「ねこ科展」で分かる「芸術の森美術館」の魅力 自然とアートのコラボを楽しむ

Photo by ohshima2520 in 17. May. 6

この記事では、「札幌市芸術の森美術館」と、そこで開催された「岩合光昭写真展 THE CATSねこ科」の魅力をご紹介します。

自然の中に佇む屋内外一体型ミュージアム「芸術の森美術館」の特長と魅力を、2017年に開かれた「岩合光昭 ねこ科」展、通称「ねこ展」の説明を交えて解説します。

「芸術の森美術館」とは?

「芸術の森美術館」は、札幌市郊外「真駒内(まこまない)」の山の麓にたたずむ、「野外」・「屋内」一体型の広々としたミュージアムです。

山の斜面に展開する、「札幌芸術の森美術館」、「野外美術館」、「工芸館」など各施設一帯を「芸術の森」と称しています。

その名の通り、自然に囲まれた環境のため「自然観察」と「アート鑑賞」が同時に体験できる、一挙両得なスポットなのです。

岩合光昭氏「ねこ科」展とは?

「ねこ展」のポスター。
Photo by ohshima2520 in 17. May. 6

「岩合光昭写真展 THE CATSねこ科展」、通称「ねこ展」は、2017年に開催された岩合光昭氏の写真展です。

フォトグラファーとして世界中の猫の写真を撮る岩合氏のあらゆる「ネコ科」の写真を屋内外で展示し、可愛らしくたくましい「ねこ」の魅力を伝えていました。

この時、イエネコの他にもライオンやヒョウなど野生の大型ネコ科動物が、まるで「芸術の森」内に生息しているかのような展示の演出がされていました。

施設を観て回ろう① 屋内展示

まずは屋内展示です。屋内施設だけでも、広々と明るい空間のためゆったりとした気分で過ごせます。

「ねこ展」開催時には、「ねこの家」と称し、その空間を利用して大きな写真パネルで岩合氏の作品を紹介。展示された写真から、生き生きと動くネコ科動物の迫力が伝わってきました。

ライオンやトラなど、「大きくて力強い」イメージのねこ達が、家の中でくつろいでいる、そんな雰囲気を演出していました。

施設を観て回ろう② 野外美術館

Photo by ohshima2520 in 17. May. 6

「芸術の森美術館」は、内容によって屋外での展示が演出可能なのが大きな特長です。

「ねこ展」で目玉となったのが、「芸術の森美術館」ならではの野外展示。丘や木立に大型の写真パネルを置いて、まるでねこたちが自然の中で遊んでいるかのような演出をしていました。

写真のように、「ねこの橋」、「ねこの丘」、「ねこの森」と名付けたエリアにパネルを大胆に設置(「ねこの家」は屋内)することで、生の自然とアートが一体化。

こうした「屋外を使った展示・催し物」があるのも、「芸術の森美術館」の特別なポイントなのです。

常設展示は不思議空間? 普段の野外展示も散策しよう

特別展示だけではなく常設展示もまたユニークなものです。

普段の屋外展示は、モニュメントや彫像をそのまま野外に設置した「野外美術館」です。

まるで美術館の建物の中から、作品が森の中にさまよい出たかのような不思議な空間ができています。

敷地をぐるりと一周する散策コースになっており、ちょっとしたフィールドワークが楽しめます。自然の中に溶け込むアートを、一点一点見つけるのは楽しいですよ。

個性的な一品に出会える ミュージアムショップ

ショップで購入した写真集(撮影は自宅にて)。
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さて、作品を堪能したあとは、思い出を持ち帰りたいものです。

