大仏さまも歓迎します。ようこそ奈良公園へ!!

奈良東大寺大仏
奈良東大寺大仏
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

2018(平成30)年4月20日、神奈川県箱根町在住の旅好き人間である私・加藤学は、実に37年ぶりに古都・奈良の地に立ちました。

1981(昭和56)年のちょうど今頃、小学校6年生だった私は修学旅行で京都~奈良を訪れ、36年が経った昨年末、48歳となって京都を訪れます。そして年が変わった今回、「あの修学旅行の続き」を実現すべく、京都からさらに足を延ばしてここ奈良にやって来たのです。

37年前の記憶をたどってみると、私たち小学校一行は奈良公園のすぐ目の前、ほんの少し歩けば興福寺と猿沢池という場所に宿泊し、徒歩とバスで春日大社~二月堂~大仏殿~平城京跡~法隆寺と巡りましたが、今回もその記憶に従ってほぼ同じ場所に宿泊し、「奈良歩き」の拠点としました。

…修学旅行の時は決められた時間の中での団体行動で、何が何だかわからないうちに奈良の各名所を通過したという印象が残っています。でも歳を重ねた今回は、奈良市民の憩いの場でもある奈良公園を中心に、1日目は大仏殿~二月堂~三月堂~正倉院~興福寺、2日目は興福寺~春日大社~若草山と、春の花と新緑あふれる古都・奈良の各名所を、自由に存分に歩きました。

さあ、いっしょに奈良歩きに出かけましょう。大仏さまもお待ちかねです!!!

快晴の古都・奈良は大賑わい

4月20日(金)、小田原駅を8時08分発の新幹線ひかり号で約2時間弱。ほぼ定刻どおりに京都駅に到着後すぐに近鉄京都駅へ移動し、10時27分発の近鉄奈良線急行に乗車。一路奈良へと向かいました。

急行電車に揺られること約45分。下車した近鉄奈良駅から外へ出れば、そこはもう奈良市の東西を結ぶメインストリートの国道369号線「登大路(のぼりおおじ)」。早速、奈良公園へ向かいます。

この日の日本列島は高気圧に覆われて全国的に快晴。各地で夏日が記録される中、ここ奈良も気温がぐんぐん上昇し、4月とはとても思えない夏のような暑さになりました。

賑わう登大路を奈良公園へ向かう。
賑わう登大路を奈良公園へ向かう。
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

普段から多くの人々で賑わう奈良は、絶好の観光日和とあってさらに大賑わい。奈良市のメインストリート沿いの木々は、思わず「わあっ」と声を上げたくなるような美しい新緑に彩られています。

ここ奈良にも海外から多くの人々が訪れ、京都と同じく国際観光都市となりました。快晴の空の下、奈良の街がいっそう活気を帯びているように見えますね。

看板などの案内に従って奈良公園へ向かって進みます。すると…

奈良が誇る鹿と早くもご対面

歩いて5分も経たないうちに現れました。奈良と言えば大仏さま、そして「鹿(シカ)」です。

人々に食べ物をねだる鹿、お目当ては「シカせんべい」。
人々に食べ物をねだる鹿、お目当ては「シカせんべい」。
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

鹿はもう「奈良市民」としてすっかり定着しました。そのせいか、ほとんど人を恐れることがありません。

車の通る道路を平気で歩いていたり
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018
ベビーカーに近づいて来たりします
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

車の通る道路を平気で歩いていたり、ベビーカーに近づいて来たりします。

鹿に食べさせていいのは「シカせんべい」だけ、それ以外のものは食べさせないでください。

普段、鹿は公園の芝(シバ)や、ドングリなどの木の実を食べていますが、お菓子や野菜などを食べると、お腹をこわし体調を崩してしまいます。

またうっかりしていると、お弁当や荷物を鹿に奪い取られてしまいますので、充分気を付けましょう!!

いつの間にかそこは奈良公園…

奈良県庁を左に、鹿に気を取られながら歩いていると、突然、美しい景色が広がっていました。

奈良公園の鹿とサクラの2ショット
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

目の前に開けた明るい広場は「登大路園地」で、もうここは奈良公園の一角です。

既にサクラは咲き終わっているとばかり思いきや、まだ「八重桜」があちこちに咲き残っていました。

奈良公園の鹿とサクラの2ショット…私がこの旅の前から思い描いていた名シーンが実現しました!!

