着商を営む家に生まれた賢治は、やがて強い罪悪感を抱きながら成長していきます。当時の東北地方は、たびたび凶作や飢饉(ききん)に見舞われる過酷な風土であり、質屋を営んでいた自宅に、生活に困った人たちが家財道具などを売りにくる姿を見ながら賢治は育ちました。

そうした悲惨な状況下であっても、幼い頃の賢治は好奇心が旺盛な子供でした。野山を駆け回って昆虫採集や鉱物収集に夢中になり、やがてその興味は星にも向けられ、いわゆる理科好きの少年に育ちました。

1909年

1909年(明治42年)4月、賢治は岩手県立盛岡中学校(現・盛岡第一高等学校)に入学しました。本来ならば商人の息子であった賢治は跡継ぎなので学問は不要とお爺さんは考えていましたが、お父さんが説得して進学させました。

お父さんは、賢治が家業の質屋を嫌っていたのを知っていたのかもしれませんね。

1914年

そんな賢治少年も、1914年には岩手県立盛岡中学を卒業しますが、その年に法華経を読んで感動し、熱烈な法華信者となりました。お父さんは熱心な浄土真宗の信者だったので反対しましたが、賢治は最終的に法華経をより重視する日蓮宗系の、それも「国柱会」という、当時の日本における対外侵略政策を思想的に支えた国粋主義的な宗教の熱心な信者となりました。

彼の文学作品の中には、そうした国粋主義的な思想は全く感じませんね。ナショナリズムよりもグローバリズム的な感じ、あるいはコスモポリタニズム的な感じがします。

彼の著書「農民芸術概論」の中に『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』とあります。世界全体の幸福というのは、彼の信心した「国柱会」の考えとは若干異なるように思えます。

1915年

1915年(大正4年)4月、賢治は盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)に首席で入学し、ここでは土壌学を専門に研究をしました。この時期、仲間と同人誌を発行し、短歌や短編を寄稿しました。

1921年

研究生として盛岡高等農林学校を卒業後、一度東京へ家出をしますが、1921年(大正10年)12月には花巻に戻り、稗貫郡立稗貫農学校(岩手県立花巻農学校へ改称)の教諭となりました。

農学校時代の教師としての賢治は、代数、英語、土壌学、肥料学などの科目を教えていました。

賢治は、農業の生産性を向上させるためには、農家の子息でも学問は必要だという事をこの地域で示し、ノウハウだけでなく物の見方や音楽や演劇などの芸術も積極的に取り入れることで、精神的な育成を目指していたようでした。それは、自分の子供の頃のように凶作などによって地域の人々が質屋に来ることが無いように願っていたのだと考えられます。

1926年

1926年(大正15年)3月、賢治は花巻農学校を依願退職し、「羅須地人協会(らすちじんきょうかい)」を発足して農学校の卒業生や近在の篤農家を集め、農業や肥料の講習などを始めます。

そのきっかけは、当時の農学校の卒業生は半分も農業従事者にならなかったことにあると言われています。彼らは農業をとりまく環境が厳しかったため、役所に勤めたりエンジニアになったりしていたそうです。そこで賢治は、農業の発展のためには自らが農業に従事しなくてはいけないという思いが強くなっていったのではないかと思われます。

「羅須地人協会」の活動は、農業指導や肥料設計、花壇の企画・設計、更にはレコードコンサートや音楽楽団の練習を始めて農民芸術の実践を試みたりしました。

しかし、賢治は元来病気がちであった上にこうした活動が多忙を極め、肺炎になって病床に伏し、「羅須地人協会」は閉鎖を余儀なくされました。

その後、小康を得た折に鈴木東蔵という岩手県の南部、現在の一ノ関に東北採石工場を建てて石灰肥料を生産していた人物が賢治を訪ねてきました。東蔵は火山灰地で耕作には適さない荒れ地を開拓して作られた小岩井農場のために、土壌改良に必要な石灰を採取するための工場を作ったのでした。

