青森県にある十和田市現代美術館は、草間彌生や世界的に有名な現代アーティストの常設作品が充実しています。
私は旅行するときは必ず、美術館やアートスポットを探しているほど、アートが大好きです。
十和田市現代美術館を訪れたときは、ここがアートの拠点になって、十和田を活性化させていることがよく分かりました。
今回は、その一躍を担っている有名な常設作品を中心にご紹介していきます。
こちらの動画で、十和田市現代美術館の様子を紹介しています。
Contents
常設作品の一部を紹介
十和田市現代美術館では、作品は開放的な明るい場所に展示されています。
建物の廊下、庭、屋上など「これも作品だったの?」という場所で作品を体感できます。
企画展も定期的に開かれていますが、今回は常設作品(38点)の一部をご紹介していきます。
チェ・ジョンファ《フラワー・ホース》
まず美術館の正面に、高さ5.5メートルの花で覆われた馬が現れます。
美術館に面した通り「官庁街通り」には、戦前、旧陸軍の軍馬補充部があって、馬とは親しみがある地域です。
そこで、チェ・ジョンファは馬をモチーフに決めました。官庁街通りは「日本の道100選」でも選ばれている、桜並木が綺麗な道で、花の馬と桜を重ね合わせたかったと言っています。
桜の時期は、見物客で大にぎわいです。カラフルな馬が、白い建物に映えていて十和田市現代美術館のシンボルになっています。
国際的に活躍しているチェ・ジョンファの他の作品には、花で覆われている木や、フルーツで覆われている木もあります。
ジム・ランビー《ゾボップ》
この美術館では、体験型のアートをテーマとしているので、チケットカウンターの床が、いきなりインスタレーションになっています。
いろんな色と太さのビニールテープが、まるで生き物のように床をはっています。
ここに立つだけで、美術館に入る前ですが、わくわくしてきます。ガラス越しに外からでも見えるので、今まで美術に興味がなかった人でも気軽に入ってみたくなります。
フェデリコ・エレーロ《ミラー》
屋上に出ると、パッと青い色の床が広がります。「十和田市の青い空を描きたかった」とフェデリコ・エレーロが言っているように、不思議と空を見上げたくなります。
床には、目のモチーフがたくさん描かれていて、じっと見つめてしまいます。
屋上に続く階段も、フェデリコ・エレーロの《ウォール・ペインティング》という作品でカラフルに塗り上がっています。
奈良美智《夜露死苦ガール2012》
建物の側面に大きく描かれているのは、青森県出身の奈良美智(ならよしとも)による《夜露死苦ガール2012》です。
目は強気だけど、まだまだ無垢で可愛らしい少女のように見えます。
草間彌生《愛はとこしえ十和田でうたう》
道の反対側にあるアート広場では、草間彌生の《愛はとこしえ十和田でうたう》に出会えます。
カボチャ、犬、少女、キノコなど8つの立体作品が並んでいます。床も水玉になっているので、自分も草間彌生の作品の中に入り込んだみたいです。
アート広場は公園になっていて、誰でも無料で入れます。
建築について
十和田市は、十和田湖町と十和田市で合併をしたところです。合併によって建物やビルがいくつか移転し、空き地ができました。
そこで、アートの力を使って活性化させようとしたのがこの美術館の始まりです。
美術館に面した通り「官庁街通り」全体を美術館に見立てるという計画なので、屋外展示と室内展示は同じくらいの重要度で考えられている点が面白いです。
設計者は西沢立衛 (にしざわりゅうえ)です。有名な作品には、妹島和世(せじま かずよ)とSANAA(サナア)として共同設計した金沢21世紀美術館があります。
展示室を「アートのための家」とみなし、それを開放的なガラスの廊下でつないでいます。美術館の中を歩きながらも、屋外空間と一体になることができるのです。
建物は、大小の大きさをもつ分散型で配置されていて、周囲の景観にも配慮されています。
冬のお楽しみは、イルミネーション
こちらの動画でイルミネーションの様子を紹介しています。
冬の期間は、アート広場に光の絨毯が現れます。約30万球のLEDを使った、幻想的な青色の世界になります。
2018年の場合は、12月7日〜2019年2月24日まで開催しています。
休憩するなら「cube cafe&shop」
カフェは、高さ9メートルの吹き抜けがあるスペースで、ここの床も作品になっています。
軽食メニューは、ビーフシチュー、パスタ、クロワッサンドッグとたくさんの中から選べます。
デザートは、アップルパイ、ソフトジェラートなどがあります。アップルパイは十和田富士屋ホテルのもので、甘さ抑えめの老舗の味です。
カフェではどれも地元の食材を使っているのが嬉しいですね。
ドリンクの一部は、「常設展と企画展」のチケットを提示すると1枚につき50円引きになります。
ショップでは、草間彌生の水玉グッズをはじめとするミュージアムグッズや書籍が並んでいます。地元の手作り作品もあるので、お土産探しに立ち寄ってみては。
合わせて見たい周辺の自然スポット「奥入瀬渓流」
十和田市にはマイナスイオンにあふれる奥入瀬渓流があります。車で30分くらいの距離です。
番外編 〜奥入瀬渓流ホテル〜
十和田市にあり、アート好きに外せないのが「奥入瀬渓流ホテル」です。
こちらのラウンジには、岡本太郎の作品「森の神話」があります。
これは巨大な暖炉になっていて、背景には奥入瀬渓流の森が広がっています。ここに来て岡本太郎の作品に会えるなんて感動です。
こちらの動画でホテルの様子を紹介しています。
アクセス・利用案内
駐車場
美術館専用駐車場:10台
十和田市西二番町駐車場:美術館入館者には、無料駐車券の配布あり
バス
JR七戸十和田駅から十和田観光電鉄バスに乗って、「十和田市現代美術館前」で降ります。JR八戸駅、JR青森駅からもバスで行くことができます。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
施設情報
≪開館時間≫
美術館:9:00~17:00(最終入館 16:30)
cube cafe&shop:9:00~17:00(カフェのラストオーダー 16:30)
≪休館日≫
月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)、年末年始
(イベントや工事、メンテナンス等で臨時休館する場合がありますので、公式ホームページをご確認ください)
≪観覧料≫
<大人>
・お得なセット券1200円(企画展+常設展)
・企画展800円
・常設展510円
<高校生以下>
・無料
≪電話≫
0176-20-1127
≪ホームページ≫
十和田市現代美術館 公式ホームページ
2017年10月より、常設展有料エリアでの写真撮影が一部の作品を除いて、撮影可能になりました。
まとめ
今回ご紹介した「十和田市現代美術館」についてのまとめです。
- 美術館の外にも常設作品がたくさんある
- 冬はイルミネーションも楽しめる
- カフェでは、軽食からデザートまでメニューが充実している
- 周辺の自然スポット、奥入瀬渓流にも行ける
- アート好きは、奥入瀬渓流ホテルに泊まる
青森県を訪れるなら、アートと自然にあふれた、十和田エリアを目指しましょう。
三井華(みい はな)です。旅行と美術が趣味の30代女性です。旅行のプランを考えるときが一番楽しいし集中力が上がっています。どうぞよろしくお願いします。