文化も歴史もお寿司もお酒も!鹽竈神社を始めとする塩釜の楽しみ方

鹽竈神社
Photo by Tsubaki in September 9, 2017

上の写真のような景色が見える、小高い森の中に鎮座し、地元で「しおがまさま」と呼ばれ親しまれている「鹽竈神社」。パワースポットとしても有名なので、興味がある人はきっと多いでしょう。

でも本塩釜(最寄駅)には鹽竈神社しかないの!?他に楽しめるものはないの!?と気になる方もいると思います。

そこで、今回は去年実際に鹽竈神社に訪れた筆者が、鹽竈神社とその周辺の情報を紹介します。

鹽竈神社ってどんな神社?

鹽竈神社
Photo by Tsubaki in September 9, 2017

陸奥国一宮である「鹽竈神社」といえば、海上守護・東北鎮護の神社として重んじられています。

いつ創建されたかはわからないものの、弘仁式(律令で定められた内容の補足とそれを実行する具体的な方法をまとめた本)では「鹽竈神を祭る料壱万束」と書かれており、熱い祭祀料をもらう神社であったことがわかります。

その後、鎌倉時代に入り、武家社会となってから手厚く保護されるようになりました。奥州藤原氏、留守職(鎌倉時代の陸奥国の統治機関の一つ)を務めた伊沢氏、そして伊達氏からの崇敬が厚く、歴代の藩主は大神主を務めたようです。

現在の社殿は陸奥仙台藩4代目藩主綱村公から5代吉村公に亘り、9年の歳月をかけて造られました。

鹽竈神社がこんなにも重宝された理由としては、陸奥国の国府や鎮守府となっていた多賀城があげられます。鹽竈神社は多賀城の鬼門の方角(北東)に位置していたため、政治の中心地である多賀城を守る者として厚い信仰を得たのでしょう。

実はすごい神様ばかり!な鹽竈神社の御祭神

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鹽竈神社の御祭神は三柱います。鹽土老翁神(しおつちのおじのかみ)、武甕槌神(たけみかづちのかみ)、経津主神(ふつぬしのかみ)です。

武甕槌神・経津主神は「日本書紀」の国譲りの話で出てくる軍神として、またそれぞれが鹿島神宮(茨城県)、香取神宮(千葉県)の主祭神として有名ですが、この二柱の神様が東方の平定に来た際に道案内をしたのが、鹽土老翁神として伝わっています。

目的を達成した二柱はそれぞれのお宮に帰ったものの、鹽土老翁神だけは塩釜に残り、製塩法を教えたそうです。境内外摂社の御釜神社には「藻塩焼神事」という行事が伝わっており、毎年お塩を取って神様にお供えします。

ちなみに鹽土老翁神はシャチにのって海路を渡って塩釜に来たといわれており、とてもユニークな神様です。

スペシャルな別宮!?鹽竈神社の社殿

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鹽竈神社の中世以前の境内の様子を伝える資料はなく、陸奥仙台藩主4代目の綱村が着手したものが現在の社殿と言われています。

毒殺されかけ、わずか2歳で伊達家20代目当主となった綱村は17歳で仙台に戻ってきた際、自分の命と伊達家が続いたのは神仏のご加護のおかげであると考え、大規模な社殿の造営に着手しました。

江戸幕府から日光の東照宮の改修を命ぜられ、3年間の修復を終えると、職人を仙台に呼び鹽竈神社の社殿を造営させました。そのため、社殿の造りや彫刻が東照宮とよく似ています。

しかし、鹽竈神社の社殿の配置はユニークです。左右宮に武甕槌神(たけみかづちのかみ)と経津主神(ふつぬしのかみ)を置き、別宮にて鹽土老翁神を祀っています。

「主祭神なのに別宮?」と思われるかもしれませんが、この”別宮”とはサブではなく、「特別なお宮」という意味があります。また、この別宮は松島湾を背にして建っていますが、海上守護の鹽土老翁神に海難を背負っていただくためと言われています。

なお、武甕槌神と経津主神がいるお宮は日本中にもなかなかない珍しい造りをしていますので要チェックです。

ユニークなものも!鹽竈神社のお守り

うまくいくお守り
Photo by Tsubaki in September 9, 2017

鹽竈神社では毎年新しいお守りを用意しているそうですが、ずっと大人気のお守りがあります。

それが「うまくいくお守り」。馬の蹄が9つ描かれており、「ウマくいく(9)」という洒落がきいているお守りで、その年の干支の動物のチャームがついているお守りです。

鹽土老翁神は海上守護の神様であることで有名ですが、同時に塩の神様・潮の満ち引きの神様でもあります。

潮の満ち引きは人の生死と関係あること、海=産みであることから、安産の神様ともいわれるようになりました。そのため、鹽竈神社では色々な種類の安産祈願のお守りがあります。

また、腹帯に一緒にまくサラシのように一風変わったお守りもあります。

ずっと土地を守ってきた志波彦神社

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鹽竈神社には境内摂社の志波彦神社を紹介します。

元々は別の場所に鎮座されていましたが、中世以降衰退の一途をたどっていたため、明治時代に鹽竈神社の敷地内に移されました。

志波彦神社に祭祀されているのは志波彦大神ですが、志波彦大神についての詳細は記紀にも、伝承にも残っていません。

しかし仙台市には志波彦、栗原市には志波姫町、岩手県には志波城跡、志波稲荷神社など「志波」が名に付く場所が多数あります。

これは、志波=シワであり「物の端」を表す言葉であり、大和朝廷の勢力が東北に移るにつれて、大和朝廷の勢力の端(シワ)が遷ったため、その土地で信仰されていた神様を志波神と呼ぶようになったと考えられています。

ただし志波神は農耕守護の神様として伝えられており、「延喜式」の中で「名神大社」という格別の崇敬を朝廷から受けていたことがわかっています(ちなみに、鹽竈神社は延喜式に記載されていません)

志波彦神社の御朱印は鹽竈神社でいただくことができますので、忘れずに!