お互いに、東北の農家を助けたい気持ちが一致し、賢治は東蔵を手助けすることになります。その内容は、経営の戦略立案の重要性を説き、販路開拓、鉄道の利用、競争を見越した宣伝広告だけでなく、石灰肥料そのものの品質管理や多角化まで含まれていました。

賢治は、工場の取り扱う石灰肥料の商品名を「石灰岩抹」あるいは「石灰岩粉」から「炭酸石灰」とすることを提案しました。実際に東蔵はこれをうけて、商品名を「炭酸石灰」と改め、その後「炭酸カルシウム」、「タンカル」となり、今でもこの呼称が広く使われています。

1931年

1931年(昭和6年)、東北砕石工場花巻出張所が開設。技師となった賢治は製品の改造、広告文の起草、製品の注文取り・販売などで東奔西走します。農閑期には石灰は売れなくなるため、賢治は石灰を壁材料に転用することを考えて製品見本を持って上京しましたが、高熱で倒れて花巻に戻り、以降は病臥生活となります。

この死の床から生まれたのが、有名な「雨ニモ負ケズ」です。

1933年

闘病生活は続き、1933年(昭和8年)9月21日、37年の生涯を終えました。

賢治は生前、その作品が評価されることはほとんど無く、生前に刊行されたものは詩集として『春と修羅』、童話集として『注文の多い料理店』、雑誌や新聞に投稿・寄稿した作品は『やまなし』『グスコーブドリの伝記』など、ほんの少数の作品でした。

賢治の代表作である『銀河鉄道の夜』が世に出たのは、賢治の死後に交流のあった高村光太郎らによって1934年に刊行された宮澤賢治全集(文圃堂)がはじめてでした。現在の形になったのは、多くの研究者・編集者の多大な努力によって1974年に刊行された『校本宮澤賢治全集』(筑摩書房)によるものです。

今では、賢治の作品は20カ国以上の言語に翻訳され、日本だけでなく世界中の人々に愛されています。

宮沢賢治記念館は、賢治の世界に出会える施設

宮沢賢治記念館は、賢治の詩や童話、教育、農業、科学と多彩な活動の世界に親しんでもらうための施設です。

1982年に賢治ゆかりの地である花巻市胡四王山に開館して以来、多くの人が訪れています。

胡四王山は国道より1kmほど山沿いを上ったところで、見晴らしが良い場所です。

展示内容は、宮沢賢治の世界観や思想を「宙(そら)」、「科学」、「芸術」、「祈」、「農」の5つのテーマごとに紹介しています。写真パネルなど約400点、さらにビデオやスライドなどで視覚的に楽しむことができます。

また、図書資料室には賢治の研究書など2000点の書籍を備え、研究者向けに開放しています。賢治に関する書籍なども販売していますよ。

童話「山猫軒」をモチーフにしたレストランが併設されており、お土産などの販売もしています。ここは賢治ファンなら是非、立ち寄ってほしいです。

さまざまな資料と多くの作品を手がかりに、宮沢賢治が見たイーハトーブの心象世界に触れて感じてみましょう。

また、宮沢賢治記念館南側にある「ポランの広場」には、賢治が設計した南斜花壇と日時計花壇があります。

見学の所要時間は、概ね1時間ぐらいが平均的だそうです。

Photo by Yoshihide Urushihara – MIYAZAWA Kenji Museum, Ihatobu Center

施設情報

入場料
・一般 350円
・高校生・大学生 250円
・小・中学生 150円
※宮沢賢治童話村、花巻市博物館、花巻新渡戸記念館との共通入館券あり
営業時間 8:30〜17:00
休館日 12月28日〜1月1日
TEL. 0198-31-231
花巻市・宮沢賢治記念館HP

