今注目のスポット「大谷資料館」で、神秘的な巨大地下空間に潜入!

Ōya Stone Museum
Photo by Urawa Zero-Ōya Stone Museum

東京から新幹線で1時間ほどの、栃木県の宇都宮市。餃子やジャズの街として有名ですが、ここに最近注目を集めているスポットがあります。

宇都宮市内からバスや車で30分ほどの距離にある「大谷資料館」。なんとその建物の地下に、まるでピラミッドの内部のような石の巨大な空間が広がっているというのです。

その正体は、「大谷石」という石材の採掘場跡地。

日本でも珍しい、人の力で創り出された神秘的な巨大地下空間の魅力をご紹介します。

まるでエジプトのピラミッド!?地下の巨大空間は夏でもひんやり

「大谷石」という石、日本では石塀などによく見かける身近な石材です。少し緑がかったクリーム色の石で、温かみのある印象から、建築用資材としても人気があります。

Ōya Stone Museum
Photo by Urawa Zero-Ōya Stone Museum

世界でもこの大谷町でしか採れない珍しい石で、その採掘場跡地が、今注目スポットになっているのです。きっかけは、映画やテレビドラマ、ミュージックビデオの撮影に使われたこと。その神秘的な雰囲気と、圧倒的な存在感から、一気に注目度が高まりました。

その巨大な地下空間は、宇都宮市内から車で30分ほど、石の街大谷の「大谷資料館」にあります。

資料館に近づくと、ひんやりとした空気が漂ってきます。資料館に展示された大谷石の歴史に触れつつ、建物内にある階段を降りていくと、さらに空気がひんやりとしてきます。採掘場跡地の年平均気温は、なんと8℃前後!真夏でも上着が必要なのです。

Ōya history museum
Photo by x768-Ōya history museum

階段を降りていくと、やがて視界が開けてきます。そこに広がるのは、ライトアップされた幻想的な空間。どこまでも広がる石の壁、その景観は、まるでエジプトのピラミッドや神殿のようだという人もいます。巨大な地下空間は、なんと野球ドーム1個ほどの広さ。この迫力には、きっとだれもが圧倒されると思います。

この神秘的な雰囲気を生かして、テレビやミュージックビデオの撮影はもちろん、結婚式やコンサートまで開催されているそうです。石の壁を活用した、デジタルアートイベントも人気です。

ホームページにもイベント情報が掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。地下空間の魅力を、もっと楽しめる機会になると思います。

大谷資料館ホームページ : http://www.oya909.co.jp/

地下採掘場跡地は、人気のスポットのため、週末は多くの人でにぎわいます。ゆっくりと静かな雰囲気を楽しみたい方には、平日がおすすめです。また、いつでも涼しい地下空間は、日本の蒸し暑い夏にも、ぜひおすすめしたい場所です。

フランク・ロイド・ライトの建築にも使われた「大谷石」

大谷石について知っていると、もっと楽しめる場所だと思うので、少しですが大谷石の歴史についてご紹介します。

大谷石の地質岩石学上の正式名称は「流紋岩質溶結凝灰岩」。2,000万年前、日本列島がまだ海中に沈んでいた時代に、海中に堆積した火山灰が固まったものです。

世界でも大谷でしか採れない珍しい石で、むかしから石材として採掘されてきました。

その大谷石が、日本中に広く知られるようになった出来事があります。

アメリカの建築家の巨匠“フランク・ロイド・ライト”が、日本でもいくつかの建築を設計していることをご存知でしょうか。そのひとつ、日本を代表する老舗ホテル、帝国ホテルの旧本館に、大谷石が使われていました。大谷石は柔らかく、加工しやすいことも特徴で、彫刻された大谷石がホテルの建物の内外で使われました。ホテルのエレガントな雰囲気と、大谷石がとてもマッチした建築でした。

P1030940
Photo by Sébastien Bertrand-P1030940

この帝国ホテルがある東京を、1923年、巨大地震が襲います。のちに関東大震災と呼ばれたこの地震によって、帝国ホテルの周辺も、建物が倒壊するなど甚大な被害が出ました。ところが、大谷石を使った旧本館の被害が少なかったことが分かります。この出来事をきっかけに、大谷石の評価が高まり、耐火性、耐久性に優れた石材として、広く使われるようになりました。

時代が経ち、帝国ホテルの旧本館は解体されましたが、今でも愛知県の「明治村」というところで復元・保存されています。この明治村には、歴史的に価値のある日本の近代建築がいくつも保存されていますので、東京から少し遠いですが、建築がお好きな方にはおすすめです。

博物館明治村ホームページ : http://www.meijimura.com/

大谷石地下採掘場跡
Photo by wellflat .-大谷石地下採掘場跡

大谷石の採掘は、1960年ごろに機械化されるまで、職人によって手掘りされていたそうです。掘り出された石の重さは、1本150kg。それを人が背負って運搬していたと言います。どれだけの重労働だったか…。

大谷石地下採掘場跡
Photo by wellflat .-大谷石地下採掘場跡

地下採掘場後では、壁面に手掘りの採掘跡、機械化された採掘跡、どちらもみることができます。当時の様子にも想いをはせながら、巨大な地下空間を歩けば、きっと特別な時間を過ごすことができると思います。

