長野県にある霊山・戸隠山にある戸隠神社。
この戸隠神社は創建以来2,000年余りの歴史をもつ神社であり、近年では御朱印やパワースポット巡りのブームもあり、人気のある観光地の一つです。
奥社・九頭龍社・中社・火之御子社・宝光社の五社からなる戸隠神社の魅力やオススメのルートについて、ご紹介していきます。
戸隠神社の歴史・由来は?
戸隠神社の奥社の創建はなんと紀元前210年で、それ以降現代まで続いている長い歴史を持っています。「戸隠」という名前は、日本神話の「天岩戸開き」に由来しています。
遠い神世の昔、高天原という神々の世界に天照大神(あまてらすおおかみ)と弟の須佐之男命(すさのをのみこと)など多くの神様たちが暮らしていました。
あるとき、須佐之男命のひどいいたずらに怒った天照大神は、天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れてしまいました。太陽の神である天照大神が隠れてしまったので、世の中は真っ暗になり大混乱です。
困り果てた八百万の神々は作戦をたて、天岩戸の前で宴会を開いたのです。盛り上がる外の様子が気になった天照大神が、そっと扉を開けてのぞいたそのときに、手力男命(たぢからをのみこと)が岩戸を開けて天照大神を引っ張り出すことができました。
そして手力男命は、また天照大神が天岩戸に閉じこもっては大変と、岩戸を下界に投げ捨ててしまいました。
この岩戸が飛んできたのが戸隠山であるといわれています。そして戸隠神社はこの神話に由来する神々を祀った神社なのです。
戸隠神社 五社の巡り方
戸隠神社は、1社だけではなく全部で5つの社に分かれています。山の麓側から順に宝光社、火之御子社、中社、奥社・九頭龍社です。(奥社と九頭龍社はすぐ近くにあります。)
それぞれが離れており、すべてを回ろうと思うとかなり時間がかかります。私はゆっくり見て回るタイプなので、丸一日かかりました。
五社すべてを回る方は宝光社から奥社まで上っていくか、反対に奥社から宝光社まで順に下ってくるルートがオススメです。見どころが多いのは中社と奥社・九頭龍社なので、時間があまり取れない方でもこの3つは絶対に押さえましょう!
ちなみに五社の主なご利益は以下の通りです。一番お祈りしたいところから回ってみるのもいいかもしれません。
- 奥社: 開運、心願成就、スポーツ
- 九頭龍社: 縁結び、水恵、虫歯
- 中社: 学業成就、商売繁盛、家内安全
- 火之御子社: 芸能、縁結び
- 宝光社: 学問技芸、安産
(それにしても虫歯の神様なんて、不思議ですよね。)
奥社・九頭龍社
最初にご紹介するのは、戸隠神社巡りのメインとなる奥社と九頭龍社です。この2社へ向かうためには、入り口から約2㎞ほどの参道を歩いて進んでいきます。
入り口からしばらく歩くと、両脇の景色がだんだんと杉並木に変わってきて、やがて朱塗りで茅葺の門が見えてきます。これは隋神門といい、邪悪なものが神域に入り込むのを防ぐ神様を祀るための門です。

隋神門を越えるといよいよ戸隠神社の神域へと入ります。その先には樹齢約400年の杉並木が続きます。
文字だけではうまく伝えられないのですが、門を過ぎた途端に空気が変わるのです。それまで以上に洗練された空気を感じることができ、身も心も浄化された気分になりました。

その後の道中では、小川のせせらぎや深い自然、神仏混淆の時代の仏さまなどを横目に進んでいき、石段を登りきると、ようやく九頭龍社と奥社へたどり着きます。
2社はすぐ近くにあるのでしっかりとお参りしましょう。お守りなどの購入やおみくじはこちらでできますよ。

Photo by Symco in September 8, 2018

Photo by Symco in September 8, 2018
ちなみに参道は片道4,50分はかかる山道で、途中で険しい登りがあります。そのためヒールやサンダル、スカートなどの服装は避けた方が良いでしょう。
中社
続いては中社です。長い参道があるのは奥社・九頭龍社だけなので、それ以外の3社はバス停や駐車場からすぐにお参りすることができました。

鳥居をくぐると、境内には1本の杉が三又に分かれたという不思議な「三本杉」と樹齢700年を超える「御神木」があります。
どちらもものすごい迫力なので、しっかりとチェックしたうえで、パワーをいただいておきましょう。

そのまま進むと中社の拝殿です。奥社や九頭龍社に比べると比較的大きな荘厳な造りをしていました。
ここでもおみくじを引くことができます。火之御子社と宝光社ではおみくじがないので、奥社で引き忘れてしまった方はここが最後のチャンスです!