周辺にも宮沢賢治にちなんだ施設が!~ぜひ立ち寄りたい宮沢賢治童話村と宮沢賢治イーハトーブ館~

宮沢賢治記念館は、少し幼い子供には難しいかもしれません。

それならば、国道の反対側にある「宮沢賢治童話村」がオススメです。

宮沢賢治童話村は、今にもジョバンニや又三郎、山猫などの賢治童話でおなじみの仲間が出てきそうな、賢治の世界の中で楽しく学ぶ「楽習」施設です。

童話村内は、「銀河ステーション」「銀河ステーション広場」「妖精の小径」「天空の広場」「山野草園」そしてメインとなる「賢治の学校」があります。「賢治の学校」の中は「ファンタジックホール」、「宇宙」、「天空」、「大地」、「水」の5つのゾーンに分かれています。

また、ログハウス展示施設「賢治の教室」では、賢治の童話に登場する「植物」「動物」「星」「鳥」「石」に関する展示を行っており、見どころがたくさんあります。

ここなら、お子様連れでも楽しく過ごせます。

見学に必要な時間の目安は、見て回るだけなら「賢治の学校」が約15分、「賢治の教室」が約30分程度です。

もし、周辺の森にある妖精の小路、ふくろうの小路、山野草園を散策するのであれば、少し時間がかかるので、時間に余裕を持って遊びに行きましょう。

施設情報

入場料
・一般 350円
・高校生・大学生 250円
・小・中学生 150円
営業時間 8:30〜16:30
休館日 12月28日〜1月1日
TEL. 0198-31-2211
花巻市・宮沢賢治童話村HP

「宮沢賢治童話村」が子供向け施設なら、「宮沢賢治イーハトーブ館」は大人の施設と言えるでしょう。

「宮沢賢治記念館」から花壇や日時計を見ながら坂を下りると、その隣に「宮沢賢治イーハトーブ館」があります。ここは、宮沢賢治と彼の作品を愛する方々によって発表された、賢治に関する様々なジャンルの芸術作品や研究論文を収集して展示している文学館です。

分かりやすく展示してあり、誰でも自由に見たり触れたり利用したりできます。

展示内容は、人それぞれで意見が割れるところです。理論派の人には受けると思いますが、直感的な芸術派の人は、面倒に感じるかもしれません。

さらに賢治作品の童話絵本、研究書、CD、ビデオなどの販売や、各種講演会、研究発表会が行なわれており、定期的に企画展示も行っています。賢治の絵本の品揃えが充実しています。

Photo by Yoshihide Urushihara – MIYAZAWA Kenji Museum, Ihatobu Center

施設情報

入場料 無料
営業時間 8:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 12月28日〜1月1日
TEL. 0198-31-2116

遊び疲れたら、花巻温泉でゆっくり寛ぎましょう!

花巻には、いくつもの温泉があります。大きく分けると、「台川」沿いのエリアと「豊沢川」沿いのエリアです。

宮沢賢治の作品にも登場する「釜淵の滝」にも近い台川沿いには、「台温泉」と「花巻温泉」があります。

「釜淵の滝」は、その名も「台川」という短編に出てきます。

「何処さ行ぐのす。」さうだ、釜淵まで行くといふのを知らないものもあるんだな。「釜淵まで、一寸三十分ばかり。」

台川の上流にある「台温泉」は、今からおおよそ1200年前の平安時代に坂上田村麻呂が発見したと言われる温泉で、南部藩主も訪れた温泉です。台川沿いに約15軒の宿が建ち並んで、しっとりとした昔ながらの温泉街でノスタルジックな雰囲気を楽しめます。源泉が十数か所もあります。

この台温泉の引湯から始まり、東北を代表する温泉リゾートとなったのが「花巻温泉」です。大型のホテルが4軒あります。

豊沢川中流にある温泉は、どこも個性豊かなところばかりです。いくつか体表的な所を挙げてみましょう。

「志戸平温泉」は、台温泉と同じように坂上田村麻呂の伝説が残る温泉のひとつです。征夷大将軍・坂上田村麻呂が征服の旅の途中、疲労困憊した一行がここ花巻に到着した折に、京都・清水寺より授かった観音像のお告げによって志戸平温泉を発見し、疲れを癒したと伝えられています。今では、近代的でレジャー設備が豊富な宿があります。

