自然豊かで魚やお酒が美味しい美食の島、佐渡島についてご存知でしょうか。今回は新潟県の西側に位置する、佐渡島の「船事情」についてご紹介します!
佐渡市への交通手段は現在、「船」のみとなっています。さらに100以上の歴史を持つ「佐渡汽船の船」が運航している長い歴史を持った船です。
佐渡市と新潟市を行き来するカーフェリーは3種類あり、それぞれのキャラクターを持っています。そして近年、佐渡島を訪れる観光客にとても人気が集まっています。
キャラクターはそれぞれ佐渡島の特徴を備えたデザインをしており、船と佐渡の魅力を同時にご紹介します!
佐渡島はどんな島?

初めに、佐渡島について少しだけご紹介します。
佐渡島は本土から32km離れた沖縄県に続く、日本で2番目に大きな新潟県の島です。
現在、人口は約5万8000人以上が暮らしており、大佐渡・小佐渡と言われる2つの山が佐渡島の形を特徴づけています。
新潟県と聞くと雪が降り積もる極寒のイメージを想像してしまいますが、佐渡島の冬は新潟市よりも雪がとても少なく、雪の降った翌日には溶けてしまうほど暖かく、12月でも氷点下が続くことは少ないです。
理由は、日本海に面しているため季節風によって過ごしやすい気温に保たれているからです。冬は比較的雪が少なく、夏は暑くなりすぎない気候の地域となっています。
能舞台が200以上も存在していた島!

佐渡島は日蓮や順徳天皇、能楽で有名な世阿弥などの人物が刑罰によって佐渡島に島流しをされたという歴史があります。
その為、能や仏教と深いかかわりを持ち、歴史的な建造物も佐渡島には多数残されています。
小さな島ですが江戸時代には200以上もの能舞台があり、現在でも30余り残されており、島を少し歩けば能舞台が見つかるほど、佐渡市のあちらこちらに見かけることができます。
海外からも参加者集まる、大自然のスポーツ大会が開催

佐渡島は自然が豊かな場所であり、山と海が小さな島の中でとても近い距離に存在しているためアウトドアを存分に楽しめる場所でもあります。
毎年5月に開催される「佐渡ロングライト」は自転車で佐渡島を一周するツーリングの大会です。
一番長い距離では210mにも及ぶ「佐渡島ぐるり一周コース」は海外から参加者も多く、大会の季節になると宿泊施設が予約でいっぱいになると、地元の方が話しているほど人気な大会です。
9月には「佐渡国際トライアスロン」という白熱した大会も開かれています。
また、毎年春の季節には「佐渡マラソン大会」もあり、大会の為に訪れる参加者も多いです。
スポーツ大会以外にも登山やスキューバーダイビングなどのアウトドア施設も整っており、夏の季節にはぜひ訪れたい場所です。
では、さっそく佐渡と新潟を結ぶカーフェリーについてご紹介します!
佐渡島を支える佐渡汽船のカーフェリー

佐渡島へのアクセスは「船」になります。
歴史上においては、昭和46年に佐渡空港が完成しており、船と飛行機の2種類が運航していましたが、平成26年に佐渡空港が運休状態となって以降、佐渡への交通手段が「船」のみとなりました。
沖縄や北海道などの島は飛行機でも行くことができますが、佐渡市へは未だに船で行き来をする以外に手段はありません。
しかし、この佐渡汽船は100年以上もの歴史を持ち、現在は島を訪れる観光客にとっても大人気の乗り物となっています。
佐渡市と新潟市を結ぶ船は、片道約2時間半の「カーフェリー」と片道約1時間の「ジェットフォイル」の速さの違う2種類が運航しています。
今回は3姉妹のキャラクターを持つ、室内が充実した施設の「カーフェリー」についてご紹介します。
3姉妹にキャラクター化された佐渡汽船のカーフェリー
佐渡市と新潟市を結ぶ船のひとつ「カーフェリー」は片道約2時間~2時間30分の巨大なフェリーです。
カーフェリーには「おけさ丸」「ときわ丸」「あかね」の名前の付いた3種類の船があります。
それぞれが3姉妹という設定でキャラクター化されており、佐渡を訪れる観光客から人気を集めています。
各カーフェリー室内には「車」や「ペット」、「キッズルーム」などがあり、安心してどなたでも利用することができるのも人気のひとつです。
室内の情報や室内のおすすめスポットも合わせてご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
3姉妹の長女「おけさ丸」

名前は「おけさ」です。カーフェリー3つのうちの長女として長い間、両津・新潟間を運航してきました。
「おけさ」とは佐渡島に伝えられる伝統的な民謡に「佐渡おけさ」という曲があります。この民謡は船乗りの曲とも言われており、「おけさ」はカーフェリーらしいネーミングですね。
手には「車」を持っていることから分かるように、車を乗せられるカーフェリーとして分かりやすいデザインとなっています。
佐渡汽船「おけさ丸」の絶景スポット