シカせんべい
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

シカせんべいが飛ぶように売れます。 (1包150円)  

すぐに食べさせて
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

シカせんべいは買ったらすぐに食べさせてあげましょう。

待たせると鹿がイライラして人に危害を加えることがあるためです。

奈良公園の誕生日は「2月14日💛」

奈良公園は正式名称を「奈良県立都市公園・奈良公園」と呼び、1880(明治13)年2月14日に開園しました。

公園には興福寺、東大寺、春日大社、奈良国立博物館、若草山方面も含まれ、その総面積は実に660ヘクタール、東西約4km、南北約2kmに及びます。(公園面積に含まれない場所もあります)

年間の来訪者数は約1300万人にも上り、奈良の人気の高さを証明していると言えるでしょう。

時間の決められた寺社仏閣や博物館、店舗以外は24時間閉鎖されることもなく、ほとんどどこからでも立ち入れますが、鹿をはじめとした多くの野生動物が生息しているので、夜間の立ち入りは避けましょう。

奈良公園内「浮雲園地」付近。向こうに東大寺大仏殿
奈良公園内「浮雲園地」付近。向こうに東大寺大仏殿
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

国宝や世界遺産に登録された歴史ある建物、それにまつわる博物館や施設が多く存在しており、年間を通じて数々のイベントが各所で開催されるため、訪れればあっと言う間に時間が経過してしまいます。

ところで、みなさん既にお気付きかと思いますが…

奈良公園の誕生した日は2月14日、つまり「バレンタインデー」です。

奈良公園では毎年2月8日頃から夜、主な寺院や神社を、幻想的な瑠璃色のイルミネーションでつなぐ「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」というイベントが行われ、最終日となる14日夜には、「奈良公園バースデー花火」が行われます。下記に今年のYoutube動画がありますのでご覧ください。
(動画引用…plum1853様  9分46秒)

奈良の夜空を彩る冬の花火、愛する人と共に最高のバレンタインデーになるでしょう!!

修学旅行生で賑わう東大寺へ

登大路園地からは「登大路地下歩道」を通って、東大寺へ向かいます。

鹿の飛び出し注意を呼びかける標識
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

鹿の飛び出し注意を呼びかける標識。いかにも奈良らしいですね。

「せんとくん」(奥村記念館前にて)
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

いました!!! 「せんとくん」(奥村記念館前にて)

奈良県のマスコットキャラクターとして有名です。

奥村記念館」は、総合建設会社「奥村組」の創業者で奈良県香芝市出身の奥村太平初代社長に因み、2007(平成19)年に創業100周年を記念してオープンしました。

奥村組の歴史や技術が様々な写真や資料で紹介されていると同時に、館のご好意で観光客の休憩スペースとして無料開放されています。

奈良国立博物館を右に見ながら行くと、間もなく東大寺の入口です。大仏殿が見えました。

大仏殿
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

有名な二体の像が立つ巨大門

入口から東大寺へ向かう道はこれまで以上の大賑わい、人の群れをかき分けかき分け進むこと10分近く、

東大寺の玄関口である「南大門(なんだいもん)」に到着します。

国宝に指定されているこの巨大な門は高さ約25m。平安時代の創建ですが、暴風雨によって倒壊し、鎌倉時代の1199(正治元)年に再建されました。

大門(なんだいもん)
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

ここで東大寺(とうだいじ)について簡単にご紹介しましょう。

東大寺は正式名称を「華厳宗大本山 東大寺」と呼びます。

743(天平15)年に、聖武天皇(しょうむてんのう)によって創建されました。広大な境内にはこの南大門、そしてこれから足を運ぶ大仏殿(金堂)、さらには二月堂、三月堂(法華堂)、四月堂、戒壇堂(かいだんどう)、開山堂(かいざんどう)、正倉院などがあり、日本の歴史を学ぶ代表的な名所となっています。

また東大寺が建てられる前の741(天平13)年、仏教をあつく信仰していた聖武天皇は、全国の60箇所以上に国分僧寺(こくぶんそうじ)と国分尼寺(こくぶんにじ)、いわゆる「国分寺(こくぶんじ)」を建て、東大寺をその頂点の「総国分寺」としたのです。

南大門には、東大寺の正式名称に因む「大華嚴寺」と記された看板が掲げられています。

門の下に立ってみると…

迫力満点の二体の像に力を頂く

日本史の教科書をなつかしく思い出す方も多いでしょう。そう、有名な「木造金剛力士像」です。

阿形(あぎょう)
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

門に向かって左側の像は阿形(あぎょう)と呼ばれ、口を開いています。

門に向かって右側の像は吽形(うんぎょう)と呼ばれ、口を閉じています。

吽形(うんぎょう)
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

奈良時代の仏師である運慶(うんけい)、湛慶(たんけい)、快慶(かいけい)の作とされており、創建は南大門が再建された4年後の1203(建仁3)年で、着工からわずか69日で完成したと伝えられています。

お寺の中に災いや仏敵が入ることを防ぐ「守護神」として入口に立ちはだかっています。

目の前に立ちはだかる大仏殿

南大門に負けないほど大きな朱塗りの「中門」をくぐり、さらに進むと、いよいよ大仏さまの鎮座する「大仏殿(金堂)」に近づきます。拝観受付所で手続きをすませましょう。

大仏殿が、初夏の青空の下、その巨大な姿でデンと立ちはだかります。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

東大寺の中心である大仏殿は、聖武天皇が創建した奈良時代以来2度にわたって火災で焼失し、現在の建物は江戸時代に再建された建物です。高さ約47m、間口約57m、奥行約51mという世界最大級の木造建築、大仏さまを収納するのですから、大きな建物が必要だったことでしょう。

