「昭和記念公園」といえば、立川市と昭島市に跨って存在する記念公園です。都心からも一時間ほどで訪れることができます。
米軍の立川基地跡地を利用したものであるだけに、広さは東京ドーム38個分、東京ディズニーランド5個分と都内一の広さを誇っています。
この記念公園は昭和天皇の在位50年記念事業の一環として、「緑の復活と人間性の向上」をテーマに整備が進められてきました。
現在および将来を担う国民が自然的な環境の中で健全な心身を育み、英知を養う場として記念公園という側面もありながら、大規模な災害が起きた際の避難場所としての設計もされています。
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「ただの公園?」かと思いきや…
しかし、「公園」と聞くと「ピクニックや子供を連れて遊ぶくらいしか楽しめることがないのでは?」と思ってしまいませんか?下の地図を見てください。
もちろんテーマに「緑の回復」とあるために、自然がたくさんであることは間違いありません。また、子供たちが遊ぶための遊具や、犬と楽しめるドッグラン、家族連れで楽しめるバーベキューガーデンなどどうしても「家族寄り」の設備が多いように見えます。
しかし、日本庭園や花みどり文化センターなど、一人でも十分に楽しめる設備があります。また、春夏秋冬で違う花が見られるように世話もされています(筆者が訪れたときにはアジサイが咲き乱れていて、秋のためにコスモスが準備中でした)
今日は歴史的なものが好きな筆者が、大人一人で自然と歴史を満喫できる昭和記念公園の楽しみ方をガイドします!
上記の地図では②花みどり文化センター、③昭和記念公園、㉚日本庭園、㉛盆栽苑、㊸花木園となります。
昭和記念公園の無料エリア=みどりの文化ゾーン
昭和記念公園は無料エリアと有料エリアに分かれており、無料エリアにも楽しめる施設があります。無料エリアは「みどりの文化ゾーン」と呼ばれ、主な施設は「花みどり文化センター」とその中に併設されている「昭和天皇記念館」です。
今回は筆者がJR立川駅を使用したため、あけぼの口から入ったのですが、偶然にもあけぼの口が花みどり文化センターの最寄りの入り口となります。
このセンターではアートや、自然・動物などの写真が展示されており、虫・動物などの生態が勉強できるようになっています。「花みどり文化センターカフェ(花文カフェ)」が併設されており、ランチやちょっとした休憩も可能です。
同じく中に併設されている「昭和天皇記念館」では昭和天皇・香淳皇后ゆかりの写真や資料が展示されています。
昭和天皇記念館は入館料が発生します(510円)が、公園(有料エリア)のセットチケットを購入すると、760円で2つとも楽しむことができます(公園のみだと450円)。
館内は写真が撮れないのが残念ですが、昭和天皇の第二次世界大戦とその復興を含めた激動の87年間を垣間見ることができます。特別展示は時期によって異なり、筆者が訪れた際には儀式用の椅子と国産初の御料車が展示されていました。
筆者はちょうど平成元年生まれのため、昭和天皇の記憶が全くありません。
そのせいか、私にとって「歴史」でしかない第二次世界大戦の、ポツダム宣言受諾を録音したマイクや昭和天皇が放送を聞いたポータブルラジオなどを目の当たりすることで、昭和天皇がその当時どんな気持ちで敗戦を伝えたのかなど色々と思いを巡らせて、つい涙が出てしまいました。
社会科の教科書でしか昭和天皇を見たことがない方はぜひ足を運んでみてください。
みどりの文化ゾーンを出たらいよいよ記念公園ゾーンへ!
みどりの文化ゾーンを出て、目の前のエスカレーターを上ってまっすぐ進むと立川口があります。昭和天皇記念館でチケットを購入していない場合はこちらでチケットの購入が必要です。
チケットを見せて門を通ると…
広い!!!
目の前には200mのカナールがまっすぐ広がります。これだけでも広大なのがわかりますが、奥に進むとこれはまだまだ序の口であることがわかります。
この広い公園を移動する手段は以下3通りあります。
- 徒歩
- レンタサイクル(3時間 410円)
- パークトレイン(15歳以上は1回310円、4歳以上中学生以下は150円)
筆者は徒歩が好きなためてくてくと歩いていくことにしました。パークトレインはこの日は「あじさい号」と「チューリップ号」が運転していました。
「可愛いし便利そうだから乗ればよかった…。」
実は隠れたアジサイ鑑賞スポット!年中花が楽しめる花木園
カナールをまっすぐ進みドッグランを超えると、一面に湖が広がります。
実は、水鳥の池と呼ばれる池で、ボートに乗ることもできます。水鳥の池の周りは、バードサンクチュアリと呼ばれる野鳥保護区や季節で違う花を観賞できる花木園があります。
今の季節ではアジサイロードと呼ばれる、アジサイが咲き乱れる道ができており、白や青、紫などの色とりどりのアジサイが咲いていました。アジサイといえば関東では鎌倉が有名ですが、混雑がなくゆっくりアジサイを観賞したい場合、とっても良いスポットです。
花木園は桜ゾーンやつつじゾーンなど、植えられている花によって何種類かエリアが分かれています。季節の関係もありますが、今見て楽しいのはあじさいと蓮(はす)・睡蓮(すいれん)でした。
ちなみに、上記には蓮も睡蓮も映っていますが、どっちがどっちだかわかりますか?
