「小樽運河」をのんびり散策!ノスタルジックな港町で歴史を感じる街歩き

Writer
AOI

東京生まれ、栃木育ち、仕事で北海道にも住んでいました。旅行先では、地元の人の生活を知りたくて、必ず市場を訪ねます。毎回、新鮮な発見があって面白いです。地域の魅力を伝えるイベント企画などの仕事をしていたので、知られざる日本の魅力をもっとお伝えしたい!と思っています。

日本有数の観光地「小樽」。歴史的建造物が立ち並ぶレトロな街並みと、新鮮な海鮮グルメが人気です。そんな小樽が観光地として成功したのは、ある歴史的な背景があります。

1880年ごろ、小樽は北海道開拓の玄関口として、また国際貿易港として栄えていました。日本銀行をはじめ、多くの銀行や商社が軒を連ね、“北のウォール街”とも呼ばれるほど、隆盛を極めていましたが、敗戦やニシンの不漁など、経済の不況から街は急速に衰退します。

その衰退の時期こそが、現在の小樽の成功につながります。歴史的建造物が立ち並ぶレトロモダンな街並みが、壊されることなく残されたのです。今やその歴史的な街並みこそが、最大の観光資源となっています。

そんなレトロな街並みを歩きながら、ノスタルジックな気分に浸れる小樽の旅。小樽のシンボルともいえる「小樽運河」を中心に、おすすめの街歩きプランをご紹介します。

「小樽運河」散策のススメ

ノスタルジックな街歩きが楽しい小樽、少なくとも半日は、時間を確保したいところです。

小樽のシンボル「小樽運河」には、石畳の散策路も整備され、おすすめの散策ルートになっています。

小樽運河は、全長はおよそ1.2km、日本でも珍しい“埋め立て式運河”です。内陸の土地を掘ったのではなく、海岸を埋め立てて造られました。なので、運河の水は海水です。

運河沿いには、石造り倉庫群が昔のままの姿で残され、ツタの絡まる様子は、運河の風景をノスタルジックに彩ります。散策路にはガス灯も並び、灯りがともされる夕暮れの風景もまた格別です。

あまり時間のない方には、運河の南側“南運河”の散策がおすすめです。浅草橋と中央橋のあいだの整備された散策路は、気軽に歩くことができます。思わず写真を撮りたくなるような、小樽運河らしい景色に出会えます。

もう少し時間のある方には、ぜひ運河の北側“北運河”も散策してみてください。

北運河は埋め立てられていないので、船が係留する港町らしい風景や、小樽港につながる海の景色を楽しむことができます。南運河にくらべて観光客も少ないので、静かに散策できます。

北運河でぜひ見て欲しいスポットは、「北海製罐小樽工場第3倉庫」です。

1924年、運河の完成当時に建てられ、いまもその姿のまま、現役で稼働しています。

もうひとつのおすすめスポットは、「旧日本郵船株式会社小樽支店」です。

レトロモダンな建物で、広場の噴水といっしょに写真を撮るひとが多いスポットです。国の重要文化財にもなっている石造りの建物内も見学できます。センスの良いインテリアを眺めながら、海運業が栄えていた当時の小樽のタイムスリップした気分になれます。

散策に疲れたときは、運河沿いの「運河プラザ」でひと休みを。

View this post on Instagram

Robinさん(@robin.tw.jp)がシェアした投稿

観光案内所もあるので、観光情報をリサーチしたり、お土産も買うこともできます。

また、あまり歩きたくないけど、散策はしたい!という方には、“人力車”もおすすめです。

View this post on Instagram

EBISUYA Rickshaw 人力車のえびす屋さん(@ebisuya_rickshaw)がシェアした投稿

小樽運河の浅草橋をスタートし、効率よく観光スポットを回ってくれます。

人力車のえびす屋 ホームページ

小樽運河、消滅の危機にあった“運河論争”

現在は小樽のシンボルとも言える「小樽運河」ですが、かつて消滅に危機を迎えたことがありました。繁栄ののち衰退を迎えた小樽経済、1970年代には、運河を埋め立てて道路にしようという地元経済界の動きがありました。モータリゼーションの時代を迎え、不要になった運河より、道路の整備によってふたたび経済を活性化したいという願いが込められたものでした。

大型船が港に接岸できなかったために造られた運河は、大型船も入れる港が整備され、その役割は終わっていました。使われなくなった運河にはヘドロがたまり、悪臭を放つようにもなっていたそうです…。

しかし小樽市民は、この埋め立てに反対します。歴史的な遺産として運河の保存を訴え、経済界VS市民の論争に発展します。この論争はマスコミでも報道され、日本中から注目されることになったそうです。そして10年におよぶ論争の結果、どちらの願いも叶える形で決着がつきます。運河の南側“南運河”を半分埋め立てて、道路と散策路にすること、運河の北側“北運河”はそのままの姿で残すことが決まりました。

そして現在、「小樽運河」は小樽観光のシンボルになり、多くの観光客が訪れるスポットになっています。

この論争をきっかけに、市民の街づくりの意識が高揚、レトロが魅力の歴史的建造物を生かした街づくりが始まったそうです。

小樽運河から、現在の魅力的な「小樽」の街がスタートしたと言えるかもしれません。

夕暮れがおすすめ!小樽運河クルーズ

小樽運河で人気のアクティビティに、「運河クルーズ」があります。

運河から見る街並みは、視点も変わり、一味ちがった小樽を楽しむことができます。ぜひ体験してもらいたい小樽運河クルーズ、その魅力をご紹介します。

発着は、運河の中央にある中央橋。1時間に2本ほど、運行しています。

運河の南の端から北の端までおよそ40分の船旅、運河沿いの歴史的建造物や、港町の風景を楽しむことができます。とてもゆっくり運行してくれるので、写真を撮りながら、のんびりとした船旅です。揺れも少ないので、船酔いが心配な方も安心です。