実は東大寺は奈良時代の創建当時はもっと大規模な寺院だったとされており、大仏殿は今より大きく、左右両側には、高さ70mにも及ぶ「七重の塔」があったと伝えられているのです。

ところで、大仏殿の屋根の両側にある、金色に輝く飾り付けは「鴟尾(しび)」と呼ばれています。起源は中国にさかのぼり、お城の屋根にある「鯱鉾(しゃちほこ)」と同じ、「魚が尾を出すその下は水中」であることから、「建物を火災から守る」意味があるとされています。

さあ、お待たせしました。いよいよ大仏さまのお足下へ行きましょう。

奈良の大仏さま…

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

実に37年ぶりの大仏さまとの再会…ただ感激です。

私はふと、小学校の卒業式の時に合唱した「呼びかけの言葉」を思い出しました。

初めて行った、修学旅行

大仏の大きさに、びっくりした

大きな顔が、とても優しかった…

…小学生から大人になって歳を重ね、社会へ出て、世を渡り歩き、いいこともそうでないことも経験して、多少心も汚れてしまった気がします。

「大仏さまと再会するのは修学旅行の時以来、何十年ぶりだろうか」という方も多いでしょう。でも、どれだけ年齢を重ねてもどれだけ人生を重ねても、やはり人は大仏さまの大きさにびっくりし、その優しい眼差しに心を洗われるのですね。

大仏さまの本名に感じる歴史ロマン

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

奈良の大仏…正式名称を「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」と呼びます。

奈良時代、世の中は地震などの自然災害が何度もおきた上、「天然痘(てんねんとう)」という熱病が流行して、多くの人々が苦しみながら死んでゆく時代でした。

そのような世の中の平和と安泰を祈願する聖武天皇の命により、大仏さまは745(天平17)年に制作が開始され、752(天平勝宝4)年に7年をかけて完成し、大仏さまに目を入れ、同時に魂を入れる「開眼供養会(かいげんくようえ)」という儀式が、インドのお坊様によって行われました。

人々に信仰されていた行基(ぎょうき)というお坊様の指導のもと、中国や朝鮮半島といった海外の国々から技術者を呼び寄せて、建設工事が行われたのです。

大仏さまのその大きさは、高さ約15m、台座の周囲が実に約70mにも及びます。

大仏さまの完成までにかかった総工費は、現在の金額で実に約4657億円とされ、工事に関わった人は約260万人にも及ぶと伝えられています。

私は個人的に、この「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」という名がとても好きです。

遠い歴史と世界のロマンあふれる名だと思いませんか!?

大仏さまを囲む4体の大型像

大仏殿の中には、大仏さまの他に4体の大きな像があります。いずれの像も脇侍(きょうじ)と呼ばれ、大仏さまを四方から守っているかのように、その存在感を示しておられます。

虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)像 

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

大仏さまに向かって左側に位置し国の重要文化財。

智慧(ちえ)を授けてくださると伝えられています。

如意輪観音菩薩(にょいりんかんのんぼさつ)像

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

大仏さまに向かって右側に位置し国の重要文化財。

庶民に「財宝」を授けてくださると伝えられています。

広目天(こうもくてん)像

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

大仏さまに向かって左後方に位置し、厳しくも広い目で世を見渡し、悪を討って民衆を救うと伝えられます。

多聞天(たもんてん)像

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

大仏さまに向かって右後方に位置し、いわゆる「毘沙門天(びしゃもんてん)」として有名です。

広目天、多聞天と、持国天(じこくてん)、増長天(ぞうじょうてん)は、仏教を守る4人の神様として「四天王(してんのう)」と呼ばれていますが、持国天像と増長天像は未完成で、頭部だけが大仏殿内に置かれています。

合わせて6体の仏様、神様の優しく勇ましいお姿をぜひご覧ください!!

穴の開いた柱と大仏さまの手の形

大仏さまに向かって右後方、多聞天像が立つ近くに、大きな穴の開いた太い柱があります。

東大寺
Photo by *0* PrincessCCCC – 東大寺

この柱に開いた穴は「大仏さまの鼻の穴と同じ大きさ」と言われています。

柱のある場所は大仏殿内の「北東」の方角に当たります。北東は昔から「陰陽道(おんみょうどう)」と言って、「鬼が出入りする」として忌み嫌われており、この方角に穴を開けることで「邪気を外へ出す」意味があるのです。

今では「東大寺の柱くぐり」として有名になっており、この穴をくぐると「無病息災」の他、「願い事がかなう」「頭が良くなる」などと、ご利益が諸説伝えられているようです。

ぜひお試しを…と言いたいところですが、メタボ気味の方にはちょっと無理かも…

奈良の大仏さまは、右手のてのひらをかざし、左手を膝に置きてのひらを上に向けるという独特のお姿をしていますね。この両手の形には、実は意味があるのです。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