Photo by Symco in September 8, 2018
ちなみに中社周辺にはお蕎麦屋さんやお土産屋さんなどがあります。お昼の時間帯に到着した場合はこのあたりで戸隠蕎麦をいただくのも良いでしょう。
火之御子社
5社の中で一番小さい造りをしているのが火之御子社です。
小規模ながらも、木々の中にしっかりと厳かに佇んでいました。火之御子社は無人なので、御朱印は宝光社か中社でいただくことになります。御朱印帳をお持ちの方はご注意ください。

Photo by Symco in September 8, 2018
中社と宝光社の間にあるのですが、近くにバス停がないため、バスで移動する方はどちらかから歩いて向かう必要があります。入り口が目立ちにくいので、看板を見落とさないようにしましょう。

Photo by Symco in September 8, 2018
宝光社
一番麓に近いところに位置しているのが宝光社です。現在の拝殿は1861年に建てられたものだそうで、拝殿自体は戸隠神社五社の中で一番古い建物ということになります。
神仏混淆の面影が残る拝殿であることからも人気があり、また刻まれた彫刻の繊細さも見どころの一つとなっています。

拝殿までは274段ある長い階段を登る必要があるのですが、この階段がかなり急でした。私が行ったときは雨が降った後だったこともあり滑りやすくなっていたので、くれぐれもお気を付けください。

戸隠神社へのアクセス
戸隠神社は主要な鉄道駅からは離れているため、バスや車を利用していくことになります。
路線バスの場合
長野駅前の7番バス乗り場車からアルピコ交通バス「ループ橋経由戸隠高原行」に乗り、約1時間。
降車駅:
宝光社まで→戸隠宝光社前下車
中社まで→戸隠中社前下車
奥社・九頭龍社まで→戸隠奥社下車
(火之御子社はすぐ近くにバス停がないので、宝光社から徒歩で向かうのが一番近いです。)
チケット:
7番バス乗り場すぐ近くのアルピコ交通バス窓口(青い看板が目印!)で購入可能です。
複数の社を回りたい方は区間内で乗降自由になるフリー切符の購入がオススメです。
注意事項:
※冬場は戸隠奥社までバスが行かないので、中社から徒歩かタクシーで移動が必要です。
※車内にトイレはないので、事前に済ませましょう。
※長野駅前7番バス乗り場は、ロータリーから少し外れたところにあります。(ドン・キホーテの前)
車の場合
上信越自動車道長野インター、または信濃町インターで降りて向かいましょう。五社とも県道36号沿いにあるのでアクセスしやすいです。
駐車場:
宝光社→20台ほど
火之御子社→3台ほど
中社まで→100台ほど
奥社・九頭龍社→参道入り口に200台ほど
神秘のパワースポット戸隠へぜひ一度
これまでもパワースポットと呼ばれる場所へ行ったことはありましたが、戸隠神社 五社はその雰囲気が別格でした。パワースポット巡りが好きな方はもちろんのこと、日常生活からちょっと外れてリフレッシュしたいなぁという方にもオススメの場所です。
写真や文字だけでは伝えられない神秘のパワーを感じに、ぜひ戸隠神社へ行ってみてください!

横浜生まれ横浜育ちのはまっこ100%。現在はサラリーマンの街にある会社になんとな~く勤務中。浮世を離れて、旅に出るのが生きる楽しみ。相棒のカメラを背負って世界中、日本中どこへでも気の向くままに放浪します。座右の銘は「人生は旅あるのみ」。