北海道人気の温泉地「登別温泉」で地獄めぐり&温泉ざんまい

温泉好きの日本人。ある調査では、日本では年に1回以上温泉に行く人が、全体の85%にもなるという結果が出ています。

昔から温泉につかって病気やけがを治すことを「湯治」といい、温泉に入ることで健康になるという意識があること、火山国の日本には温泉も多く、全国に3,500ちかい温泉地があることも、温泉好きが多い理由かもしれません。

そんな温泉大国日本でも、温泉地がいちばん多いのが、北海道です。今回は、北海道のなかでも歴史ある温泉地「登別温泉」についてご紹介します。国内外から年間300万人が訪れるという人気の観光地、その魅力をお伝えしたいと思います。

登別温泉で温泉ざんまい!おすすめの日帰り入浴5選

温泉には、その成分によって「泉質」があります。日本にある温泉の泉質は10種類。登別温泉では、そのうちなんと9種類の泉質があり、バラエティ豊かな温泉を楽しめるのが魅力です。

宿泊しなくても、“日帰り入浴”できる温泉も13か所あります。色々な泉質を比べながら温泉を楽しめるのも登別温泉ならでは!ぜひ温泉でほっとひと息、日本の文化を体験してみてください。

日帰り入浴できる温泉のなかで、おすすめの5か所をご紹介します。

第一滝本館

1つめは「第一滝本館」です。

登別温泉のシンボル“地獄谷” のすぐ近くに位置し、とても歴史のある温泉旅館です。

1,500坪もある広い温泉と、5種類もの豊富な泉質が魅力です。血行促進に効果のある「硫黄泉」と「酸性緑ばん泉」、肌のかさつきに効果のある「芒硝泉」、つらい冷えに効果のある「食塩泉」、湿疹に効果のある「重曹泉」の5種類です。気になる症状に効く泉質を、35もある浴槽といっしょに楽しむのもおすすめです。温泉の窓から見える地獄谷の風景も、また格別です。

この旅館は、日本式のサービスや食事を体験できるとして、宿泊に関しても満足度が高いです。

第一滝本館 ホームページ

 

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登別グランドホテル

2つめは、「登別グランドホテル」です。

こちらも老舗のホテルで、3種類の泉質を楽しむことができます。血行促進に効果のある「硫黄泉」、つらい冷えに効果のある「食塩泉」、皮膚病や婦人科疾病に効果のある「鉄泉」の3種類です。

温泉は庭園露天風呂と、日本ではここにしかないドーム型ローマ風の内湯があります。庭園露天風には檜風呂と岩風呂があり、美しい庭園と、流れ落ちる滝を目と音で楽しみながら、特別な時間を過ごすことができます。

登別グランドホテル ホームページ

 

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登別石水亭

3つめは、「登別石水亭」です。

この温泉の一番の魅力は、美しい四季折々の景色を、温泉につかりながら楽しめることです。

ホテル8階にある空中大浴場では、大きな窓ガラスの向こうに、山々の自然を望むことができます。秋の紅葉、冬の雪景色も格別です。最上階の空中露天風呂もおすすめです。

登別石水亭 ホームページ

 

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花鐘亭はなや

4つめは、「花鐘亭はなや」です。

こじんまりとした温泉旅館で、源泉100%、かけ流しの「硫黄泉」の温泉が魅力です。

血行促進に効果があり、お肌がつるつるになると評判です。硫黄泉に見られる“湯の花”も浮かび、身体の芯から温まることができます。

規模は大きくないですが、おもてなしの行き届いた伝統的な日本旅館です。部屋数も限られているので、温泉を静かに楽しみたい方におすすめの温泉です。

花鐘亭はなや ホームページ

 

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登別万世閣

5つめは、「登別万世閣」です。

温泉のほか、屋内プールやジャグジーも備えたスポリゾートホテルです。子ども連れの旅行客に特に人気があります。

乳白色の温泉は、身体がぽかぽかと温まります。東屋付きの露天風呂も、雰囲気があっておすすめです。

登別万世閣 ホームページ

 

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登別温泉で地獄めぐり&鬼探し

車やバスで登別温泉に向かうと、急に巨大な鬼が姿を現します。

鬼は日本独特の存在で、角が生え、金棒を持つ姿が一般的です。昔話にもよく登場しますが、仏教では、地獄で罪人を管理する役割をしています。

でも、なぜ登別温泉で鬼?と思いますよね。登別温泉に到着すると、その理由が分かります。

温泉街を奥に進むと現れる、もうもうと立つ湯けむり、そして荒涼とした風景。まさに“地獄”というのにふさわしいこの場所は、「地獄谷」と呼ばれ、登別温泉のシンボル的なスポットです。