右手の形は「施無畏印(せむいいん)」と呼ばれ、人々に「怖がることはない」と説いているのです。

左手の形は「与願印(よがんいん)」と呼ばれ、人々に「話を聞こうではないか」と伝えているのです。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

改めて大仏さまの優しさ、温かさを感じますね。

猛火が奈良に春の訪れを告げる

大仏殿で20分余りもの時を過ごし、名残惜しくも次の目的地「東大寺二月堂」へ向かいます。

美しい新緑の森の坂道を進むこと約10分、最後はやや急な階段を上りきると開けた場所、左へさらに進めば三月堂(法華堂)、そして右上に新緑の山を背にした大きな建物、二月堂(にがつどう)が姿を現します。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

二月堂には、ご本尊の「十一面観音」という禁断の像が2体保存されています。

この十一面観音の前で、人々が日々犯している様々な過ちを悔い改める「修二会(しゅにえ)」という行事が、毎年3月1日から14日まで行われます。江戸時代までは旧暦の2月1日から15日まで、この建物で行われていたことが「二月堂」そして「修二会」の名の由来になりました。

前年末にこの修二会を担当する「練行衆(れんぎょうしゅう)」という11名のお坊様が決定し、明けて2月に「別火(べっか)」と呼ばれる前行(ぜんぎょう)が行われ、3月1日からの本行(ほんぎょう)に入ります。

そして圧巻は3月12日の深夜、若狭国(福井県)から送られて来るという「お香水(こうずい)」を十一面観音にお供えするために、二月堂下の井戸から汲み上げる「お水取り」の行事。

この任務を行う練行衆の手元や足元を照らすため、炎を上げて燃えさかる大きな「お松明(たいまつ)」を持ったお坊様が、二月堂の二階部分に当たる「舞台」を走り、大量の火の粉が飛び散ります下記にYoutube動画がありますのでご覧ください。
(動画引用…朝日新聞社・asahi.com「古都に春呼ぶたいまつ、東大寺で『お水取り』」2011/03/01公開)より、1分00秒

東大寺の創建当時から、時代や政権がどれだけ変わっても、1267年間一度も中止されることなく続けられた「修二会」。

東大寺がこの世にある限り続くと言われています。

二月堂舞台からしばし奈良の風景を…

二月堂に向かって右下の急な階段を上ると、そこは「舞台」。ここからはすぐ正面に大仏殿が、その後ろには奈良市の大らかな風景が、はるか向こうの生駒山(いこまやま・標高642m)まで広がっています。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

二月堂を出て左へ進むと、間もなく三月堂(さんがつどう)があります。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

三月堂は別名「法華堂(ほっけどう)」と呼び、東大寺の中では最も古い建築物です。

堂内には、ご本尊の「不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)像」を中心に、正面に「金剛力士像(阿形、吽形)」、左右に「梵天(ぼんてん)像」「帝釈天(たいしゃくてん)像」、さらに四隅に仏教を守る「四天王像(広目天、多聞天、持国天、増長天)」の9体の像と、12月16日にしか公開されない「執金剛神(しゅこんごうじん)像」が、厳かな空気を張りつめさせています。

毎年3月に仏教の法華経を説く「法華会(ほっけえ)」が行われたことが名の由来です。

森林浴をしながら正倉院へ

今日は本当に良い天気、絶好の観光日和!!

歴史あふれる奈良の森は新緑に包まれ、神々しいまでの美しさ。森の中を、次の目的地「正倉院」へ向かいます。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

鹿もいっしょに森林浴…

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

亡き帝への皇后の想い

二月堂を後に森を抜け、再び目前に現れた大仏殿の東側を進み、裏手へ回ってさらに進むこと約5分。正倉院に到着しました。

大仏殿の賑やかさが嘘のような静けさです。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

みなさん、ここも日本史の教科書で見たことがありますね。

正倉院(しょうそういん)は、聖武天皇が亡くなり悲しみに打ちひしがれていた光明皇后(こうみょうこうごう)が、

帝(みかど)の愛用された品をすべて、盧舎那仏をはじめとする御仏(みほとけ)のもとに捧げたい

という願いから、品の数々を収納したのが始まりとされています。

その後、唐(中国)やペルシャからの輸入品や、刀剣、漆器、ガラス器、楽器などが、国際色豊かに実に9000点以上もここに保管されるようになりました。

木材を巧みに重ね合わせた「校倉造(あぜくらづくり)」という独特の構造で、保管されている貴重品を湿気や乾燥から守っているとされており、地面から床までの高さは約2.5m。1997(平成9)年には「国宝」に指定され、翌1998(平成10)年には「世界文化遺産」に登録されています。

