小樽の浪漫あふれる街「メルヘン交差点」でガラスの神秘に触れよう

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14. 日本海に面する小樽。海もきれい

小樽といえば、運河と古めかしい雰囲気を残したレトロな街並みがシンボルですが、それに加えて美しいガラス工芸も有名です。

今回は、歴史を感じるエリア「小樽境町通り」、愛称「メルヘン交差点」から、小樽の名産品として人気の高い「ガラス」を扱う店舗・施設をご紹介します。

古き良き時代にタイムスリップしたかのようなメルヘン交差点を探索して、小樽名物のガラスの世界を満喫しましょう。

「メルヘン交差点」とは?

小樽の有名な観光地として、ノスタルジックな風景を残した「メルヘン交差点」は、境町の一角にあります。ここでは、キラキラしたガラスの美しい工芸がたくさん。ついついお店というお店に立ち寄ってしまいたくなる、素敵な通りなのです。

まるで宝石?ぎゅっと凝縮した小宇宙?ガラス工芸の魅力に迫る

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14.
キャンディのような「とんぼ玉」

小樽の有名な工芸の一つに、ガラス工芸があります。「北一硝子」という老舗企業では、個人のアクセサリー類の製造・販売まで様々な人々がガラス作りに専念しており、出来上がった作品はどれもとても精巧で緻密。その中でも、キラキラしたガラスを楽しみたいときにぜひ訪れたいトップ3を独自で選びました。

①北一ヴィネツィア美術館でイタリアとの文化交流を感じる

北一硝子の運営する「北一ヴィネツィア美術館」では、小樽とイタリアはどちらもガラスと縁が深いということでヴィネツィアン・グラスの展示を行っています。

館内はとことんヴィネツィア風で、18世紀の「グラッシィ宮殿」をモデルにしているそう。宮殿風の豪華で華やかな飾りつけで、まるで貴族になったかのような気分を味わえます。

ガラス工芸の緻密なアートに酔いしれる

「たかがガラス、されどガラス」。身近な素材であるガラスですが、その工芸の芸術性はとても奥が深いのです。

職人技で生み出される繊細な色柄・造形は、壺などの「器」やシャンデリアなど「照明」といった日常品をひときわ美しく引き立てています

例えば、器の取っ手などにさりげなく現れる動植物の細かな形でさえも、ガラスが形どっています。さらに、グラデーションなどの微妙な色変化、たゆとう波間のような曲線、柔らかなドレープ感もガラス。

身近に使われるガラスでも、巨匠たちがいかに細やかな神経を使って製造されているかがわかります。

イタリア貴族に大変身? 優雅なコスチュームで文化体験

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14.
自前のカメラで友人を撮影したところ(掲載承諾済み)。本格的な着付けでも、手伝ってもらえるので安心

館内の優雅な雰囲気をもっと感じたいなら、ぜひ「衣装文化体験」に参加しましょう。たくさんの素敵なコスチュームから、好きなものを着て写真を撮ることができます。

女性に人気のドレスは、イタリアのドレスメーカーに特注したもの。とことんイタリアにこだわっているのですね。

コスチュームは男性用もあるので、家族やカップルで記念撮影される方も多いそう。

写真撮影は有料オプションですが、もちろん自分のスマートフォン・デジカメでなら撮影回数も自由。旅の思い出に残しておきたいですね。

②飴玉のような「とんぼ玉」を手作り! 小樽大正硝子館

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14.
短時間で手作りできるとんぼ玉作りが人気

「ガラスってきれい、自分でも手作りしてみたい!」と創作意欲が湧いたら、ぜひ手作り体験に参加しましょう

「とんぼ玉」と呼ばれる、小さなガラス玉を自分で手作りできるお店として有名なのが「小樽大正硝子館」です。ものづくり、工芸好きな男性にも人気です。

とんぼ玉を作ってみよう!ステップを簡単に紹介

1.まずは申し込み!
店員さんからプラン説明を聞いたあと、申込書・契約書にサイン。これは、とんぼ玉作りではバーナーなどを扱うため、参加者の身を守るためのもの。しっかり読んで、サインします。