わからない方はぜひ調べてみてください。
池の周りには菖蒲も咲いていました。朝降った雨にぬれていたのですがいい感じ。
ハーブガーデンというハーブだけのエリアもあります。ヨーロッパのお庭のような可愛い入口です。
近くによるとラベンダーが素敵な香りを発していました。緑いっぱいで良い香りもしていて、リラックス度満点!
たくさんのハーブがきちんと手入れされていますが、ハーブボランティアさんが全てやってくださっているのだそう。
定期的にハーブ園ガイドなども開催されていますので、ハーブが好きな方は是非参加してみてください。
ここまで色々な花が見られると、他の季節にも足を運んでみたくなってしまいますね。
ゆっくりしたいときは日本庭園へ
花木園を過ぎると、「みんなの原っぱ」という大きな広場を見ることができます。日光浴をしたり、テントを立てている人がいたりと人々が思い思いに過ごしています。
私はこの日、サングラスを持ってこなかったので、日光浴は諦めて、日本庭園へ進むことにしました。
日本庭園はまさに「日本の伝統文化を継承する場」として、戦後の首都圏では最大級の庭園となっています。池を中心として日本の造園技術によって作られた庭、人々の憩いの場として作られた日本家屋が4軒存在しています。
そのうちの一つである「歓楓亭(かんふうてい)」は日本庭園の西側に位置し、池とその風景を見渡すことができます。数寄屋造りという建築様式で建てられ、本格的なお茶会ができるようになっているようです。施設の貸し出しもしているとのことですが、この日は貸出がなかったのか、中で呈茶(お抹茶とお菓子)をいただくことができました。
こんな立派なお茶室でカジュアルにお茶をいただけることは滅多にないので(茶道でお茶会にお呼ばれする際は基本的に着物やスーツなどドレスコードがあります)、ぜいたくな時間となりました。
ただ、筆者が行ったときは池の水を抜いての清掃期間だったため、美しい池を見ることはできませんでした…残念…。
初の国営盆栽展示施設・盆栽苑
盆栽といえば、最近は海外でも人気で有名ですが、日本庭園の隣には我が国初の国営盆栽展示施設である「盆栽苑」があります。平成16年と比較的新しくオープンしたエリアで、展示してあるのは日本盆栽協会の協力の元に寄贈された名品達。
展示ゾーンと学習ゾーンに分かれており、盆栽について全く知らない人でも楽しめるようになっています。
「筆者も伝統文化(歌舞伎、浮世絵、茶道)が好きで色々首を突っ込んだりはしているのですが、盆栽にはノータッチでした。今回盆栽たちを見て、興味がわいたのでもっと体験とかあるといいな…。」
上記の歓楓亭との大規模展示や、盆栽の相談なども受け付けてくれるそうなので盆栽に興味のある方は是非訪れてみてください。
まとめ
ここまで説明してきてわかったと思いますが、記念公園とは言え一人でふらっと入っても楽しめる場所です。日本庭園や盆栽苑など、外国人が楽しめそうな部分もありながら、ほとんど外国人がいなかったのが印象的でした。
もちろん家族連れやペットと、もしくはデートで来て、ピクニックやバーベキュー、ディスクゴルフなどアウトドアを楽しむのも良いですし、一人で四季折々の自然に触れてみたり、抹茶を飲んで一息ついたりすると、都会の喧騒を忘れてリフレッシュができます。
また、今回紹介ができませんでしたが、レストランや売店も数か所あるため、疲れても割とすぐ休憩が可能なのもよかったです。
ぜひ、自然に囲まれたいと思ったら足を運んでくださいね!
アクセス
広島生まれの東京在住アラサー。一番よく行く旅行先は京都。現在、着物、浮世絵、茶道など伝統文化にもハマりつつあります。旅行が好きですが人混みが嫌いで、どれだけ効率よく色々見られるかを毎回考えて旅行しているので、そんな視点で日本を楽しんでもらうための記事を書いていきたいと思います。