悲劇の歴史を乗り越え美しい姿を佇む鶴ヶ城!見どころは?ご当地グルメもご紹介!

Photo by shrioa in 2018

鶴ヶ城は福島県の会津若松にあるお城です。

幕末に新政府軍と旧幕府軍が争った内戦「戊辰戦争」の舞台となり悲劇の歴史を持った城として有名です。現在も会津若松の象徴として愛されています。

桜の名所としても知られ、多くの魅力を持つ鶴ヶ城の歴史と見所を紹介していきます。

鶴ヶ城と若松城は同じ?複数の呼び名を持つ城

正式名称は「若松城」ですが、「鶴ヶ城」が一般的な名称です。他にも多くの愛称で親しまれ「会津若松城」や「会津城」「黒川城」と呼ばれることもあります。

ここでは「鶴ヶ城」と呼んでいきます。

鶴ヶ城の歴史

鶴ヶ城は葦名盛氏が「黒川城」を設営したことから歴史が始まります。

黒川城の時代には「葦名盛氏」「伊達政宗」が城主となりました。その後、蒲生氏郷が黒川の地名を「若松」と改め現在の会津若松の基礎を作ったのです。黒川城を一新し、今も残る美しい見事な石垣の天守を築き上げました。

蒲生氏郷が40歳でこの世を去った後は上杉景勝→加藤嘉明→保科正之→松平容保と城主が交代していきました。

鶴ヶ城の歴史を語る上で外すことができないのが「白虎隊の悲劇」です。幕末に生じた内戦「戊辰戦争」では旧幕府軍であった会津藩が最後まで新政府軍に抵抗したことから、会津は激しい交戦の舞台となりました。そして鶴ヶ城に追い込まれ1ヶ月にも及ぶ籠城戦が繰り広げられました。多い日には1日約2500発もの弾丸が鶴ヶ城に打ち込まれたとも言われています。

追い詰められた松平容保は降伏を決意し会津藩の敗北で戦争は幕を閉じました。この戊辰戦争では戦うために16、17歳の武家の少年たちで「白虎隊」という部隊が構成されました。母国を守るため懸命に戦った多くの白虎隊の少年たちが命を落とした悲劇が今も語り継がれており「白虎隊の悲劇」と呼ばれています。

戊辰戦争後、鶴ヶ城は石垣を残して一旦取り壊されましたが、人々の強い要望で1874年に再建されました。

鶴ヶ城の見所:天守閣を囲う石垣&日本で唯一の赤瓦

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鶴ヶ城の見所の一つとして、天守閣が傾いた程大地震でも持ち堪えた歴史ある石垣が挙げられます。天守閣は取り壊された後に再建されましたが、石垣は建設当初のものが今でも残っています。

鶴ヶ城の石垣は場所により年代が異なり、天守閣の石垣が最も古いと言われています。天守閣の石垣にはよく見るとハートの形をしたものもありますので、訪れた際には探してみてください。

また、天守閣の赤瓦も見所の一つです。

会津は寒さの厳しい東北地方に位置しています。そのため、厳しい寒さや凍結で瓦が割れないように釉薬を施して焼いた赤瓦を使用していました。現在赤瓦の天守閣を仰ぎ見れるのは鶴ヶ城だけです!

真っ白なお城に映える赤瓦をご覧ください。

天守閣の内部は郷土資料館

他のお城と同じように天守閣の内部は郷土資料館となっており、会津の歴史や文化についての貴重な資料が展示されております。

火縄銃を持ち上げることができたり、当時の学校の様子のジオラマが展示されていたりと読み物だけでなく目で楽しむことや体験して楽しむことができるエリアが広がっていました。

兜や巻き物・衣装等の展示がされていたり、戊辰戦争や白虎隊の悲劇についても映像や資料で知ることができます。

今まで数々の天守閣の中を入ってきましたが、展示物や映像等に趣向を凝らされていたため私の中では1番楽しめて印象に残るお城です。

天守閣最上階に上がると美しい会津の城下町を一望することができます。

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1階はお土産屋さんになっているので、会津の楽しい思い出をお土産と共に持ち帰ってください。

