東京から日帰りアクセス!「日光東照宮」の歴史と見どころ【世界遺産】

東京から2時間半と、日帰りできるほどアクセスのいい日光。

その日光を代表する観光地といえば日光東照宮ですが、3匹の猿などで有名なものの、その背景や歴史などをご存じない方も多いのではないでしょうか?

今回は、そもそも日光東照宮とは?と思う方へ、歴史や見どころをご紹介したいと思います。

世界遺産・日光東照宮は、徳川家康が江戸の平和を見守ろうと建立した神社

日光東照宮は、栃木県日光市にある神社です。

周辺にある

  • 日光二荒山神社
  • 日光山輪王寺

といったいくつかの建造物とあわせて、世界文化遺産に登録されています。

日光東照宮とゆかりのある人物、徳川家康って誰?

日光東照宮を語るうえで、必ず出てくるのが徳川家康という名前。どのように日光東照宮と関わっている人物なのでしょうか。

徳川家康は1543年~1616年まで実在した人物で、初代江戸幕府の征夷大将軍となった武将です。将軍として、日本の最高権力を得て時代を切り開いた人物ということですね。

そもそも日光東照宮の正式名称は「東照宮」で、これは徳川家康を神格化した神社につく名前です。

実は、日本国内には3つの「東照宮」という名のつく神社が存在します。わかりやすく区別するために地名+東照宮で呼ぶことが通例となっています。

日光東照宮は、徳川家康を神としてまつっている神社。

徳川家康は遺言において、

  • 遺体を駿河の久能山に葬ること(静岡県)
  • 葬儀を江戸の増上寺で執り行うこと(東京都)
  • 死後一周忌を過ぎてから、日光山にて神としてたてまつること(栃木県)

と、残しています。

神道は日本に起源がある多神教の宗教です。

徳川家康は、死後「東照大権現」として、今もなお多くの人々に信仰されているのです。

江戸の真北から、死後も江戸の平和を見守ろうとした

では、徳川家康はどうして日光に墓をたてたのでしょうか。

実は、日光東照宮のある栃木県日光市は、江戸からちょうど真北に位置しています。それこそが、家康が日光を選んだ理由ではないかとされています。

南向きに鎮座する将軍にとって、背後に位置する神(=家康)と一体となって政権を維持する、という意味合いがあったものと考えられています。

家康は、死後も江戸の平和を見守ろうとしたのです。

一番の見どころは、平成の大修理を終えた陽明門!

こちらが、見どころの一つである陽明門です。

Photo by Ray in Manila – Yomeimon (Gate of Sunlight), Nikko Tosho-gu

外観の装飾がとても豪華ですね。

国宝である陽明門は、2017年3月にリニューアルを終え、4年ぶりに公開されました。

陽明門とは

陽明門は、その豪華な外観から、「日暮れの門」とも呼ばれています。

由来はいくつかありますが、精巧な彫刻がいたるところにあることから、「日暮れ時まで、1日中見ていることができる」ところからとったと言われています。

陽明門はとにかく豪華!

陽明門の修復工事は過去に21回行われています。

2013年からはじまった大規模な工事では、雨風にさらされ変色した装飾を極彩色によみがえらせました。

この「平成の大修理」と呼ばれたリニューアル工事。

総工費はなんと、12億円!