「大沢温泉」は、江戸時代に南部藩主が訪れた名湯です。また、宮沢賢治や彫刻家で詩人の高村光太郎もよく利用しました。豊沢川に沿って2つの旅館と昔ながらの自炊部があります。自炊部のひなびた風情は、温泉情緒にあふれています。川沿いには混浴露天風呂・大沢の湯があります。

「鉛温泉」は600年ほど前、白猿が傷を癒すのを見た宿のご先祖が、源泉を発見したと伝わる秘湯です。由来にちなんだ「白猿の湯」は、岩風呂の底からお湯が自噴しています。宮沢賢治の童話「なめとこ山の熊」の中にも、傷を癒す湯として登場する名湯です。

腹の痛いのにもきけば傷もなおる。鉛の湯の入口になめとこ山の熊の胆ありという昔からの看板もかかっている。

Photo by torng-der miaw – カメラロール-1686

「新鉛温泉」は、広くて大きな温泉ホテルの1軒宿です。豊沢川に面しているので、部屋からの景色も良いのですが、お風呂からの景色も自慢の宿です。

台川も豊沢川も、宮沢賢治が子供のころから親しんだ場所です。彼の作品にも登場する土地に湧く温泉で、ゆっくり寛ぐ旅はおすすめです。

では、各温泉の情報とオススメの宿を整理しておきます。

温泉情報

[台温泉]

泉熱/76℃~96℃
泉質/含硫黄-ナトリウム-硫酸塩 ・硫化物泉(塩化水素型)低張性弱アルカリ性高温泉
単純硫黄泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩素(源泉が複数あるので泉質も異なります)
効能/リウマチ、神経痛、五十肩、打撲、捻挫、冷え症、胃腸機能の低下、糖尿病、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、ストレスによる諸症状、疲労回復、など

オススメのお宿

やまゆりの宿
TEL. 0198-27-2055
せせらぎが響く静かなお宿で、敷地内で自噴している源泉かけ流しの温泉です。地元の食材の囲炉裏料理と和モダンのお部屋が押しの旅館です。ここの和モダンの雰囲気は意見が分かれるかも。
1泊2食付き 一人13,300円~46,440円(税込み)

オススメのお宿

中嶋温泉
TEL. 0198-27-2021
木造4階建ての建物も文化財チックで雰囲気があり、源泉かけ流しの岩風呂と大理石風呂が自慢です。旅館の中には、いたるところに彫刻品があり、昔の面影を偲ばせてくれます。この雰囲気と施設でこの値段、実にコスパの良いお宿です。
1泊2食付き 一人7,710円~16,350円(税込み)

[花巻温泉]

泉熱/58.7℃
泉質/単純温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)、
ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉(低張性アルカリ性高温泉)
効能/関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え症、抹消循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽いコレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、ストレスによる諸症状、病後回復期、疲労回復、健康増進、など

オススメのお宿

佳松園
TEL. 0198-37-2111
この地域のホテルの中でも、大人の落ち着いた趣があるホテルです。こちらのお風呂はpH9.0のアルカリ泉で、トロミのあるいわゆる美肌の湯です。
高級感もあり、年を取った親を連れて行ったらウケそうなお宿です。
1泊2食付き 一人17,280円~57,220円(税込み)

[志戸平温泉]

泉熱/60.5℃、73.2℃
泉質/ナトリウム-硫酸塩、塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
単純温泉
効能/浴用:きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病、動脈硬化症、など
飲用:慢性消化器病、慢性便秘、慢性胆のう炎、胆石症、肥満症、糖尿病、痛風

オススメのお宿

湯の杜 ホテル志戸平
TEL. 0198-25-2011
温水プールがあったり、夕食にバイキングがあったりと、家族連れにはうれしいホテルです。4つの貸切風呂もあります。ピンクリボンの宿で、入浴着の使用が可能のほか、エステマッサージ10分間無料のクーポンがあります。
1泊2食付き 一人9,990円~33,480円(税込み)