聖武天皇の魂と、天皇を慕う皇后の想いが、数多くの品と共に静かに眠っているのでしょう。

お二人の眠りが永遠に静かに安らかでありますように…。

あの有名な「美男子像」はこのお寺に…

それにしても今日は本当に暑い!! 熱中症にならないよう、水分をとって、ソフトクリームを食べて、休憩して歩きます。

今夜宿泊する宿は興福寺と猿沢池の近く、時間もいつしか14時30分近くなってきたので、そろそろ興福寺へ向かいましょう。…正倉院を後に今来た道を戻り、相も変わらず大賑わいの大仏殿前から南大門を抜け、東大寺の境内から出るとそこは再び「登大路」。左に奈良国立博物館を見ながら、人と鹿の混合の中、やがて左へ「興福寺北参道」に入ると、ほどなくして東金堂(とうこんどう)と五重塔が聳え立つ境内に入ります。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

「法相宗大本山 興福寺(こうふくじ)」は669(天智天皇8)年に創建されました。

東金堂や五重塔、国宝館など10以上の建築物があります。五重塔はまさに奈良市のランドマーク的存在。高さ約50mは、日本の木造五重塔では京都市の東寺(とうじ・高さ約55m)に次ぐ第2位です。

この興福寺国宝館には、「阿修羅像(あしゅらぞう)」が保存されています。

そう!! 美男子の顔が3方向を向き、6本の腕を合掌させ伸ばした、あの有名な像です!!

興福寺では現在、火災で焼失した「中金堂(ちゅうこんどう)」を再建するなど、「奈良時代の創建当時の興福寺を再現させよう」という事業が進められています。

興福寺五重塔が見守る今夜の宿

興福寺でしばしの時を過ごした後、今夜宿泊する「古都奈良の宿 飛鳥荘(あすかそう)」さんに、15時ちょうどに到着します。場所は興福寺と猿沢池のまさに目と鼻の先。

古(いにしえ)の都の、高級感あふれる深いおもてなしに感動しました。

Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

部屋からの眺め

若草山
明日登る若草山
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018
夕暮れの興福寺五重塔
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

興福寺五重塔は夜10時頃まで、静かにライトアップされています。

朝の景色を映す鏡のような池

明けて4月21日(土)。今日も快晴、暑くなりそうです。

今日は若草山へ登る予定を察した旅館の方が、荷物を預かってくださいました。ありがとうございます!!

午前9時過ぎに旅館を出発。まずはすぐ目の前の猿沢池に足を運びましょう。 池の水面には湖畔のクスノキの木立ちが鏡のように映し出されています。 

猿沢池(さるさわのいけ)
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

猿沢池(さるさわのいけ)は周囲約360m。

「澄まず 濁らず 出ず 入らず 蛙はわかず 藻は生えず 魚が七分に水三分」という「七不思議」があると伝えられています。

水鳥のカワウ
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

「水が澄むことも濁ることもない、川は出入りしていない、蛙が増えることも藻が生えることもない、水より魚の方が多い」という不思議な池は、奈良市民の憩いの場。

水鳥のカワウが踊るように羽を広げていました。

鹿が集う若草山麓の大社

猿沢池から興福寺へ向かう「五十二段」という階段を上ると、そこは「三条通り」。東へ進むこと約5分で信号を渡り、大きく聳える「春日大社一の鳥居」に到着しました。ここからは「春日大社表参道」に入ります。

春日大社(かすがたいしゃ)
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

春日大社(かすがたいしゃ)は奈良時代の768(神護景雲2)年に、「中臣氏(なかとみし)」(のちの藤原氏)の氏神様を祀るために創建され、今年2018年で「御創建1250年」を迎えます。

全国に約1000箇所以上ある春日大社の「総本社」とされています。

中臣氏といえば、みなさんは日本の歴史上有名なある出来事を思い出すことでしょう。

そう、中臣鎌足(なかとみのかまたり、のちの藤原鎌足)と、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ、のちの天智天皇)が実行した「大化の改新」です。権力者の曾我氏(そがし)を倒した天智天皇の政権時代に、中臣鎌足の父とされている藤原不比等(ふじわらのふひと)が創建したのが、昨日足を運んだ「興福寺」なのです。

興福寺と春日大社が同じ直線道路上にあるのも納得出来ますね。

鬱蒼(うっそう)とした森の中の表参道を奥へ奥へと進むこと約15分、朱塗りも鮮やかな春日大社本殿に到着します。参道には数多くの石燈籠が立ち並び、大勢の鹿もお出迎えです。

色鮮やかな本殿に藤の花そして鹿

本殿
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

春日大社の境内には、この本殿をはじめ大小60以上にも及ぶ社殿があります。

1998(平成10)年には、世界文化遺産に登録されました。

また、春日大社の紋様には「藤(フジ)の花」が描かれており、周辺にはたくさんの藤が見られ、4月下旬から5月上旬にかけては、一面紫色の満開となります。近くには「萬葉植物園(まんようしょくぶつえん)」があるので見学もおすすめです。

藤(フジ)の花
ちょうど藤の花が満開を迎えていました。
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018
大社の森の鹿たち
大社の森の鹿たち
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

奈良公園の鹿はすべて野生の鹿

ここで昨日から歩き続けて来た奈良公園の鹿(シカ)について、少しふれておきましょう。

現在、奈良公園には約1200頭に及ぶ鹿が生息していますが、これらの鹿は人に飼育されているのではなく、すべて野生の鹿です。

ではなぜ奈良には鹿がいるのか?

