鯛の浦で遊覧船に乗り鎌倉時代に思いをはせる南房総の旅

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

東京から日帰りで特別天然記念物を見る事が出来る場所をご存知ですか? 実は千葉県にあります。

それが千葉県の鴨川シーワールドからほど近い鯛の浦遊覧船から見る事が出来る真鯛の群れは壮観ですよ!

しかし実はこの鯛には鎌倉時代にまで遡る伝説があるのです。

そんな不思議な伝説もある鯛の浦をグルメや遊びスポットと一緒にご紹介します。

鯛の浦は東京から日帰りできるお手軽スポット

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

東京駅から特急わかしおで1時間45分。乗り換えなし片道3600円で行くことが出来る千葉県の房総半島のちょうど顎あたりに位置する安房小湊

ここは鎌倉時代のお坊さん、日蓮聖人の生誕地でもあります。

鯛の浦は安房小湊駅から車で10分ほどの位置にある、特別天然記念物の鯛が住む場所なんです。

鯛の浦観光をゆっくりしたいなら? 周辺ホテルのおすすめ

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

駅自体はあまり電車の本数も多くないのでアクセスが決して良いわけではありませんが、夏などは海水浴客であふれかえります。そのために駅から比較的近い場所に大きなホテルも沢山あります。

中でも駅からもすぐに見えるホテル三日月は海水浴場にも鯛の浦にもアクセスがよくおすすめ。夏だと宿泊以外にランチバイキングだけの利用もできます。

シーズンオフの冬などだと2食付きで10000円以下で泊まる事も出来ますよ。

鯛の浦の日蓮伝説

700年前の奇跡

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実は鯛の浦はもともとは「妙(たえ)の浦」と呼ばれていました。

この妙の浦には今から約700年前、貧しい漁村があったんですね。今はもう地形が変わり海の底に沈んだ場所になっていますが、その漁村で生まれたのが日蓮でした。

日蓮が生まれた時に目の前の海に突然沢山の真鯛が集まってきて飛び跳ねた、と言われています。

当時のこのあたりの地域は激しい飢饉が訪れていたと言われており、漁村の人々にはまさに命が救われるような奇跡だったことでしょう。

鯛の浦の鯛は、700年の昔からそこに住み着いたと言われているそうで、地元ではこの鯛を「日蓮の化身」と呼び、絶対に殺さないよう大切に保護しています。

真鯛の生態にありえない謎の群生

そもそも、真鯛というのは群れになることもなく、浅瀬に一年中いるような魚でもありません。どちらかといえば深い海に単体でいる事が多い魚

しかし鯛の浦では一年中、季節も関係なしに真鯛が沢山その場所に住み着いて離れません。この状況は実は専門家の間でも「理屈が分からない謎の行動」と言われているんだそうですよ。

鯛の浦の遊覧船にのって特別天然記念物の鯛を見物

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

遊覧船の乗船時間とおすすめの席

実際に私も乗ってみました! 遊覧船はだいたい1時間に数本出ており、25分程度遊覧して戻ってきます。

船底からも船の上からも鯛がしっかりと見る事が出来るよう、船室には窓があり、海の中の様子を見る事も出来ますが、お天気が良かったら是非船の上に出てみるのがいいと思います。

ただ、太平洋なので結構波が荒く、短い時間とはいえ乗り物酔いするタイプの方はあらかじめ酔い止めを用意するのがいいかもしれません

船に乗る前に写真屋さんがいて、船をバックに写真撮影をしてくれます。帰りに購入することが出来ますよ。

遊覧船で餌付けタイム

船に乗ると船内放送で日蓮伝説などが説明されたあと、沖合に到着するといよいよ餌付けタイム。船長さんが船べりをカンカンと叩くと海中から無数の鯛が海上にあがってきます。

