日本にはたくさんの自然があります。
特に世界遺産となっている屋久島や熊野古道などは、その自然の美しさ、雄大さが良く知られていて、訪れたことのある人も多いかと思います。
しかし、日本にはそうした世界的に著名な観光地以外にも、自然が残っている地域があります。
今回ご紹介するのは九州の宮崎県にある都井岬です。
アクセスの問題もあり、まだまだ外国人観光客も少ない地域です。
行くなら今がチャンス!!…ですが、ここはどんな魅力がある観光地なのでしょうか。
都井岬を観光する上で知っておくべきこと…歴史や御崎馬について―
都井岬は宮崎県の串間市にあり、市の中心部から離れた鹿児島県との県境に近いところにあります。
ここがなぜ有名なのか…それは絶景と野生の馬を見ることができるからです。
日本では、馬を見ることができるのは、牧場や、競馬場です。つまり、飼われている馬ですね。
しかし、都井岬ではなんと野生の馬を見ることができます。

この野生の馬は御崎馬と呼ばれます。
これらの馬は、日本在来の馬とされる7種類(北海道和種、木曽馬、御崎馬、対州馬、トカラ馬、都馬、与那国馬)のうちの1種類にあたります。
純粋な日本馬は貴重でもあり、国からは天然記念物に指定されています。
あまり大きいサイズの馬でないのも特徴ですね。
ここで、疑問に思われた方も多いと思います。なぜ都井岬には野生の馬がいるのでしょうか。
この事情は、江戸時代までさかのぼります。
当時、この地域を治めていたのは高鍋藩秋月氏。
この秋月氏は、藩営牧場を設置するため、その場所にこの御崎牧(現在の都井岬)を指定しました。1697(元禄10)年のことです。
目的は軍用馬の飼育で、放牧を始めたんですね。
それから、その御崎牧で300年超にわたり、御崎馬たちは生きてきたわけですが、繁殖を自然に任せているうちに、御崎馬たち自体が半野生化する形となってしまいました。
そうして、今の都井岬の状況が形成されていきました。
現在では、御崎馬は100頭前後生息しているそうです。

そうして自由に過ごす御崎馬たちですが、ここでは本当にリラックスして過ごす姿が観察できます。
例えば道路を堂々と歩く馬。勿論この一頭だけではなく、どの馬も悠々と過ごしています。
観光客の皆さんは車で来られますが、この都井岬では馬は王様であり、主人公です。
道路を歩いていれば、車は彼らに合わせて徐行が必要です。
集団で過ごしている馬もいれば、各々で行動をしている馬も。丘の上にはゆったりと寝転んで休息をとっている馬まで。
時期によっては、春駒と呼ばれる仔馬も見ることができるそうですよ♪

そうした馬たちの姿に加えて、元々の都井岬の絶景。
晴れている日に都井岬に来ると、空の青色と海の青色の2色の青色に包まれた景色を堪能できます。そこに、岬の丘の緑色はすごく映えますね。
ただこの絶景を眺めるには、丘を登っていく必要があるので、その点はやや大変…。
日頃の運動不足のおかげで、筆者は息を切らしながら登り…美しい壮大な景色を眺めることができました。
丘には、下の写真のように美しいお花も咲きます。
自然を満喫、というと山の中や、川のそばなどをイメージしてしまうかもしれませんが、そんな雰囲気とは異なり、きわめてオープンな空間で自然を満喫できるところも、都井岬の特色かもしれません。


ところで、ここで都井岬を訪れる上での注意があります!
- 馬に近づきすぎないこと!触らないこと!
- 餌を与えないこと!ゴミを捨てていくのも勿論ダメです!
馬に近づくのはやめてください。かわいらしいので、触りたくもなるかもしれませんが、非常に危険です。
馬は視野も相当広いので、後ろから近付いても、その姿は見えてしまいます。
蹴られたら大怪我につながる可能性もあるので、絶対におやめください。
馬たちも、人への警戒心が強くないので、近くまで来ることがありますが、くれぐれも気をつけること!そして、勝手に人間の食べ物を与えたりするのもダメですよ!
馬たちには、馬たちの生活があります。ゴミをポイ捨てするのもいけません。馬が間違えて食べてしまうと…どうなるか想像できますよね?
読者の皆様ならわかると思いますが、馬たちを優しく見守ってあげてくださいね♪
【都井岬ビジターセンターうまの館】
都井岬のこと、そして御崎馬のことをもっと知りたいと思った方には、この「うまの館」を訪れてみるのがいいでしょう。
都井岬の歴史やジオラマなどの展示などがあります。
都井岬の自然だけでは物足りない!という方にとっては、おススメです。
御崎馬のことについても詳しく展示があり、馬に関する理解を深めることもできますね。
電話による予約で、実際に外で御崎馬を見ながら説明を受ける「野外ガイド」もあるそうです。
館内には、クラフト体験コーナーがあり、自然のものを使った工作体験も可能なので、子どもがいらっしゃる家族連れの方には良いかもしれません。
※ビジターセンターは、毎週月曜日は休館日(月曜日が祝日の場合は火曜日が休館日となります)で、入場料金は、大人310円、中学・小学生は200円です!(団体の方は別料金にて要確認!)
都井岬観光がしたくなった方へ!都井岬への行き方は?
景色、野生動物の生態を楽しむことのできる都井岬。
ですが、一つ難点が…。それは、アクセスが難しいこと。
①レンタカーなどを利用して、自ら運転して現地へ向かうか、
②公共交通機関を利用することです。
ベストな方法は、車を利用することでしょう。
レンタカーなどを利用して、自ら運転して現地へ向かう場合
有料道路を利用して、JR宮崎駅・宮崎空港から2時間程度を見ておくべきでしょう。
JR都城駅を起点とした場合は、下道のみを利用して1時間半程度で到着できます。
公共交通機関を利用する場合
串間市のコミュニティバス、「よかバス」を利用すればよいでしょう。1日フリーパス券で大人1名400円とお得です。
この場合は、JR串間駅が起点となりますが、JR宮崎駅からは2時間15分、宮崎空港からは2時間30分程度で串間駅に辿り着けます。
JR串間駅からは、上記のバスを利用して、40分。
本数は、串間駅→都井岬行、都井岬→串間駅でそれぞれ4本しかないので、時間は気にしておかないと、他の観光が難しくなってしまいます。
都井岬で素敵な景色と野生の馬を眺めて癒されよう!行くなら今がチャンス!

アクセスが大変な分、普段は見ることができない風景が広がる都井岬。
特に、野生の馬を見る機会はなかなかないと思います。
一度行けば、一生の想い出になること間違いなし!
- 野生の馬を近くから見ることができる
- 美しい景色を眺められる
素晴らしい観光地ですが、日本人観光客も、外国人観光客もまだそれほど多くない穴場的スポット。
自然や動物が好きなら、家族でもカップルでも楽しめること請け負いです!ぜひ行ってみてくださいね♪
一般社団法人 串間市観光物産協会公式HP

国内、国外問わず出かける旅行が趣味、また仕事中によく口にする「こんぺいとう」をこよなく愛する青年。「こんぺいとう」による肥満に日々怯えつつも、ついつい口に運んでしまう今日この頃。旅行は年7~8回ほど出かけるが、日本国内ではまだ関東地方の一部が未訪問であり、早期に47都道府県制覇をするのが現在の目標。