それは1200年以上昔に、春日大社が祀る中臣氏の氏神様である「武甕槌命(タケミカヅチノミコト)」が、常陸の国(ひたちのくに、現在の茨城県)の鹿島神宮(かしまじんぐう)から「白い鹿」に乗ってやって来たという伝説から、鹿は「神様のお使い」として保護されてきたからなのです。

大社の森の鹿たち
Photo by Manabu Kato in April 20-21, 2018
野生の鹿
Photo by Manabu Kato in April 20-21, 2018
野生の鹿
Photo by Manabu Kato in April 20-21, 2018

ちなみに鹿島神宮の地元、茨城県鹿嶋市をホームグラウンドとするJリーグチームの「鹿島アントラーズ」のアントラー(Antler)は、英語で「鹿の角」という意味です。

この度新しく出来た注意看板です

注意看板
Photo by Manabu Kato in April 20-21, 2018
注意看板
Photo by Manabu Kato in April 20-21, 2018

鹿は5月から7月の出産期、9月から11月の発情期は気が荒くなるので注意が必要です。

奈良公園の鹿を一生の思い出に…

鹿がたくさんいたなあ」という奈良の思い出と共に持ち帰ることが出来る、鹿をかたどったユニークなおみやげや、実際に見学出来る行事があるので、いくつかご紹介しましょう。

おみやげ「鹿の絵馬」

春日大社で販売されており、鹿の顔を描いたもので、とてもユニークで可愛いですよ。しかも雄と雌の2種類があり、表には目を書いて、裏にお願い事を書いてお祀りします。

奈良産のヒノキを使用して作られた、ここでしか手に入らないオリジナルのものですので、おみやげとして持ち帰ってもいいでしょう。

おみやげ「鹿みくじ」

同じく春日大社には鹿をかたどった「鹿みくじ」があります。

おみくじをくわえたとても可愛らしい鹿の置物で、海外の人々にも大人気。その場でおみくじを開けるのも、おみやげとして持ち帰るのもいいでしょう。

奈良公園
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018
奈良公園
Photo by Manabu Kato in April 20, 2018

突然ですがここで一曲「♪奈良の春日野♫」

ここで、奈良公園を舞台にした歌をご紹介しましょう。

今から53年前の1965(昭和40)年に、女優・吉永小百合さんによって歌われた「奈良の春日野」(作詞…佐伯隆夫、作曲…大野正雄)という歌で、3番あるうちの1番の歌詞が下記のとおりです。

奈良の春日野 青芝に   腰をおろせば鹿のフン  フンフンフーン黒豆や  

フンフンフーン黒豆や  フンフンフンフン黒豆や

「奈良の春日野」というタイトルよりも「鹿のフン」という呼び名の方がなじみ深いこの歌、テレビのバラエティー番組で紹介され有名になったことがあります。(お食事中の方、ごめんなさい)

歌のとおり、奈良公園の芝生の上には広範囲に「鹿の落とし物」がありますので、ご注意ください。

行事「鹿の角切り」

鹿の角切り
Photo by mereco – 159_large

春日大社境内にある「鹿苑(ろくえん)」で毎年10月に行われる、江戸時代に始まった伝統行事です。

勢子(せこ)と呼ばれる人たちが、暴れ回る鹿を「角切り場」へ追い込んで捕獲し、神官が角を切り落とすというスリリングなもので、鹿苑は歓声に包まれます。奈良公園では角を切られた鹿を見かけることがありますが、これはこの行事で角を切られた鹿で、その理由は、鹿同士や、鹿が人間を傷つけないようにするためです。

行事「鹿集め」

毎年夏と冬の時期の1ヶ月間に限り、春日大社境内に広がる「飛火野(とびひの)」という芝生の広場で行われます。

「奈良の鹿愛護会」のみなさんが、ホルンを演奏して鹿を呼び寄せ、集まって来た鹿たちにどんぐりを餌付けします。大勢の鹿たちがホルンの音色に集まって来るその光景は、圧巻の一言でしょう。

下記にYoutube動画がありますのでご覧ください。
(動画引用…朝日新聞社・asahi.com「冬の風物詩、奈良の『鹿寄せ』はじまる」2010/12/01公開)より、0分42秒

さあ、いよいよ若草山へ

ここからいよいよ、今日最大の目的地である「若草山」へ登ります。

若草山の登山口へは、春日大社本殿から表参道を戻り、途中「萬葉植物園」付近から右へ入る道を進むと、「奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA」の前。右折して車道沿いに森の中を進むこと約5分余、「水谷橋(トイレあり)」から左上方へ階段を上ると視界が開け、「入口」と書かれた若草山入山ゲートの「南ゲート」前へ出ます。

南ゲート
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

今日はここから300mほど歩いた場所の「北ゲート」から登ることにします。

鹿接近
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

鹿が近づいて来ました。退避します。

北ゲート
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

ここが北ゲート。

若草山には「入山料」が必要です。(大人150円・小人80円)

入山手続きとトイレをすませ、食べ物と飲み物を買って出発しましょう。(頂上まで約40分)

新緑の奈良は今、春から初夏へ…

北ゲートを出発すると、いきなり急な階段の登りになります。頑張って登りましょう!!