餌付けが始まるとさらに集まってくるのですが本当に大きな鯛ばかり!禁漁区なのできっと長生きの鯛も多いのでしょうね。

餌付け自体は5分程度で終了し、そのまま元の港に戻ります。時間にしてもそう長くないので、安房小湊に来るならぜひ、遊覧船は体験したほうがいいと思います。

ただ、天候によっては船が出られない場合もありますので、その日の朝の海の様子を確認しておいた方がいいかもしれませんね。

鯛の浦会館で「おめでたい」を手に入れる

遊覧船から降りてすぐの場所に1階がお土産物屋さんになっている鯛の浦会館があります。2階は展示室になっていて鯛の浦の歴史を見る事が出来ます。

1階のお土産物屋さんでは鯛にちなんだお土産物が沢山売っています。

個人的に鯛の浦に遊びに行くと必ず買うのが鯛せんべい。ショウガ風味で癖になるお味です。

また、鯛の浦会館ではここ限定の「おめでたい」と名付けられた鯛ピンが売っています。男性へのお土産に喜ばれます。

また女性用には鯛の形の小銭入れもかわいい!鯛の浦の地酒の試飲も出来ますよ。

遊覧船はこちらに問い合わせを

乗船料金は大人一人が950円です。展示館の入館料金もセットになっています。

小湊妙の浦遊覧船協業組合

〒299-5501 千葉県鴨川市小湊183-8
TEL:04-7095-2318
https://tainoura.jp/yuransen1.html

鯛の浦から誕生寺を散策する

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

誕生寺を散策する

鯛の浦遊覧船から降り、道路を渡るとすぐのところに誕生寺があります。

写真はちょうど鯛の浦遊覧船を降りて道路の方に向かう場所。向かいの灯篭のようなものが見えているのが誕生寺です。

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

ここでは日蓮の幼少時代をの姿が像になっています。さすが誕生寺ですね。

子供の頃は禅日麿(ぜんにちまろ)と呼ばれ、清澄寺で出家をし、身延山で修業をしたのちに再度清澄寺に戻ってきて初めて法華経を説いたと言われています。

その清澄寺は誕生寺から山を登った上の方にあるそうです。歴史に興味があるかたは併せて足を延ばしてみてもいいかもしれませんね。

小湊一帯に広がる日蓮ゾーン

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

この辺りは生誕地という事もあって、行く先行く先に日蓮の名前を見る事が出来ます。

交差点や道路の名前もみんな日蓮。確かに有名なお坊さんですがここまで日常的にその名前が見られるのもここ以外にはちょっとないかもしれませんね(笑)

ただお寺さんでも遊覧船でもものすごい逸話が多すぎて、魔法使いだったのか?という錯覚に陥ります。

おらが丼と伊勢海老に舌鼓!鯛の浦グルメ

Photo by 野沢菜月 in 2017.02.18

おらが丼ってどんなもの?

鴨川や安房小湊一帯の房総エリアでは、加盟している飲食店で「おらが丼」というランチを提供していて、駅から歩いている間にもあちこちのお店に「おらが丼」と書いた幟が立っているのを見る事が出来ます。

おらが丼は地元でとれたもので作る丼と決められており、その季節によって載せられる具も色々と異なりますし、お店によってもトッピングが全く違うため、食べ歩きもとっても楽しいです。

海鮮丼やサンガ焼き、海老天などなど、各店工夫を凝らした美味しいおらが丼を提供しています。観光案内所にいくと食べ歩きパンフレットをもらう事ができますよ。

実は伊勢海老漁獲高日本一

写真提供:PAKUTASO

伊勢海老というと三重県のものと思われると思いますが、実は伊勢海老の漁獲高が日本一なのは千葉の鴨川なのです。

そのためおらが丼以外も含めてここでは美味しい伊勢海老を楽しむことが出来ます。海老が好きな人は是非試してみてくださいね。

まとめ

  • 東京から日帰りできるがシーズンオフなら安く宿泊もできる
  • 鯛の浦の遊覧船で真鯛の餌付けを楽しめる
  • 伊勢海老やおらが丼などグルメが楽しめる

千葉県って実はとっても広いんですよね。房総半島と一口にいっても色々な表情を持っている場所で、同じ海なのにこんなに文化が違うの?と驚く事があります。

その中でも鯛の浦は特別天然記念物になっている事もあって独特な世界観があります。歴史もグルメもレジャーも楽しめる街、鯛の浦で楽しんでみてくださいね。