小さいけれど神秘さはピカイチ!御釜神社

御釜神社
Photo by Tsubaki in September 9, 2017

鹽竈神社の202段の階段を下りて少し歩くと見つかるのが、同じく鹽竈神社の摂社である御釜神社です。

鹽竈神社と同じように鹽土老翁神を祀っており、鹽土老翁神が製塩法を伝え、それが行われたのがこの御釜神社周辺だといわれています。

筆者が行ったときには社務所に人がいなかったので見られなかったのですが、御釜神社には、その名の通り「釜」があります。神釜と呼ばれる4つの鉄製の御釜です。

この御釜は不思議で、日照りが続いて涸れることもなければ、台風や大雨の際に溢れることもないといわれています。江戸時代には何かの前触れのときのみ、この御釜の中の水が変わるといわれていたそうです。

ちなみに、東日本大震災の時にも水の色が変わったとか…?

また、この神社に伝わるのが、既に述べた”藻塩焼神事(もしおやきしんじ)”です。7月4日から7月6日の間に、伝わっている製塩法で塩を作り、できた塩は参列者に配られ、また7月10日の鹽竈神社の例祭でも使われるそうです。

この神事は、宮城県の無形民俗文化財にも指定されており、日にちがあえばぜひ見てみてください。

参拝後に楽しもう!銘酒・浦霞

浦霞 酒ギャラリー
Photo by Tsubaki in September 9, 2017

塩釜の見どころは鹽竈神社だけではありません。

まず、塩釜にある酒造。その中でも有名な「浦霞 酒ギャラリー」を紹介します。

浦霞の醸造元である株式会社佐浦は150年も塩釜で酒造りを行ってきました。代々当主は地元への貢献を大切にし、塩釜が火事に見舞われた際には持ち山の木を住宅用に住民に与え、飢饉の際には蔵のお米を配ったといいます。

大正時代には、当時摂政官であった昭和天皇にお酒を献上する名誉に授かり、その際に塩釜について詠んだ和歌から「浦」と「霞」の二文字を取って、「浦霞」という銘柄に統一しました。

酒ギャラリーではオリジナルお猪口を購入する(300円)ことで、月替わりの利き酒を行える利き酒カウンターがあります(もちろん普通にお酒も買えます)。

また、宮城県在住の作家が作った酒器の販売や日本酒をもっと楽しめるようなイベント、蔵ガイドが開催されており、地元愛を感じることができます。

「筆者は利き酒カウンターでいただいた浦霞のひやおろしが美味しすぎて1本買って帰りました…。」

藻塩とチョコレートの抜群のコラボ!クレオバンテール

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日本酒と違って、少し意外なのがチョコレート。

先ほど紹介した浦霞 酒ギャラリーの近くにあるのが、チョコレート屋さんの「クレオバンテール」です。フランスで修行を積んだというパティシエが、「塩釜で世界トップレベルのチョコレートが提供できたらいい」という思いで始めたチョコレート屋さん。

ケースの中に見えるチョコレートがキラキラしていてどれも美味しそうなのですが、なんといってもお勧めは「藻塩ショコラ」!塩の神様である鹽竈神社が近い、塩釜ならではのコラボレーションといえます。

もちろん藻塩は地元・塩釜で取れたもので、塩がチョコレートの甘さを引き立て、とても美味しいです。

チョコレートだけではなくケーキも置いてあり(旅行者にケーキは少し厳しいかもしれませんが…)次回は筆者もケーキにトライしてみようと思います。

お酒の後は新鮮なお寿司を!塩竃 すし哲

塩竃 すし哲
Photo by Tsubaki in September 9, 2017

塩釜といえば、なんといってもお寿司!

実は塩釜は「寿司の街」とも呼ばれ、1平方キロメートルあたりのお寿司屋さんの店舗数が日本一多いと言われています。実際に、JR仙石線「本塩釜」の徒歩2~3分で何軒もお寿司屋さんを見つけることができます。

海がすぐ傍にあるだけあって、新鮮なネタのお寿司を味わえます。お寿司を握ってくださった大将さんも気さくで旬の魚について色々教えてくださいました。

お米もお酒も美味しい宮城県ですが、お寿司も堪能できるとは…なんという贅沢でしょうか!仙台にもお店を出しているようですが、ぜひ本店で頂いて帰りましょう。

宮城県の観光地が仙台や松島だけだと思っていると、とてももったいないです。また、塩釜神社だけだと思っていてももったいないです。歴史も文化も食も楽しめる塩釜をぜひ堪能してください。

筆者が行ったのは2017年なので、今はもっともっと面白いもの・楽しいことが増えているかもしれません。ぜひ散策して、あなたの楽しみを見つけてくださいね!

アクセス

仙台駅から本塩釜に行くルートもありますし、松島と塩釜間で汽船が出ていますので、松島もぜひ楽しんでくださいね!

鹽竈神社

浦霞 酒ギャラリー

クレオバンテール

塩竈 すし哲 本店