千利休が建てた茶室麟閣

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鶴ヶ城の公園内には千利休の子・少庵が建てたと言われてる茶室があります。

千利休が豊臣秀吉の怒りにふれ死を命じられましたが、当時鶴ヶ城の城主であった利休の茶道が途絶えるのを惜しみ千利休の子である少庵を会津にかくまいました。

そして徳川家康と共に豊臣秀吉を説得し、怒りが終息した後に少庵は京都に戻っています。

会津にかくまっていた際に作られたと言われいてるのが「麟閣」です。

そこでは、美しい庭園の風景を堪能しながらお茶を楽しむことができるようになっています。

「桜の名所100選」に選ばれた鶴ヶ城の桜

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鶴ヶ城の見所は天守閣だけではありません。

「桜の名所100選」にも選ばれているほど、桜の見所として有名です。春になると約1000本の桜が私たちを出迎えてくれるため、国内外から多くの観光客が訪れます。

天守閣に登った後、一面桜の公園を見下ろすとその美しさに思わず息を飲みます。

会津地方は4月中旬から下旬が桜の見頃を迎えますので、その時期に合わせて行くのをおすすめします。

桜の時期には夜に東日本エリア最大級規模のライトアップのイベントも催されるため、昼と夜でまた違った顔を見ることができます。夜はまた幻想的な雰囲気になるため、見比べてみてください。

なお、ライトアップは春だけなのですが秋には紅葉を楽しむこともできます。

会津に行ったらこれを食べるべき!グルメ情報

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鶴ヶ城を堪能した後は会津の名物料理でお腹も満たしてください。

代表的な名物料理として以下が挙げられます。

わっぱめし

ヒノキや杉の木を曲げて作る曲げわっぱの中にお米と具材を入れて蒸した料理

こづゆ

干し貝柱で出汁を取り人参・椎茸・麩・里芋・銀杏・キクラゲ・糸こんにゃくなどの具材を入れた汁物料理

まんじゅう天ぷら

まんじゅうを天ぷらにした料理。

また、お酒が好きな方であれば日本酒も是非堪能いただきたいです。会津は米どころということもあり、美味しい日本酒が多く作られています。私は元々日本酒は飲まなかったのですが、会津の日本酒を初めて飲んだときにその美味しさに感動して以来、日本酒が1番好きなお酒になりました。

アクセス情報

会津若松駅から徒歩30分と少し距離があるため、駅から出ている「まちなか周遊バス」を使うかタクシーやレンタカーを使うことをおすすめします。

バスに乗る場合はバス停留所「鶴ヶ城入り口」で下車します。

春は桜の名所として知られていることもあり、春は道路が混み合いますのでご注意ください。

入園料

天守閣入場料

大人:410円
子ども:150円
茶室麟閣共通券:510円

茶室麟閣入園料

大人(高校生以上):200円

天守閣入場券とセットの共通券で購入すると510円となり、100円割引になります。天守閣入場時に茶室も行くことが決まっている場合は共通券を購入した方がお得です。

駐車場

レンタカーで訪れる場合は鶴ヶ城付近に常設されている以下3つの駐車場が利用できます。

  1. 鶴ヶ城西出丸駐車場
  2. 鶴ヶ城南口駐車場
  3. 鶴ヶ城三の丸駐車場

私はその中でも「鶴ヶ城公園三の丸駐車場」をおすすめします。天守閣からは少し離れているのですが、比較的坂道も少ないため歩きやすいです。

駐車場の敷地には「福島県立博物館」があり鶴ヶ城見物前後に博物館も一緒に見学できます。福島県立博物館では福島の歴史や文化に触れることができるので、お時間ある方は行ってみてください。

まとめ

鶴ヶ城の魅力をまとめます。

  1. 悲劇の歴史を持つ鶴ヶ城
  2. 天守閣を囲む石垣と日本唯一の赤瓦
  3. 「桜の100選」にも選ばれた美しい桜の名所

天守閣の内部の資料館ではより詳細な会津の歴史に触れることができます。

日本の美しい自然と歴史に触れることができる鶴ヶ城に是非足を運んでみてください。