そんな地獄谷のある登別温泉の雰囲気にぴったりの鬼が、イメージキャラクターとして活躍しているそうです。

Photo by AOI in October 13, 2007

そんな登別温泉では、「地獄めぐり&鬼探し」で、主要なスポットを散策することができます。

まずは、「地獄谷」へ行ってみてください。入り口あたりから、硫黄のにおいが漂い、独特の雰囲気です。地獄谷のなかには遊歩道が整備され、奥まで散策できるようになっています。

Photo by AOI in October 13, 2007

あちらこちらから煙が立ち、吹き出し口は硫黄の成分で黄色くなっています。この地獄谷は噴火活動によってできた火口跡だそうです。

この荒涼とした空間を歩いていると、まるで異世界に来たような気分になります。日没後には「鬼火の路 幻想と神秘の谷」というライトアップイベントが通年で開催されています。遊歩道に灯された明かりに誘われて、地獄谷の奥へ奥へと進めるようになっています。

また違った雰囲気の地獄谷を楽しむこともできますので、夜の散策もおすすめです。

Photo by AOI in October 13, 2007

秋には木々の紅葉とのコントラストも楽しむことができます。

Photo by AOI in October 13, 2007

遊歩道の一番奥には「鉄泉池」があります。小さな間欠泉で、熱湯がぶくぶくとわき出る様子を、すぐ近くで見ることができます。

この地獄谷からは、1日1万トンの温泉が湧き出ていて、温泉街にある温泉に供給されているそうです。

地獄谷のさらに奥には「大湯沼」や「奥の湯」など、あちこちから温泉が湧き出ているのを見ることができます。こちらも合わせて巡ってみると面白いと思います。

Photo by Nao Iizuka – 大湯沼

散策に疲れたときは、大湯沼から流れ出した温泉の“足湯”がおすすめです。自然のなかでほっとひと息、足もぽかぽか、ココロもぽかぽか、とても癒されます。

Photo by Nao Iizuka – 大湯沼川天然足湯

地獄めぐりが終わったら、今度はぜひ“鬼探し”を!温泉街では、色んな表情の可愛らしい鬼たちに出会うことができます。

Photo by AOI in October 13, 2007

鬼たちのボス、えんま大王にも出会えます。1日に何度か、からくりが上演があり、目が光り、地獄の底から響くような声が聞こえます。泣き出してしまう子どももいるくらい、けっこう迫力があります。

Photo by Kentaro Ohno – Noboribetsu

「湯鬼神の九金棒」というパワースポットも、最近新たに登場しました。登別温泉の守り神“湯鬼神”の9本の金棒に、それぞれ商売繁盛、学業成就などのご利益があるそうです。願いを書いた絵馬も結ぶことができるので、願い事をしてみるのはいかがでしょうか。

また、この金棒が設置されている「泉源公園」、3時間ごとに間欠泉が吹き上がります。とても迫力があるので、金棒に願い事もしつつ、大地のパワーも感じてみてください。

もっと楽しみたい方へ!登別温泉イベント情報

登別温泉をもっと楽しんでもらいたい!と、温泉街では、年間を通してさまざまなイベントが開催されています。

なかでも最も多くの人が集まるのが、8月最終週の土日に開催される「登別地獄まつり」です。

Photo by Christophe Richard – satan-athon

登別温泉のシンボル“地獄谷”から、えんま大王が鬼たちを連れて登別温泉にやってくるという伝説を再現します。迫力の“エンマ山車鬼みこし”や“鬼踊り”に、夏の夜の温泉街は大いに盛り上がります。

6月と7月の木曜日・金曜日には、「地獄谷の鬼花火」が開催されています。地獄谷にすむ“湯鬼神”たちが、鬼の花火を夜空に打ち上げます。厄払いの舞とともに、手筒の花火を打ち上げる姿は勇壮で、一見の価値があります。

 

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冬の時期にもイベントは開催されています。1月1日の元旦には新年を祝う「縁起もちつき」、2月には「登別温泉湯まつり」が開催されます。お湯への感謝を込めて、激しくお湯をかけあう“源泉かけ合戦”や“道祖神ねりこみ”などが行われます。雪景色のなか、ふんどし姿の男たちが湯をかけあい、会場は大いに盛り上がります。

 

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北海道 移住定住 西いぶりさん(@nishiiburi_hokkaido)がシェアした投稿