おけさ丸の船内にはおすすめの絶景スポットがあります。船の4階に位置する場所に、室外で過ごすことができる、外に面したベンチが備えられているのです。
写真を撮るにも絶景の場所です。カモメが船の周りに集まる光景も見られ、佐渡の自然豊かな雰囲気を楽しむことができます。

写真に見えるように、カモメが船の後ろをついて来ます。地元の方が「かっぱえびせん」をカモメにあげているので喜んでついてくるようです。
ご紹介するすべてのカーフェリーは自家用車を乗せることができますが、「おけさ丸」は大型のバスも乗せることができる一番大きなフェリーとなっています。
3姉妹の次女「ときわ丸」

名前は「ときわ」です。カーフェリーの次女としてデザインされました。外装の特徴にもあるように船のブルーのラインが、綺麗なときわのヘアースタイルで表現されています。
また、「ときわ」の胸ポケットに付いている鳥は佐渡市を代表する「トキ」という鳥です。顔がオレンジ色をし、真っ白な羽を持つ美しい鳥です。
昭和27年には特別天然記念物に指定され、佐渡市内には「トキの森公園」で美しいトキを近くで見ることができます。
「ときわ丸」と先程ご紹介した「おけさ丸」は室内にベットルームを備えたスイートルームがあり、完全予約制で中に入ることができる豪華なイメージのカーフェリーです。
一等室、二等室にはじゅうたん室があり、横になって過ごすことも可能です。
3姉妹の末っ子「あかね」

三姉妹の末っ子は「あかね」です。「あかね」は平成27年に造られた比較的新しい船です。
そのため、デザイン性が溢れておりカラフルな室内になっています。綺麗なキッズルームやペットルームがあり、安心して船の旅に出かけることができます。

スイートルームは室内にありませんが、最低限必要な部屋が揃っており、時代に合ったコンパクトな造りをしています。
「あかね」が付けているブローチは佐渡島全体の形をデザインした形です。実は佐渡島は上に位置するのが「大佐渡」、下にあるのが「小佐渡」となり、2つの島でできている地形です。
大佐渡は険しい山が多く、海が荒いです。上記の写真のような、大きな岩が今でも存在しています。小佐渡は穏やかな海岸があり、小さな山脈が立ち並ぶ地形です。
大好物は新潟名産の「おけさ柿」

佐渡汽船キャラクター「あかね」の好物は、佐渡島で有名な果物のひとつ「おけさ柿」です。
おけさ柿は、種のないとても甘い柿で、とても食べやすい人気の種類です。
柿の種がないことから「八珍柿」と称されるようにもなりました。おけさ柿入りのカレーやおけさ柿のアイスなど、様々な食べ方をされていることでも有名です。
時代とともに変化した佐渡島のカーフェリー

時代の利便性に合わせて変化をしてきた佐渡汽船のカーフェリーですが、下記の表を見て頂くとさらに明らかにわかる特徴があります。
「おけさ丸」(長女)
「ときわ丸」(次女)
「あかね」(末っ子)

まず、注目したい点が一番左の「最大旅客定員数」の違いです。
平成5年に造られた「おけさ丸」は1705人、その次の「ときわ丸」は1500人もの乗客を乗せることができる作りです。こちらの2つの船は6階まである巨大なフェリーとなっています。
一方、平成27年に造られた比較的新しい「あかね」においては乗車人数628人と他に比べてとても少ないです。しかし、こちらは3階造りのフェリーとなり、とてもコンパクトな設計です。
さらに、横幅を大きく設計しており、ゆったりとした室内の空間を過ごせるような配慮と、乗用車の積載量だけでも152台もあり、荷物を入れるスペースがしっかりと確保されています。
「あかね」においては、新潟湾と両津湾の間を約2時間で行き来することができるため、他の船に比べても30分ほど早く到着することができます。
コンパクトにし、ジェットエンジンを搭載したことで速さが生まれ、引っ越しなどの大きな荷物も運べる時代に合った船へと改良されていることが分かります。
まとめ

佐渡は自然が豊かで山と海がそばにある美しい島です。
その佐渡島へは今もなおフェリーという交通手段のみが通っており、観光客も地元の人も皆がフェリーを経由して佐渡島を訪れます。
現在はカーフェリーに可愛らしい「おけさ」「ときわ」「あかね」の3姉妹のキャラクターがデザインされ、身近に感じられるようになりました。
ぜひ、島へ移動するフェリーの時間から佐渡島を楽しんで頂けたら嬉しいです。

佐渡島からフリーランスとして活動している佐倉あみです。カメラ、美術館巡り、フランス語が好きです。東京のフランス系の外資で翻訳・通訳をしていました。自然の生活に憧れて数か月前に佐渡に移住し、自然の魅力を発信しています。美味しいお酒と日本海の魚を楽しんでいます!