福岡県北九州市の門司港駅を中心とした地域は「門司港レトロ地区」と呼ばれています。
いまから約120年前に開港した「門司港」は明治時代から昭和初期にかけて建築された趣のある建物がいまでも多く残っています。
港町に建てられた情緒あふれる古い建物と、新しく建てられたセンスの良いカフェやショップが入り混じる九州地方でも人気の観光スポット!
デートにも、のんびり1人旅にもぴったりのレトロ空間は、どこを切り取ってもとってもフォトジェニックです!
門司港の歴史とともに、特に、おすすめの「写真映え」スポットをご紹介します。
日本の三大港として栄えた「門司港レトロ地区」。その成り立ちは?

「門司港レトロ地区」があるのは、福岡県の北部の関門海峡に面した町。
門司港には、明治時代に建てられた、荘厳な建築が多く建てられており、その昔、この地域が大いに栄えたことを物語っています。
もともとは石炭を扱う貿易港としてその地域を確立し、その後は、日清戦争や日露戦争など、軍需品や兵士たちを送り出す重要な港になったそうです。
第一次世界大戦時には、この門司も大戦景気に湧き立ち、神戸・横浜とともに、日本の三大港として数えられていたようです!
終戦とともに衰退…観光地として生まれ変わった「門司港レトロ」

人が集まる門司には、旅館や料亭、花街が多く作られ、門司は終戦までは、非常に栄えていた港でした。
しかし、戦争が終わるとともに、海外との貿易は縮小され、石炭の輸出も減っていきました。
港として低迷し、衰退していくことなった門司港…。
しかしその後、門司港は行政と民間の協力のもと、1995年に「門司港レトロ」として整備され、生まれ変わりました。
今では年間200万人以上の人が訪れる観光地にまで成長。
地元の人たちの手によって、門司の魅力が再び掘り起こされ、新たな歴史を歩んでいるんですね!
フォトジェニックな「門司港レトロ」!
異国情緒があふれ、どこか懐かしい「門司港レトロ地区」。
カメラを手にして、出かけてみましょう!
その① JR門司港駅

100年の歴史がある「ネオ・ルネッサンス様式」の駅舎。
駅舎としては日本で初めて、国指定の重要文化財に指定されています。
風情のある駅の改札部分と、上階部分は壮麗な西洋の建築様式が入り混じってまさに「門司港レトロ地区」を代表する建物です。
現在は保存修理工事中で、創建当時の姿に復元中だそうです。
2019年春には、駅自体も利用できるようになるようなので、大正時代の姿に生まれ変わった姿が見られるのが楽しみですね!
その② 旧大阪商船

続いて紹介するのは、八角形の塔屋が目印の「旧大阪商船」。
オレンジ色のタイルと、白い石の帯が調和した建物です。こちらもおよそ100年前に建てられた大阪商船門司支店を修復したもの。
窓のアーチ状のデザインや、窓自体のデザインも、現代にはない形や模様でとてもかっこいいです!
創建当時、門司港からは1カ月の間に台湾や中国、インド、ヨーロッパへ60隻もの客船が出向していました。
この大阪商船ビルは、その拠点の1つとしてオフィス機能や待合室として使われていそうです。
外国へと旅に出るひとたちが、ここで胸を躍らせていたんですね!
現在はギャラリーや、地元作家のブランド商品を販売する施設などに使われています。
その③ ブルーウィングもじ

全国で最大級の歩行者専用のはね橋です。
関門海峡、関門大橋を見渡せる場所にかかっており、恋人たちの架け橋として人気を博しています。
「恋人の聖地」に認定されていてカップルで渡ると幸せになれると言われているそうですよ!
橋が開いたり閉じたりする時間は、決まっています。
- 開橋時間 10時~、11時~、13時~、14時~、15時~、16時~
- 閉橋時間 10時20分~、11時20分~、13時20分~、14時20分~、15時20分~、16時20分~
時間の都合があえばぜひチェックしてみましょう!

夕日の時刻もおすすめですよ!
その④ 国際友好記念図書館

こちらもオレンジのレンガと白のレンガでデザインされた印象的な建物です。
屋根には瓦が使われていたり、小窓があったり…と外観の細部までぜひ観察してみましょう!
こちらは比較的新しい建物のようで、ロシアが、1902年に中国の大連に建築した建物を、大連市と門司港の友好都市締結15年周年を記念して、そっくりそのまま作ったそうなんです。
1階は中華料理レストラン、2階は中国・東アジアの文献を収蔵した図書館、3階は資料展示室となっていますよ。
2018年10月には観光施設としてリニューアルオープンするそう!
どんな内容に生まれ変わるのか楽しみですね。
その⑤ 門司港レトロ展望室

門司港レトロ展望室は、高層マンション「レトロハイマート」の31階にあり、門司の街並みや関門海峡を見渡せる絶景スポット!
ちなみにこの高層マンションは、日本を代表する建築家、黒川紀章氏が設計したそうです。
展望室の高さは地上から103m!
夜景もみることができるので、カップルやファミリーにおすすめです。

館内にはカフェも併設されているので、門司を歩きまわったあとに、ゆっくりくつろぐこともできますね!
その⑥ 三宜楼

こちらの木造三階建ての建物は、料亭として門司港の繁栄を伝える建物です。
門司が貿易港として栄えていた時には、門司港料亭のトップ3の一画だったとも伝えられています。
現存する料亭の建物としては九州最大級!その規模からも門司港がどれだけ栄えていたかを物語っていますよね。
栄華を誇っていた三宜楼ですが、昭和30年ごろには廃業となってしまいました。その後、売りに出されましたが、地元の有志たちが保存を求めて立ち上がり、募金活動が行われたのです。
地元の人々の努力もあって現在は保存修理工事も終わり、建物の美しい意匠を楽しむことができます。

欄間や天井、照明のデザインも特徴的です。
現在でも、とらふぐ料理などが楽しめる料亭として営業されています。
その⑦ 潮風号

レトロ地区と和布刈地区というところを結ぶ、休止された線路を走る観光列車「潮風号」。
色は重厚な青いカラーでレトロな雰囲気を醸し出しています。
小型のディーゼル機関車がトロッコ客車2両をサンドイッチに挟んで走ります。
もちろん乗って楽しむこともできるのですが、沿線では、このトロッコ列車と地元のゆるキャラたちが並走してその速さを競うイベントなども行われていて、こちらもおススメです。
ゆるキャラたちの奮闘がとってもシュールなので、ぜひ応援してみてください!
アクセス
門司港レトロ地区へは、JR下関駅からJRを使えば15分ほどで到着します。
また、JR博多駅からですと約1時間の場所です。
車で行く場合は、近くの駐車場にとめて散策しましょう。
門司港レトロ地区はコンパクトに観光スポットがまとまっていますが、紹介したフォトスポットを巡るとなると、結構な距離を歩きます。
歩きやすい服装、足元で散策しましょう!
まとめ

門司港レトロ地区には、フォトスポット以外にも、オシャレなカフェや、焼きカレーに代表されるグルメなど、楽しむポイントは盛りだくさんです。
またお魚も新鮮で美味しいので、写真を撮りながらグルメも堪能しちゃいましょう!
栄華をほこった貿易港から一時は衰退し、再び甦った「門司港レトロ地区」。
新しくも懐かしい街並みに、ぜひ出かけてみてください!

中国地方在住のアラサーOL。絶景とおいしい食べ物が大好きです。日本史も好きなので、歴史に詳しくない人にも、わかりやすく観光地の成り立ちを紹介していきたいです。特に瀬戸内地域のローカルな魅力を海外の人に伝えていければと思っています。