急な階段の登り
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

眼下には、奈良県庁から奈良市街、生駒山の景色が広がります。

良県庁から奈良市街、生駒山の景色
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

燃えるような黄緑色の芝を右に階段を登り切ると、あとは木陰の中のゆるやかな道になります。

思わず歓声を上げたくなるような、若草山の色鮮やかな新緑をご覧ください!!

若草山の色鮮やかな新緑
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

出発してから約20分。茶店のある「若草山一重目」に到着します。

ぜひ休憩してこの絶景を…

広い芝生にベンチのある若草山一重目(いちじゅうめ・標高270m)。奈良の絶景が広がります!!

若草山一重目
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

東大寺大仏殿も眼下に見えます。

東大寺大仏殿
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

冬の夜空を真っ赤に染める炎

一重目からは、頂上へ向かって広くのびやかな登山道が続きます。あわてずゆっくり登っていきましょう。

若草山(わかくさやま・標高342m)は奈良公園の東端に位置し、ほとんど全山が緑の芝に覆われ、その面積は33ヘクタールに及びます。菅笠(すげがさ)のような形の山が3つ重なって見えることから、昔は「三笠山(みかさやま)」と呼ばれていました。

若草山
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018
若草山
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

若草山の名が全国に知られるのは、やはり冬に行われる「若草山山焼き」があるためでしょう。

開催日は基本的に毎年1月の第4土曜日(雨天順延)、夜の闇に包まれた18時30分頃から一斉に点火されます。山の下部から上部にかけて若草山は真っ赤な炎に包まれ、約600発の花火が夜空を彩るその様は、まさに圧巻の一言でしょう。

山焼きは既に鎌倉時代には行われていたとされ、その理由は、春日大社、東大寺、興福寺の神仏が集まり、ご先祖の鎮魂と慰霊を行う「神事」であるなどの説がありますが、同時に病害虫を駆除して山の芝を守る意味もあるのかもしれませんね。

国内外から毎年10万人以上が訪れるという大イベント下記にYoutube動画がありますのでご覧ください。
(動画引用…朝日新聞社・asahi.com「奈良で若草山の山焼き」2010/01/23公開)より、1分00秒

一重目から約10分で標高308mの「若草山二重目(にじゅうめ)」、頂上が見えました!!

若草山二重目
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

百人一首にも詠まれた若草山

二重目から約10分、最後の階段を登ると…11時25分。

標高342mの若草山三重目(さんじゅうめ・頂上)に到着しました!!

頂上の北西側には国の史跡に指定されている「鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)」があり、若草山が古代から存在していたことを示しています。

若草山三重目
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018
若草山三重目
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

快晴の土曜日とあって家族連れで賑わう頂上、ここにも鹿が集まっていました。

若草山三重目
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

これは奈良時代に遣唐使(けんとうし)として唐(中国)へ渡った阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)が、奈良を懐かしんで詠んだ歌です。大空を見れば月が輝く、奈良の春日の若草山にも、今頃月が輝いているのだろうか…

若草山でシカせんべいを飛ばす

昨日に続いて奈良は快晴。この日も全国的に気温が上昇し「真夏日」を記録した地方もありましたが、若草山の風はとても爽やかでした。1時間近く頂上で過ごした後、12時15分頃、下山を始めます。

案内標識
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

登って来た道を下り、15分ほどで再び「若草山一重目」に到着。ここから案内標識に従って左折し、「南ゲート」へ向かってさらに下ります。   

シカせんべい飛ばし大会
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

若草山には「山焼き」の他に、面白いイベントが用意されています。

春休みやゴールデンウイーク、夏休みに行われる「シカせんべい飛ばし大会」です。

20cmほどの大きなシカせんべいを「フリスビー」のように飛ばし、その飛距離を競うという競技で、参加資格や年齢制限は特になし。せんべいを投げるとスタッフが距離を計測に走りますが、もしもその間にそのせんべいを鹿が食べてしまった場合には、「その鹿の右前足まで測定という特別ルール」もあります。

投げたせんべいはそのままにしておいてもやがて鹿が食べてくれるというので、何ともエコロジーで効率的です。

家族全員でも仲間同士でも参加出来るイベントで、優勝者への賞品は「鹿のトロフィー」です。山焼きの日にも「記念大会」として行われますので、ぜひ参加してみましょう!!