2.色・柄を選ぶ どんなデザインにするか、じっくり検討
次に、作りたいデザインを決めます。土台となる色と、それに乗せて柄をつける色のガラスを一本ずつ選びます。

この工房で作れるとんぼ玉は3種類。ガラス玉に別の色で線をつける「マーブル」、「ハート」、小さな花の形のガラスを埋め込む「花てまり」があり、順に難易度が高いそう。

でも、丁寧なインストラクションがあり初心者でも上手に作れるので安心です。

ガラスの色は、「うーん、迷うなあ!」と、つい腕組みをして考えてしまうほど、色の種類が豊富!思い出の大切な一品にするために、じっくり検討。出来上がり見本を見ながら考えるのが良いですね。
工房の方に伺った「色選びのポイント」は、

  • 濃い色の土台+明るい色の柄、など「コントラストがはっきり」するものを選ぶ
  • あえてクリアや白色の土台にして、柄付け用のガラスは鮮やかなものを選ぶと、綺麗に柄が出る

例えば、紺色に白、黄色に緑など、色の違いが出やすいものが仕上がりが鮮明なのだそうです。

3.いよいよ制作!上手に出来ますように!
デザインが決定したら、いよいよ制作に取り掛かります。バーナーを使うため、荷物類は外してお店に預けます。ガラス棒を熱するので、十分気をつけましょう。

  1. バーナーで金属棒とガラス棒を余熱
  2. まずは、ガラスを巻きつけるために金属の棒を熱します。赤くなるまで十分熱したら、ガラスも色が変わるまでじっくり熱します。

  3. 土台の「玉」作り
  4. 金属棒をくるくる回しながら、溶けたガラスを少しずつ棒に巻きつけます。まるで飴のようにガラスが伸びますよ。

  5. 柄をつける(筆者は「マーブル」を制作したので、ここではマーブルの作り方を説明します。)
Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14.

ある程度の大きさと形が整ったら、今度は柄をつけます。細い方のガラスで線を引き、等間隔で何本か乗せます。そのあと、形が崩れないよう気をつけつつ、くるくる回し続けるときれいなマーブル模様に。

4.冷却して完成!
ここまで出来たら、あとは灰の中でゆっくり冷やします。
冷えるまでは時間がかかるので、一旦お店に作品を預けて時間を潰しましょう。再び戻ってきたときには、自分だけのとんぼ玉が出来上がっています!

筆者の体験ポイント:行くたびに作りたくなる、オリジナルのとんぼ玉

筆者自身、コロンと丸く可愛らしいとんぼ玉が好きで、初めて体験してから繰り返し作っています。

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14.

今回は、あえて無色透明なガラスを土台に涼しげなとんぼ玉にしてみました。(写真のビーズはオプション)

まん丸ではなく、ちょっとだけ「涙型」になったのも味わい。完成を喜ぶと同時に、「今度はどんなデザインにしようかな?」と考えてしまいます。

③身につけてアートを楽しみたいなら「月下美人」

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.15.

繊細なガラスを身につけて楽しみたいと感じたら、「月下美人」がおすすめ。デザインにこだわったアクセサリーが豊富に並びます。

ガラスならではの透明感を活かし、自然の輝きを凝縮して閉じ込めたかのようなイヤリングやネックレス、ペンダントは、いつ見ても飽きのこない表情を持っています。

筆者の体験ポイント:永遠に咲き続ける小花のイヤリング

Photo by ohshima2520 in 18.Jun.14.
生花を閉じ込めたかのようだが、実はこれもガラス

まるで本物の花を閉じ込めたかのようなイヤリングに一目惚れして購入。中の花も、すべてガラス製です。

いくつか同じ商品が並んでいましたが、よく見ると一つ一つ違った形の花々がガラスに入っています。微妙な風合いの違いも、手作りしているからこそ。見比べているだけで時間を忘れてしまいます。

小樽の「メルヘン通り」とガラス工芸の魅力まとめ

今回は、小樽の「メルヘン通り」と、そこに立ち並ぶガラス工芸の店舗・施設をご紹介しました。小樽のガラス工芸は職人の技が光り、一生懸命丁寧に作られています。

ご紹介したほかにもたくさんのお店があるので、メルヘン通りを訪れたらぜひ覗いてみましょう。丹念に形作られたガラスを眺めつつ、のんびりとした時間が過ごせます。