使われた金箔は約24万枚にまで及びます。

自然を歩きながら、豪華な社殿群も楽しむことができる

日光東照宮には、陽明門以外の建造物も多くあります。

自然を見ながら楽しめるため、ぜひ散策してみましょう。

【国の重要文化財】五重塔

入り口のそばにそびえるのがこちら、五重塔です。

五重塔の見どころは、その建築技術です。

  • 巨大な支柱が建物の中央にぶら下がっている
  • 柱が固定されていない

など、一風変わった建築技術。

これらの技術には免震効果があり、地震の揺れがきても柔軟に形を変え、崩れることなく元に戻ることができるのです。

実は、2012年に開業した東京スカイツリーにも、これらの技術が取り入れられています。

スカイツリーの高さは、人口建造物として世界第2位を誇る634メートル。

時を超え、日本を誇る建造物に昔の技術が取り入れられているなんて、すごいですよね。

現地では、実際に固定されていない支柱を見ることもできます。

三神庫

続いてご紹介するのが、三神庫です。

三神庫では、神様のお道具を保管している倉庫で、

  • 上神庫
  • 中神庫
  • 下神庫

の、3つの建物からなります。

倉庫といえどもそれぞれ装飾が華やかでとても見ごたえがあります。

【国の重要文化財】石段を超えてたどりつく、奥宮宝塔

日光東照宮の敷地を奥深く進むと「奥宮」があり、こちらにも拝殿などの建造物が並んでいます。

特に写真の奥宮宝塔は徳川家康公のお墓とされ、敷地内でもっとも神聖だといわれています。

家康の想い「平和の祈り」を象徴する動物たち

日光東照宮内には、動物の彫刻がいたるところにあります。

それぞれに意味や由来があるため、その中のいくつかをご紹介したいと思います。

三猿の彫刻「見ざる・言わざる・聞かざる」

神厩舎とは神様に使える神馬のための建物のことです。ここには、たくさんの猿の彫刻があります。

お土産などで有名なものは、「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿ですが、実は神厩舎には合計16体の猿の彫刻があります。

これは、人の一生を表したもので、幼少期~青年期~大人期と、人のライフステージごとにあわせたメッセージが込められています。

ちなみに、有名な三猿は子ども時代の人々へ向けたもので、「何でも吸収する幼少期に、悪いものは見ない、言わない、聞かない。綺麗なものを見て育つのがいい」という教えがあります。

大人へ向けたメッセージとしても教訓になりますね。

安らかな表情で見守る「眠り猫」

「眠り猫」とは、東回廊の出入り口に彫られた彫刻のことを指します。

猫とは、元来警戒心が強い動物。

そんな猫を眠った状態で配置することで、「猫が眠っていられるほど平和な世が江戸に続きますように」と願いが込められたものです。

ちなみに、眠り猫の裏には雀の彫刻もあります。

雀は猫を敵対視している動物ですが、眠り猫の裏に雀を配置することで、「猫を天敵とする雀が恐がらないくらいに平和」という様子を強調するものとなります。

アクセス・施設情報

最後に、日光東照宮へのアクセスと、施設情報をご紹介します。

日光東照宮へのアクセス

日光東照宮へは、電車・車のどちらでもアクセスできます。

東京からの所要時間は2時間~2時間半程度なため、日帰りすることも可能です。

  • 電車の場合:JR日光駅 または 東武日光駅からバス10分(徒歩30分)
  • 車の場合:「東照宮大駐車場」が利用可能です。

東照宮からJR日光駅・東武日光駅までの道のりには、

  • 日光目物である「ゆば」を食べられる飲食店
  • カステラや羊羹などのお土産屋

などのお店も並んでいるので、時間があれば周辺散策もおすすめです。

日光東照宮の施設情報(2018年9月現在)

営業時間

  • 4月1日 ~ 10月31日:8:00~17:00
  • 11月1日 ~ 3月31日:8:00~16:00

※受付は閉門30分前まで

拝観料

  • 大人1,300円
  • 小・中学生450円

まとめ:世界遺産・日光東照宮は見ごたえのある建造物が多くあり、1日中楽しめるスポット!

今回ご紹介した、日光東照宮についてのまとめです。

  • 日光東照宮は、徳川家康が死後も江戸の平和を見守ろうと建立した神社
  • 豪華絢爛な陽明門は、日光東照宮を代表する建造物
  • 自然を散策しながらたくさんの重要文化財を拝観できる
  • 動物の彫刻は、徳川家康の願った「平和」の象徴
  • 東京からは日帰りでアクセスできる

日光東照宮は、国の重要文化財が多くあり、1日中楽しめるスポットです。

ぜひ東京から足を伸ばし、歴史に触れる旅をお楽しみください。