頂上から30分足らず、右に再び大仏殿が見えて来ると、「南ゲート」に到着、若草山登山の終点です

南ゲート
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

奈良公園の人気和風カフェ

若草山南ゲートを出て階段を下るとそこは水谷橋。ふと見ると茅葺き屋根の風情あふれる茶店がありました。

和風カフェ「水谷茶屋(みずやちゃや)」さんです。

水谷茶屋(みずやちゃや)
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

ちょうど土曜日の午後とあって満席、汗をかいた体に温かな「山菜うどん」の塩味がしみわたりました

温かい&冷たいうどんに飲み物、ご飯、おにぎり、和風スイーツ、夏季はかき氷等々メニュー豊富です。

海外のみなさんにも大人気、秋に来るとまた違った風情があるでしょうね。今年で創業70年です。

修学旅行
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

今はちょうど修学旅行シーズン、あちこちで学生さんたちの姿を見かけます。

猿沢池へ戻ります。2日間にわたる奈良の旅も、いよいよ終わりに近づいて来ました。

ありがとうございました。またいつか…

昨夜お世話になった「飛鳥荘」さんで、預かって頂いた荷物を受け取ります。

ご親切にも和風スイーツとアイスコーヒーのサービスを頂きました。改めて感じる「おもてなしの心」。

「今度は秋に来たいですね…」笑顔で送ってくださった飛鳥荘のみなさん、ありがとうございました。

Shika deer in Nara park
Photo by coniferconifer – Shika deer in Nara park

秋にはこんな景色が見られるのでしょうか。(5月3日、鹿の赤ちゃん誕生第1号との情報あり)

14時40分、近鉄奈良駅を出発しました。   

近鉄奈良駅
Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

せんとくん、大仏さま、奈良公園、ありがとうございました。また会う日まで!!!

奈良公園2日間の旅まとめ

今回、奈良へ足を運ぶ前に「奈良公園」と聞いて、正直なところ「どこから入るのだろうか…」と考えていました。

しかし、一度奈良へ足を踏み入れればあっと言う間にそこは奈良公園。「奈良公園に向かっている」はずが、いつの間にかその中へ入っていたという…

しかも東大寺も興福寺も春日大社も若草山も「奈良公園」に入っていたとは…。

奈良という名所は知ってはいても、自分がどれだけ勉強不足なのかを思い知らされたものです。でも、考える必要がないうちに自然にその中へ引き込まれていた…それも奈良の魅力なのでしょうか。

…小学校の修学旅行以来37年ぶりの奈良の旅。この四半世紀以上・半世紀近くの間に、20世紀から21世紀へと時代が移り変わると同時に、東大寺が、興福寺が、春日大社が「世界文化遺産」に認定されるなど、奈良はすっかり「世界のNara」へと生まれ変わった感じがあります。

Photo by Manabu Kato in April 21, 2018

そのような時代の大きな変化の中でも私が目にしたのは、力強く立ち続ける金剛力士像、1260年以上も人々から信仰される大仏さま、1267年間一度も中止なく行事を続ける二月堂、天皇と皇后の想いが詰まった正倉院、幸運にも記念の年を迎えていた春日大社、創建当時の再現を目指す興福寺、神様の使いとされる鹿…古代から受け継がれた歴史の香りはいつまでも変わることはない、懐かしく美しい奈良の姿でした。

最後に、日本神話に登場する伝説の英雄「倭建命(ヤマトタケルノミコト)」が詠んだ歌をご紹介しましょう。

倭は国のまほろば たたなづく 青垣山ごもれる 倭し 美し

(倭…奈良はいい所だ。青い垣根のようにつづく山並みの倭の国、ああ美しい…)

インフォメーション

奈良公園マップ

今回、私が歩いたコースを紹介します

【1日目】(見学時間、休憩時間、昼食時間等は省く)

近鉄奈良駅(登大路・7分)興福寺北参道入口(登大路・2分)登大路園地(5分)奥村記念館前(10分)東大寺南大門(5分)大仏殿拝観受付所(3分)大仏殿(15分)二月堂(2分)三月堂(20分)正倉院(15分)東大寺南大門(10分)奥村記念館前(5分)登大路園地(登大路・2分)興福寺北参道入口(2分)興福寺(2分)猿沢池(2分)古都奈良の宿飛鳥荘

【2日目】(見学時間、休憩時間、昼食時間等は省く)

古都奈良の宿飛鳥荘(2分)猿沢池(2分)興福寺(三条通り・5分)春日大社一の鳥居(表参道・15分)春日大社本殿(表参道・5分)萬葉植物園前(5分)奈良春日野国際フォーラム前(3分)若草山南ゲート前(5分)若草山北ゲート(20分)若草山一重目(10分)若草山二重目(10分)若草山三重目(15分)若草山一重目(15分)若草山南ゲート(2分)水谷茶屋(10分)奈良国立博物館前(表参道・5分)春日大社一の鳥居(三条通り・5分)猿沢池(2分)古都奈良の宿飛鳥荘(4分)興福寺(2分)興福寺北参道入口(登大路・7分)近鉄奈良駅

最後に、私が宿泊した旅館です。

古都奈良の宿・飛鳥荘

アクセス

興福寺から南へ「三条通り」を渡り「五十二段」を下って、
猿沢池を右に見ながら通りを南進、約2分。

電話

0742-26-2538

Web Site

http://www.asukasou.com