ミュージアムショップ「ポレール」なら、帰り際に立ち寄ってお土産品を手にするのに最適。

展覧会ごとに特集を組んで、関連グッズを扱っているのがショップの楽しい点で、「ねこ展」でも写真作品をモチーフにした文房具や写真集を販売していました。

筆者の体験ポイント:「ねこ展」に使われた写真をお家でも!「ねこ展写真集」

購入した写真集。ショップは展示に合わせたグッズが手に入る。
Photo by ohshima2520 in 17. May. 6

筆者はここで、ねこ展の写真集を購入。

ねこ展に実際使用された作品のほかにも、生き生きと鮮明なねこの表情を映した写真が堪能できました。

今でも時々取り出しては、可愛らしいねこの姿に癒されています。

自然に囲まれて美食を堪能 カフェ・レストラン

※2019年2月現在、「畑のはる」、「ラ・フォリア」は改修作業に伴い休業中です。詳細は各HPでご確認ください。

畑のはる休業のお知らせ
http://hatake-no-haru.com/images/20181017.jpg
ラ・フォーリア休業のお知らせ
https://artpark.or.jp/info/201810284373/

広い展示会場を歩き回ったら、美味しいご飯で一休みしたいですよね。

美術館内には2カ所のレストランがあり、しっかりした食事を摂れるビュッフェレストラン「畑のはる」と、スイーツが楽しめる「ラ・フォリア」があります。

特に、「畑のはる」は北海道産食材をふんだんに使っており、野菜が中心の優しい家庭の味で人気。

筆者の体験ポイント:炊きたて玄米が嬉しい!和食ビュッフェ

「ねこ展」訪問当日の昼食に「畑のはる」を利用しました。

和食中心のビュッフェで、おかずがどれも美味しいです。

特に嬉しく思ったのが、炊きたての玄米ご飯。ふっくらしていて香ばしい玄米は、和食のおかずにぴったりでした。

番外編:文学と歴史に触れる「有島武郎旧邸」

さて、ここでは番外編として「有島武郎旧邸」を少しだけ紹介します。

札幌ゆかりの作家「有島武郎」の生い立ちと貴重な原稿の数々が展示され、建物丸ごとが文化遺産として残されています。

大正2年に建てられた邸宅は、白い屋根に赤い壁というとても可愛らしい木造建築で、状態も綺麗なまま残されているので、まるで今にも有島がひょいと顔を出しそうな雰囲気。

小さなカフェコーナーでは、ふくよかな香りのコーヒーが逸品。

ポストカードも販売しているので、文豪気分で絵葉書が出せるかもしれません。

楽しみ方いろいろ ものづくり体験で才能開花?

芸術の森では、見るだけではなく「創作」の楽しみを知ることができます。

子供はもちろん、大人でもたくさん楽しめる「ものづくり」で、自分だけの好きな作品を手作りできるのです。

版画や布の染色、陶芸など、初心者でも本格的な工芸作品が作れます。

カレンダーなどでしっかりスケジュールをチェックしてから、参加しましょう。

月ごと開催 工房での手作り講習会(要予約)

事前に予約をして、じっくりとものづくり体験できるのがこの講習会です。プロのアーティストからの手ほどきを受けて、初心者でも安心して取り組めます。

陶器などは「焼き」が入るため完成までに時間がかかるのですが、出来上がったものは日本全国どこでも作品を送ってもらえるので受け取りも簡単(送料がかかる場合あり)。

自分で作ったものが手元に届く、こんな嬉しいことはありませんね。

思い立ったらすぐアート!「ふらっとクラフト体験」(予約なし)

クラフト工房では、なんと予約なしでもアート体験ができるのです。

器づくりや絵はがきづくりなど、手軽に楽しめる体験がたくさん

美術鑑賞で創作意欲が湧いたら、すぐに取りかかれるコーナーです。遊びに来たついでに、ふらりと立ち寄って作れます。

ただ、講習会とは違い講師がつかないので、「詳しい説明を聞きながらやりたい」と思う時には「予約あり」の講習の方を受けましょう。

「芸術の森」の魅力まとめ

今回は、「芸術の森美術館」と、そのユニークな特性を生かした「ねこ展」の魅力を併せてご紹介しました。

「芸術の森」は屋内でも野外でも楽しめるうえ、手作り体験で創作意欲も満足できるまさしくアートの「森」なのです。

天気の良い日にはピクニック気分で野外散策、雨が降っても館内で展示をじっくり堪能できる美術館に、ぜひ行ってみましょう。