ROCKSIDE MARKETでほっとひと息&お土産探し

神秘的な地下空間を楽しんだあとは、隣接のカフェ&マーケットでほっとひと息していきませんか。

ちょっと冷えた身体を、美味しいコーヒーでほっと温めていく人が多いそうです。

このROCKSIDE MARKETは、“この土地での暮らしの楽しみ方を伝えること”をコンセプトにしているので、地元の素敵なものに出会えます。カフェでは、栃木県産のそば粉を使ったガレットが人気で、地元野菜やポーク、いちごなど、地元の味を楽しむことができます。

食後のデザートには、イタリアのジェラート協会も認定の、本格ジェラートもおすすめです。

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マーケットでは、大谷石のお土産はもちろん、地元の作家さんの作品など、センスの良いお土産がそろっています。日本らしい器や、大谷石を使ったキャンドルなど、旅の思い出にじっくり選んでみるのも、楽しい時間だと思います。

石の街“大谷”をもっと楽しむ

採掘場跡地の巨大な石の地下空間を楽しんだあとも、石の街“大谷”には、おすすめしたいスポットがたくさんあります。

まずは、見上げるほど大きな大谷石の石像「平和観音」です。高さは27mもあります。第二次世界大戦での犠牲者追悼のため、手彫りで岩壁から彫り出されました。平和を願った人々の思いが、伝わってきます。

平和観音

下から見上げるだけでも迫力がありますが、観音様のお顔のあたりまで、階段で登れるようになっています。ここからの景色も絶景です。ぜひ登ってみてください。

平和観音の周辺は、「大谷景観公園」として整備されています。驚かされるのは、幾重にもそそり立つ大谷石の岩壁。まるで中国の水墨画のような風景を、楽しむことができます。

Ōya history museum
Photo by x768-Ōya history museum

もうひとつのおすすめスポットは「大谷寺」です。大きな岩山のふもと、本堂は洞窟に包み込まれるように立っています。

本堂の中には「大谷観音」と呼ばれる本尊、千手観音が納められています。大谷石から彫り出された石仏で、日本で一番古い石仏と言われています。国の特別史跡重要文化財にも指定されています。

写真を撮ることは禁止されているので、ぜひ足を運んで、その姿を拝んでみてください。

Ōya temple
Photo by x768- Ōya temple

特別な体験を楽しみたい方は、ぜひ「大谷石体験館」へ。大谷石への絵付けや、プロに指導を受けながらの彫刻体験ができます。大谷石の魅力に、もっと触れられる体験になると思います。

大谷石体験館のホームページ : http://www.ooyaishisangyo.com/ws/workshop.html

もっとアクティブな体験をしたい方には「地底湖クルージング」がおすすめです。普段は立ち入り禁止の大谷石採掘場跡地を探検したり、採掘場跡地にできた地底湖をゴムボートでクルージングできるツアーが開催されています。事前の予約が必要ですので、ホームページをチェックしてみてください。

OHYA UNDERGROUNDのホームページ : http://ohyaunderground.jp

「大谷資料館」のアクセス情報、入館料など

車でのアクセス

東北自動車道「鹿沼IC」から約20分、「宇都宮IC」から約12分、北関東自動車道「宇都宮IC・上三川IC」から約40分、「壬生IC」から約30分。

第2~4駐車場を利用できます。(310台利用可)

路線バスでのアクセス

  • JR宇都宮駅西口6番乗場から「大谷・立岩行き」に乗車、約30分。
  • 東武宇都宮駅からは、東武駅前バス停から「大谷・立岩行き」に乗車、約20分。

どちらも「資料館入口」で下車、徒歩5分。

路線バスを利用する場合は、「大谷観光一日乗車券」がお得です。

路線内乗り降り自由、各種割引があります。

関東自動車JR宇都宮駅前定期券センター、宇都宮東武ホテルグランデフロントで販売しています。

バス時刻はこちらから確認できます。

Ōya history museum
Photo by x768-Ōya history museum

入館料

  • 大人800円
  • 子供400円(小・中学生) 
  • 未就学児は無料

開館時間

  • 4~11月9:00~17:00(最終入館16:30まで)
  • 12~3月9:30~16:30(最終入館16:00まで)

休館日

  • 4~11月無休
  • 12~3月毎週火曜日休館(火曜日が祭日の場合翌日休館)
  • 年末年始12月25日~1月1日休館

まとめ

かつて大谷石の採掘場では多くの人が働き、石の街“大谷”は栄えていました。しかしその後、衰退の時代を迎えます。そして現在になって、“神秘的な巨大地下空間”という魅力的なコンテンツをもつ「大谷資料館」をはじめ、平和観音や大谷寺など、大谷石はあらたな観光資源として、多くの人を惹きつけています。

Ōya history museum
Photo by x768-Ōya history museum

旅の魅力は、その土地の空気を体感することだと思います。石の街として、大谷石と歩んでいた大谷の魅力、ぜひ訪ねて、体感してみてください。