色々なイベントが開催されていますので、時期を合わせて訪ねてみると、さらに登別温泉を楽しめるかもしれません。

登別温泉から近い人気の観光地3選

登別温泉の周辺には、おすすめの観光地がいくつかあります。なかでも人気の3か所をご紹介します。

登別伊達時代村

まずご紹介するのは「登別伊達時代村」です。

江戸時代の日本を体感できるスポットとして、特に海外からの観光客に人気があります。

江戸時代の街並みが再現されていて、まるでタイムスリップしたような気分になれます。変装したキャストと街なかで気軽に写真撮影をすることもできます。もちろん、自分が忍者の衣装や着物を着られるサービスもあるので、もっと雰囲気を楽しみたい方にはおすすめです。

そんな時代村でいちばん人気のスポットは、忍者ショー、おいらんショー、侍ショーなど、迫力満点の“ショー”です。お客さんとの掛け合いもあって、進行も面白いと評判です。

ショーの時間などはホームページでも確認できるので、ぜひチェックしてみてください。

このほかにも、忍者屋敷や手裏剣体験、日本らしい吹き矢や輪投げ、射的のゲームなど、いろいろ楽しめます。

Photo by Jason – 登別時代村

登別伊達時代村 ホームページ

登別マリンパーク ニクス

次にご紹介するのは、「登別マリンパーク ニクス」です。

規模は大きくないですが、充実した内容が人気の水族館です。特に子ども連れの観光客に人気があります。デンマークのイーエスコー城を再現したというお城のような建物が迎えてくれます。

人気のプログラムがいくつかあり、“ペンギンパレード”は特に人気があります。ペンギンたちが行進する姿をすぐ近くで見ることができ、毎日開催されています。“イルカショー”も開催されていて、事前に申し込めば、イルカのトレーナー体験や、タッチ体験もできます。

1万匹のイワシが泳ぐ“銀河水槽”も必見です。キラキラと光りながら泳ぐイワシの大群は、まるで銀河のよう。ライトアップや音楽などの演出効果もあって、不思議な空間を体験できます。

このほか、クラゲの水槽や、北海道にしかいないクリオネなど、400種20,000点の生きものに出会うことができます。

個人的なおすすめスポットは、館内の上りエスカレータです。エスカレータの下には巨大な水槽があり、見下ろすと泳ぐ魚たちの魚影がとても幻想的に見えます。ときどき、サメの大きな魚影も見えたりして、ドキッとさせられます。

ホームページで申し込し込めるバックヤードツアーもあるので、興味のある方はチェックしてみてください。

Photo by Ray Swi-hymn – 20131231_NixeMarine_8664

登別マリンパークニクス ホームページ

のぼりべつクマ牧場

最後にご紹介するのは「のぼりべつクマ牧場」です。

北海道の生態系の頂点に君臨する“ヒグマ”に会うことができます。

登別温泉街からロープ―ウェイで行くことができ、アクセスも便利です。ロープ―ウェイからの景色も美しく、倶多楽湖という神秘的な湖も見ることができます。

巨大なヒグマをすぐ近くで観察できる施設や、えさやり体験ができる牧場などが人気のスポットです。えさをねだるような仕草をするクマも見ることができます。

このほか、アヒルレースがあったり、北海道の先住民アイヌの生活を紹介するユーカラの里があったり、楽しみながらも北海道について学べる場所になっています。

Photo by Ray Swi-hymn – 20060911_Noboribetsu-BearPark_5915

のぼりべつクマ牧場 ホームページ

「登別温泉」のアクセス情報

車でのアクセス

道央自動車道「登別東IC」から約8km

バスでのアクセス

  1. 新千歳空港から高速バス「高速はやぶさ号」乗車、「登別」で下車(約1時間)
  2. 登別温泉までの路線バスに乗り換え

JRでのアクセス

JR登別駅から約8km(タクシーや路線バス利用)

登別温泉 ホームページ

http://noboribetsu-spa.jp/

Photo by Jason – 登別-地獄谷 Hell Valley

まとめ

北海道も夏には涼しく、冬は雪景色を楽しむことができる人気の観光地です。登別温泉は、そんな北海道のなかでも人気の観光地で、泉質豊かな温泉と、地球の鼓動を感じられるような大自然が魅力です。

日帰りでも楽しめますが、もしお時間があれば、ぜひ宿泊してゆっくりと温泉を楽しむことをおすすめします。日本人にとって、温泉に入って疲れを癒し、美味しい食事を楽しみ、ゆっくりと睡眠をとることは、至福の時間です。

温泉につかってほっとひと息、登別温泉で日本の文化を体感してみてください。

Photo by AOI in October 13, 2007