[大沢温泉]

泉熱/51.2℃
泉質/アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
効能/神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、痔疾、冷え性、打撲、捻挫、疲労回復、など

オススメのお宿

大沢温泉 山水閣
TEL. 0198-25-2021
この旅館のほか、渓流沿いにある昔ながらの湯治場「自炊部」、対岸にある芽ぶき屋根の別館「菊水館」の3つの宿のお風呂を全て楽しめます。浴場は全部で7ヶ所もあります。宮沢賢治ゆかりの露天風呂「大沢の湯」をはじめ、レトロモダンな「薬師の湯」など、お風呂自慢の宿です。日帰り入浴も可能です。
1泊2食付き 一人14,040円~27,540円(税込み)

[鉛温泉]

泉熱/57℃
泉質/単純温泉・アルカリ性単純高温泉
効能/神経痛、リウマチ、胃腸病、筋肉痛、関節痛、皮膚病、神経性疾患、婦人病、糖尿病、肥満、痔疾、小児疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、など

オススメのお宿

藤三旅館
TEL. 0198-25-2311
木造3階建•総ケヤキ造りの本館は、昔ながらの湯宿の雰囲気を伝えています。5つの源泉と4つのお風呂が魅力で、もちろん加温加水なしの源泉かけ流しです。自慢の「白猿の湯」は深さが1.25mもあり、立って入るタイプのお風呂です。(立って入るお風呂は血行が良くなる効果が高く、温まりやすいのでおすすめなんです)「白猿の湯」は基本的に混浴ですが、女性専用の時間帯も設けられています。他のお風呂も男女の時間割があるので、お風呂のハシゴを楽しめます。日帰り入浴も可能です。
1泊2食付き 一人9,180円~31,500円(税込み)
湯治部なら2食付きでも1泊5,940円から

[新鉛温泉]

泉熱/47.6℃
泉質/ナトリウム一硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
効能/神経痛、リウマチ、胃腸病、筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫などの慢性期、神経性疾患、糖尿病、肥満、痔疾、睡眠障害、循環器疾患、呼吸器疾患、など

オススメのお宿

愛隣館
TEL. 0198-25-2619
3つの自家源泉と17種類のお風呂が自慢の宿です。予算や用途によって12タイプの部屋と、「和膳スタイル」「かまどダイニング」の2つの料理スタイルを組み合わせることができます。ピンクリボンの宿で、入浴着の使用が可能のほか、貸切露天風呂45分間無料のクーポンがあるだけでなく、「ピンクリボン宿泊プラン」もあります。
1泊2食付き 一人9,180円~31,500円(税込み)
湯治部なら2食付きでも1泊5,940円から

宮沢賢治記念館と花巻温泉へのアクセス

宮沢賢治記念館、花巻温泉、どちらも

  • 飛行機なら「いわて花巻空港」
  • 鉄道なら東北新幹線の場合は「新花巻」、在来線の場合は「花巻」
  • 車で行くなら、東北自動車道の花巻南I.C

を目指していきましょう。

このエリア内の移動は、車なら問題はありませんが、公共交通機関はバスを利用する必要があります。

岩手県交通の路線バスはこちらから(宮沢賢治記念館へは土沢線を利用すると便利)

なお、期間限定(2018年8月1日から2019年3月31日まで)ですが土沢線のバスを利用して「賢治記念館口」、「札長根」、「新渡戸記念館入口」のいずれかで下車すると、

  1. 宮沢賢治記念館
  2. 賢治童話村賢治の学校
  3. 花巻新渡戸記念館
  4. 花巻市博物館

4施設の入館料が無料になる施設優待券が配布するキャンペーンを行っています。優待券を1枚もらえば、4施設全部無料となります。バスを利用するなら、是非GETしてください。