クルーズ船のキャプテンが、小樽の歴史をじっくりガイドしてくれます。英語や中国語の音声ガイドも用意されています。事前に予約すれば、英語や中国語でのガイドも可能だそうです。

そして水面も近いので、ぜひのぞいてみてください。小樽運河の水は、海水。運が良ければ、魚やヒトデ、カニにも出会えるかもしれません。

写真を撮りたい方には昼間のデイクルーズ、ロマンチックな雰囲気を楽しみたい方には夜のナイトクルーズがおすすめです。一番おすすめの時間は、どちらの良いところも楽しめる夕暮れ時、マジックアワーのクルーズです。

チケット・運行情報などは、ホームページをチェックしてみてください。

「小樽運河クルーズ」ホームページ

小樽運河を楽しめるおすすめスポット4選

少し違った視点で小樽運河を楽しめるスポットを4つ、ご紹介します。

(1) 小樽ビール 小樽倉庫NO.1

まずひとつめは、「小樽ビール 小樽倉庫NO.1」です。

運河沿いの石造り倉庫を改装した店舗で、新鮮な地ビールを楽しむことができます。

運河をながめながら、おいしいビール&ビールにぴったりのドイツ料理。幸せなひとときを過ごせます。

View this post on Instagram

Unvarnixia♡Kさん(@kajuliah)がシェアした投稿

「小樽ビール」ホームページ

(2) おたる政寿司ぜん庵

2つめのスポットは、「おたる政寿司ぜん庵」です。

小樽といえばお寿司が人気ですが、老舗の政寿司が小樽運河沿いにオープンさせた、おしゃれな寿司屋をご紹介します。新鮮な寿司や刺身、地元の田中酒造の地酒も楽しむことができます。冬には、小樽特産のシャコがおすすめです。その大きさと味には、きっと驚かされます!

運河をながめながら、おいしいお寿司を楽しむのはいかがでしょうか。

「おたる政寿司ぜん庵」ホームページ

(3) プレスカフェ

3つめのスポットは、「プレスカフェ」です。

北運河沿いにあり、築100年以上の石蔵を改装した店内は、とても落ち着く空間です。

展示されたクラシックカーや運河をながめながら、おいしいコーヒーでほっとひと息できます。

カレーやパスタも人気で、食事も楽しめます。

View this post on Instagram

札幌 南円山リンパケア beaming smile-muuさん(@muumuu.110)がシェアした投稿

「プレスカフェ」ホームページ

(4) ホテルノルド小樽

4つめのスポットは、「ホテルノルド小樽」です。

運河沿いのクラシックなホテルで、客室からは運河や倉庫群、小樽港が見渡せます。

宿泊して、時間によって表情を変える景色を楽しむのもおすすめです。最上階のバーラウンジの雰囲気も最高です。

View this post on Instagram

pink_tarakoさん(@pink_tarako)がシェアした投稿

View this post on Instagram

Aging材料研究所さん(@aging_labo)がシェアした投稿

「ホテルノルド小樽」ホームページ

小樽運河を灯りが彩る冬のイベント

小樽雪あかりの路

雪に包まれる冬の小樽も、また違った楽しみがあります。厳冬の2月、「小樽雪あかりの路」が開催されます。

小樽の街を会場に、12万本ものキャンドルが、あちらこちらに灯されます。その灯りを灯すのは、2,000人を超えるボランティアスタッフ。極寒のなか、ひとつひとつ手作業で灯される灯りは、とても優しく観光客を迎えてくれます。

運河にもガラスの浮き球にろうそくが灯され、まるで星空のような風景が広がります。

北海道の厳しい冬の寒さもやわらぐ、優しい光の競演。幻想的な冬の小樽の街並みともマッチして、一見の価値があります。

イベントの開催期間は10日間ほど。冬に訪れる時は、ぜひチェックしてみてください。

「小樽雪あかりの路」公式ホームページ

小樽ゆき物語

もうひとつ、冬のイベント「小樽ゆき物語」もご紹介します。こちらは、11月からのおよそ3か月間、小樽運河が青いイルミネーションで彩られ“青の運河”になります。

1万個の青色LEDで装飾された運河と遊歩道、その中を航行する運河クルージングはとてもロマンチックで、人気があります。

「小樽ゆき物語」公式ホームページ

「小樽運河」のアクセス情報

車でのアクセス

  • 新千歳空港から車でおよそ60分
  • 札幌から車でおよそ30分

電車でのアクセス

  • 新千歳空港からJR快速エアポートでおよそ75分、JR小樽駅から徒歩8分
  • 札幌からJR快速エアポートでおよそ32分、JR小樽駅から徒歩8分

バスでのアクセス

  • 札幌から「高速おたる号」でおよそ60分、JR小樽駅から徒歩8分

「小樽観光協会」ホームページ

まとめ

レトロな街並みが魅力の小樽、小樽運河沿いを散策すれば、思わず写真を撮りたくなるような素敵な風景に出会えます。できれば1日、時間に余裕をもって訪ねてみてください。

運河クルーズや、人力車など、ここでしかできない体験もあります。地ビールやお寿司など、おいしい出会いもきっとあります。はじめてなのに、どこか懐かしい、そんな小樽の街歩き、ぜひ楽しんでみてください。