もし、お天気が良かったら自転車を利用するのもいいですね。自転車なら、いわて花巻空港にレンタサイクルがありますが、3台しかないので早い者勝ちです。(しかも1日300円!)新花巻駅近くの「銀河プラザお土産店」にも、5台だけあります。(こちらは1日1,000円)20台保有している「大原輪店」は、花巻駅から10分ほど歩くので、使いやすいとは言えません。

自転車はいずれも冬期間(12月~3月下旬)はお休みです。

花巻温泉は、送迎バスがある宿もあります。送迎バスは新花巻駅や花巻駅からだけでなく、宿によっては仙台駅からのバスもあります。上手に使うと、移動料金の節約もできそうですよ。

まとめ

ちょっと熱く宮沢賢治について書き過ぎちゃいました。また、温泉も何カ所もあるので煩雑な書きぶりになってしまいました。

さながら、宮沢賢治聖地巡礼の趣となりましたが、最後にポイントを整理しておきましょう。

  1. 宮沢賢治は39歳で人生を終えた、詩人であり童話作家のほか教師や農業指導者、石灰工場の技師や肥料のセールスマンなど、多彩な才能を持つ人だった。
  2. 宮沢賢治記念館は、花巻に生まれ育った宮沢賢治の作品や、その世界感に触れられる施設
  3. 宮沢賢治童話村は、賢治の童話の世界の中で楽しく学ぶ子供向けの「楽習」施設
  4. 宮沢賢治イーハトーブ館は、宮沢賢治に関する様々なジャンルの作品や研究論文を展示している文学館
  5. 花巻温泉は、台川と豊沢川沿いに広がる温泉群。宮沢賢治の作品にも登場する温泉もアリ。

花巻にある宮沢賢治に関する施設は、実はこれだけではありません。時間があれば是非足を運びたい所は、

  • 羅須地人協会
  • 「雨ニモマケズ」詩碑
  • イギリス海岸
  • 早池峰と賢治の展示館

などです。

ほかにも見どころとしては、花巻ゆかりの人物の施設である

  • 高村光太郎記念館
  • 花巻新渡戸記念館

があります。

全部まわろうとすると、このエリアは車が無いと少し不便なのが難点です。

そこで、ちょっと便利なのが季節限定ではありますが、ジャンボタクシーで花巻市内の主な観光スポットと駅または温泉宿を巡る「どんぐりとやまねこ号」があります。事前予約が必要なので、宿泊する宿に問い合わせて申し込むか、ココから内容を確認して申し込んでください。

わたしは宮沢賢治が大好きなので、あちらこちらに賢治の世界観を見る事ができる花巻は、ほっこりできる町だと感じています。お店の名前や飲食店のメニューの中にも、賢治の作品に登場した人物や動物が出てきて、思わずクスっと笑ってしまいますよ。

次回の花巻の旅は、前回行きそびれた「イギリス海岸」と「高村光太郎記念館」に行こうと思っています。イギリス海岸とは、賢治が作品の中で「全くもうイギリスあたりの白亜の海岸を歩いてゐるやうな気がするのでした。」と記したとおり、地質的に泥岩層の感じがイギリスの海岸っぽいという理由で賢治が名付けた北上川の西岸です。

高村光太郎記念館は、彫刻家で詩人の高村光太郎が戦時中に東京から花巻に疎開していたことから、彼の作品や妻智恵子の切り絵など約150 点が展示されている施設です。記念館西側にある小高い丘には光太郎が好んで散策した智恵子展望台があり、高村山荘は疎開時に思索の生活を送った家で、記念館に隣接して保存されています。

宮沢賢治の作品の中では、わたしは「やまなし」と「グスコーブドリの伝記」が大好きなのですが、この記事を書いているうちに「どんぐりと山猫」をもう一度、妙に読みたくなってきました。彼の本を持って、東北新幹線に乗ってサクっと花巻まで行ってしまいたいです。

みなさんも、宮沢賢治の世界と温泉にどっぷりと浸かってみてください。

賢治のイーハトーブ(理想郷)は、のんびりとしていて優しいところです。

Photo by Yoshihide Urushihara – MIYAZAWA Kenji Museum, Ihatobu Center